2012年9月30日日曜日

アールグレイにはチョコレート

フレイバーティーはベルガモットの香りのアールグレイが気に入っています。紅茶などあまり頻繁に飲むものではないと思っていますが、アールグレイのお茶請けはチョコレートと決めています。数年前に英文学関連の学会に参加したとき、アールグレイとチョコレートがおやつに出て、よく合うと思ったからでした。

アールグレイの由来となったグレイ伯爵チャールズは映画『ある公爵夫人の肖像』ではこんな人でしたが

 肖像画ではこんな人です。

若いとき
壮年
映画はグレイ伯爵とデボンシャー公爵夫人ジョージアナの不倫を描いていましたが、グレイ伯爵は別の女性と結婚していて、16人の子供をもうけました。娘さんの一人は「ジョージアナ」という名前です。

紅茶にベルガモットの香りをつけたこととグレイ伯爵との関係については諸説あり、ラプサン・スーチョンを模したという話もあります。ラプサン・スーチョンは煙の匂いがするそうで、試してみたくなりました。その他、アールグレイにまつわる以下のような話があります。

  • 【トワイニング】
    アールグレイをベースにオレンジとレモンの皮、ヤグルマギクの花弁を加えた「レディ・グレイ」を販売している。2011年、Facebookにてアールグレイに「ベルガモットとシトラスを増量しました」と発表したところ、大ブーイングが起き、Facebookではこれに反対するグループも発生した。
  • 【ロンドンの霧】
    アールグレイ、スチームミルク、バニラ香料で作る飲み物。
  • 【ロシアン・アールグレイ】
    アールグレイに柑橘類の皮、ウォッカなどを加える。
  • 【ベースの紅茶のバリエーション】
    アールグレイは通常紅茶ベースだが、緑茶やルイボスティーをベースとしたものも販売されている。
ジョージアナ
ジョシュア・レノルズによるデボンシャー公爵夫人です。おもしろいポーズです。

2012年9月28日金曜日

図書館の読書会

Caleb Cheeshahteaumuck (1646-1665)

 カレン・ジョイ・ファウラーの『ジェーン・オースティンの読書会』を読み、映画を見て読書会に憧れていました。楽しそうだなと思い、日本にいたとき読書会を探してみたのですが、日本には少ないし、あったとしてもビジネス書とか自己啓発本の読書会が目につきました。日本人の勤勉で勉強熱心な性格を反映しているのだろうと思いますが、私は怠惰でお勉強がキライなので、そんな真面目な読書会には参加する意欲がありませんでした。

アメリカは読書会がさかんで、一つの図書館につき5種類くらいの読書会が図書館主催で行われており、自主的に集まっているグループもたくさんあるようです。こちらでは参加させてもらうような人脈がないので、近所の図書館の読書会に参加しました。

今回の課題図書はGeraldine Brooks著Caleb's Crossingでした。舞台がマサチューセッツ州マーサズヴィンヤード島とケンブリッヂなので、この辺りの読書会ではよく取り上げられる本です。実話に基づく、初めてハーヴァード大学に入学したワンパノグ・インディアンの少年、ケイレブの物語です。ケイレブと出会い、彼に英語を教え、イギリス人の社会への橋渡しをしたベシアの視点から語られます。ベシアは女性であったために望むような教育は受けられませんでしたが、聡明な少女でした。ケイレブもまた高い知性の持ち主で、二人がインディアンの宗教とキリスト教の世界観について議論するシーンが印象的です。ベシアは兄、母、妹、父と次々と家族を失い、ケイレブがpreparatory school(予備校?)に行く間やハーヴァードに進学した後も近くで見守ります。二人はひかれる部分があったようですが、プラトニック・ラブに徹していて、しかも抑圧的なプラトニックでない部分に好感を持ちます。白人とインディアンの軋轢も本書のテーマの一つです。

作者は本書執筆にあたり当時の裁判記録や遺言を参照して17世紀の英語を模したとのことで、現在では使われていない表現もあり、テーマも重めなので読むのは難儀しました。宗教のあり方や、異なる社会の関係について重要な問題提起をしているので、読書会でもよく取り上げられるのだと思います。

