ベルヴェデーレ宮殿の先生方 |
【基本情報】
A Dangerous Method, 2011
監督 David Cronenberg
出演 Keira Knightley, Viggo Mortensen, Michael Fassbender 他
【あらすじ】
カール・ユングの私設精神病院に入れられた若く美しい患者のザビーナ・シュピールラインはヒステリーと診断され、池に飛び込むなどエキセントリックな行動が多い。ユングは彼女の症状が幼少期に父親から罰された体験に起因すると考える。ユングはウィーンにフロイトを訪ねるが、のちに決裂する。ユングとザビーナは愛人関係となり、精神分析界に「ユングは患者と寝ている」という匿名の手紙が届くようになる。予告編
【コメント】
ユング、フロイト、後に自らも精神分析医となり、ユングと不倫関係にあったザビーナ・シュピールラインの3人を巡る、史実に忠実な映画だそうです。ただ、精神分析学自体が今となっては疑問符のつくものだと思いますし、ストーリーは少し気持ち悪く感じました。鞭打ちとか興味ないです。ヒロインのザビーナはかなり変な人で、ユングに捨てられるとペーパーナイフで切りかかります。また、大金持ちの令嬢と結婚し、奥さんのお金でヨットを買ってもらったり、病院を作ったりした挙句に「妻はfoundation(土台、資金源)だ。愛人は空気中の香気だ」と言うユングもちょっと人としてどうかと思います。
ストーリーには乗れませんでしたが、絵としてはきれいです。女性達の着ている薄い白い布にレースやホワイトワークを施した衣装がすてきです。スイスやウィーンの風景も美しいです。フロイトとユングがカフェに行って、ザッハトルテのようなものを食べていたり、散歩しているのがベルヴェデーレ宮殿だったりと、先月ちょうどウィーンに行ったので、うれしかったです。見るからに高価な家具や食器が並ぶユングの家や、コレクションが所狭しと陳列された、ヴンダーカンマーの趣きのあるフロイトの書斎もいい感じです。
スイスも景色が良いところで、行ってみたいなと思いました。本来こういう映画を見たらフロイト、ユングの著作を読んだり、ザビーナ・シュピールラインの功績について学んだりすべきなのでしょうが、その方面にはまったく興味を持てませんでした。
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