読書会はシニアセンターで開催されました。平日午前の会合なので平均年齢150歳といったところで、全員が白人でした。参加者は20人を超える大きなグループでした。私はその中では若輩者ですし、アジア人で英語もほとんどしゃべれないので、発言するのは控えました。図書館の館長先生が進行役でした。議論したテーマは
  • crossingの内容
  • ベシアとケイレブ、ベシアと兄のメイクピースの関係について
  • ケイレブともう一人のインディアンの少年、ジョエルがハーヴァードに入学して以来、21世紀になってから約350年ぶりにワンパノグの女性がハーヴァードに入学した事実について
  • ワンパノグの世界観や信仰について
等です。作者のジェラルディン・ブルックスは近々、近隣の学校で講演を行うとのことで、その案内をもらいました。読書会自体には興味がありますが、今回参加したグループは人数が多すぎるし、私はアウトサイダー気分を十分味わったので、二回目は行かないと思います。課題図書でなければ読まない本を手に取れたのは良かったです。



2012年9月26日水曜日

Never Let Me Go

【基本情報】
Never Let Me Go (2010) 日本語タイトル『わたしを離さないで』
Directed by Mark Romanek
Main Cast  Carey Mulligan,  Keira Knightley,Andrew Garfield
Written by Kazuo Ishiguro 日本語訳 カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
予告編

【あらすじ】
1960年代、人間は100歳を超えるまで生きられるようになった。ヘイルシャム寄宿学校で「あなたたちは特別な存在です。体の中も外も健康に保つように」と教えられた生徒たちはある日、新任の先生から衝撃的な事実を告げられる。キャシー、ルース、トミーは18歳になるとヘイルシャムを卒業し、外の世界に出る。しかし彼らの人生は他者によって最初から定められていた。

【コメント・ネタバレあり
カズオ・イシグロの小説、『わたしを離さないで』の映画化です。小説は2、3年前に日本語訳を読みました。映画ははしょっている部分はあるものの、ほぼ原作に忠実です。

クローン人間やロボットものは、昔からあるSFの一ジャンルだと思います。本作品では彼らは臓器を提供するために育てられ、生きたまま臓器提供させられます。3、4回の臓器提供を終えると彼らは'complete'終了します。若くして臓器を摘出され、衰弱した登場人物の姿は映像で見るとショッキングで痛ましいです。主人公のキャシーは、「提供」を行い、次の提供まで「回復センター」に入院する患者の世話人の仕事をし、健康だった友達が臓器を取られる様子を目の当たりにします。同じ学校で成長した3人の男女の三角関係もありますが、むしろ、人権など無視され、単に臓器提供のためのモノとして扱われる登場人物の描写が際立っています。

もちろんフィクションではありますが、怖いのはこれがある程度は現実だろう、ということです。映画は、登場人物の運命は残酷である一方、絵としてはきれいに撮影されています。現実の臓器売買はきれいな部分などなく、映画よりももっと悪いのでしょう。

キャリー・マリガンとキーラ・ナイトレイは『プライドと偏見』でも共演していました。その時はキャリー・マリガンは5人姉妹のうちでも地味な役割でしたが、『わたしを離さないで』では主人公を好演しています。あきらめの表情が印象的です。キーラ・ナイトレイは美人で売れっ子ですが、私が見る映画の5本に1本くらいは出演していて、何を見ても役柄以前に「私ですよ!!」というアピールが強い気がして、最近やや腑に落ちないところがあります。

英語は分かりやすく発音されていて、聴き取りやすいです。日本語訳は翻訳文がイマイチのように感じましたが、重く、辛い話なので英語で再読する気にはなれません。

2012年9月24日月曜日

cuteとprettyとlovelyの違い





英語の先生のお宅にお招きいただきました。先生は目がパッチリしたかわいいネコを飼っていて、夫が「ネコを見たらcuteと言ったらいいんやろか、prettyやろか」と言うので先生に訊いてみました。

先生の説明によると
  • ネコを触って「かわええ子やねぇ」と言うように、自分の体験が入る場合はcuteと言う。
  • ネコを見て、「毛並みの良いきれいなネコですね」と言うときは、prettyという。触ってよしよしなどはしないで、「見た目が良い」と言うとき。男性に対してprettyを使うことはない。
  • lovelyという言葉はアメリカではほとんど使われない。イギリス人はしょっちゅうlovelyと言う。アメリカでlovelyと言ったら少し気取った感じになるので、単にniceと言えば良いと思う。
先生はネコを2匹飼っていますが、「子供の頃、私の実家では5匹飼っていたのよ。どのネコもものすごく太った『ジャイアント・キャット』でした。この間、母が遊びに来たときに『あら、このネコたち痩せすぎじゃない』と言われたけど、これが普通サイズよ」と言っていました。

ネコの「まる」さんの動画を勧められました。箱が好きでみつけると必ず入りたがる太ったネコで、お気に入りだそうです。

先生は日本の「セーラームーン」というアニメと漫画が好きだそうで、アメリカに「セーラームーン」が輸入されたことは私の子供時代の一番すばらしいできごとだったと言っていました。何人かの若い女性が色々するストーリーだそうです。その中の二人は「明らかにレズビアンの関係で、二人一緒に登場すると背景にハートが出たり、手をつないでルンルンしたりするのに、アメリカだと子供向けのアニメにレズビアン云々は好ましくないと思われて規制がかかり、その二人は姉妹という設定になっているのよ。あれは姉妹にはない親密さで、不自然だわ」と言っていました。

近々我が家にお招きしようと思っています。

2012年9月22日土曜日

ペポカボチャ


昨年の秋に夫が「これお土産やで」と言って小さなオレンジ色のペポカボチャをくれました。秋らしくていいなと思ったので今年も飾りました。ハロウィーンが近付くと、パンプキンツリーが店頭に並び、初めて見たときはかわいくてカボチャにそっくりなので驚きましたが、1本10ドル以上する高価なものなので、買うのは諦めました。ペポカボチャはオモチャカボチャとも言うそうで、鑑賞用なので普通は食べません。白、黄色、緑、縞模様のもの、細長いもの、丸いもの等々、いろいろな形があります。ミニチュアなので小さい方がよいと思い、なるべく小さな物を選びました。ペポにしろ、オモチャにしろちょっと間抜けな感じで名前が良いです。
 

2012年9月19日水曜日

TOEICを受けました

渡米して1年が経過しました。1年間何もせずボーッと過ごしてしまったので、せめてと思いTOEICを受けてみました。TOEICは過去にも受験したことがありますが、今回は夫に受験料を出してもらったのであまりスコアが悪いと申し訳ないですから、少し勉強した後受験しました。

【使用した教材など】



語彙を増やすため、単語帳を覚えました。あえてこれを選んだわけではなく、ちょうど手持ちの本がこれしかなかったのでした。単語カードを作って憶えました。1、2回見れば憶えられる単語がある一方、10回見ても憶えられない単語もあるので完璧に記憶しようとするのではなく、憶えにくい単語は何度も見るようにしてある程度記憶したらどんどん先に進みました。この本はTOEIC対策としては難しすぎるというアマゾンレビューも散見されますが、語彙を増やすと洋書が読みやすくなりました。



TOEICの練習問題も手持ちのものを使いました。『新TOEICテストスーパー模試600問』はかなり難しいです。全然できなくてイヤになりますが、トレーニングにはなるかもしれません。スコアは前回受験したとき既に860は超えていたのですが、文法・語彙問題が苦手だったため『860点攻略本』を使いました。模試は8回分を2ヶ月前と直前に1回ずつ解きました。



試験と直接関係ありませんが、約2ヶ月前から毎週1冊以上、300ページ程度の英語の本を読むようにしました。本来は新聞とか政治経済系の雑誌等を読むべきなのでしょうが、それだとあまり興味がなくて長続きしないと思ったので、小説ばかり読んでいました。特に読む速度が速くなったなど効果は実感しません。



英語に慣れるため朗読CDを聴きました。これも試験対策としてはニュースや大学の講義のようなものがより良いとは思いますが、別のことをしながら長時間聴くには既に内容を知っていて朗読者の声や読み方が好きな朗読を選ぶ方が長続きするすると思います。Naxosの朗読CDのサイトで試聴をすることができます。時々BBCのWorld Newsを聴いたりもしていました。

【試験当日】
ボストン会場の受験生は30人くらいで、半分以上が日本人という印象でした。
最近、日本のTOEIC公式HPでも「リスニングの時間中にリーディングの問題を解いてはダメ」との通達が出たようですが、こちらでの受験はリスニングの問題の説明をしている間に他のリスニングセクションを読むことも禁止です。リーディング問題はまずマークシートに小さい印だけつけておき、試験時間のラスト5分で塗りつぶすようにしているのですが、ゆっくり塗りすぎて終わらなくなりそうになり、最後の方は半泣きでした。

 【試験結果】
日本で受験するとスコアが出るまでに1ヶ月くらいかかった記憶がありますが、こちらは10日程度で結果が送られてきます。オンラインでのスコア通知はありません。今回のスコアはリスニング:495、リーディング:465の960でした。洋書読みの効果があまり出ていないスコアなので精進します。よく、「TOEICスコアの有効期限は2年」という話があり、私もずっとそう思い込んでいたのですがTOEICのスコアに有効期限はありません。単に「2年後以降は公式認定証を発行してもらえない」というだけです(参考1参考2)。

2012年9月18日火曜日

ワシントンDC旅行 国立美術館

National Art Galleryはスミソニアン博物館群の一部のような立地ですが、スミソニアン博物館ではありません。ワシントンDCの見どころの一つだと思います。

裏口だった
欧米の美術品が中心のコレクションです。アフリカやアメリカインディアン美術の博物館は別にあるので、ここにはあまりありません。


2階のギャラリーは廊下の中心と両端に噴水があります。



写実的なバイオリン。f字孔の間に松脂が白くたまっていますが、ちゃんと拭いた方がいいですよ。


夫曰く、「お母さんの手が赤ちゃんの肌のプニプニ感を楽しんどるねぇ」若く美しいお母さんと子供に、なぜかおじいちゃんのお父さんというアンバランスな家族です。お父さんは心ここにあらずという様子で、お母さんは自分の膝の上にいる子だけに注意が向いているようですし、一番年かさの娘さんは一人カメラ目線で澄ましていて、なんともちぐはぐで妙な人々です。

「ヒゲ描いちゃおう」

ラファエロの聖母子です。美しい絵はたくさんありますが、ラファエロは格別です。周りの空気すら清らかになるような、端正な美しさです。


これはこれは、ありがたきフェルメール先生ですか。「真珠の耳飾りの少女」が日本に来ましたが、チケットを買うために1時間、最前列でフェルメールを見るために1時間並ぶ必要があると聞いています。ナショナル・ギャラリーはこの作品の前が特に混雑しているということはありませんでした。フェルメールの作品は(日本に?)貸し出し中で所蔵している美術館に行っても見られないことが多いそうです。描かれた女性は静かな満ち足りた表情をしていて、白い頭巾の効果か、画面に清潔感があります。


 「読書する女性」はアメリカで人気のある題材で、いろいろな画家の「読書する女性」を集めたカレンダー、スケジュール帳、ポストカードなどが販売されています。私は特に上の写真の彫刻が好きです。ピエトロ・マグニという彫刻家の作品です。ナショナル・ギャラリーには他にフラゴナールの「読書する少女」もあります。

この後すぐ近くの国会議事堂に行きました。カメラの電池がなくなってしまったので写真はありません。翌日は半日あったので、ダレス空港近くの航空宇宙博物館別館に行く予定でしたが、疲れたので結局行きませんでした。空港でのチェックインに思いのほか時間がかかり、行かなくて正解でした。なお、ダレス空港は国際空港でワシントンDC中心部からの交通アクセスが悪いため、アメリカ国内から行く場合はロナルド・レーガン空港の方がおすすめです。ワシントンDCは博物館、美術館はほとんど無料で見ることができますが、宿泊料、交通費、食費などの物価が高いです。




ワシントンDC旅行 アメリカ美術館、国立肖像画美術館

肖像画美術館の廊下
アメリカ美術館と国立肖像画美術館は同じ建物の中にあります。アメリカ美術はプリミティブ・アートからビデオを使った現代美術まで幅広く展示されています。


 アボット・ハンダーソン・セイヤーはロマン派の趣きがあり、かわいくて好きなのですが、今回初めて知ってひかれたのは、トーマス・デューイングの作品です。



イギリスの唯美主義の影響を受けているそうです。そういえばアルバート・ムーアの作品にも通じるものがある気がします。理想的過ぎて非現実的な絵画ですが、私は芸術は現実を忠実に写すものではなく、日常を忘れさせるような現実離れした美しいものであってほしいと思っています。Thomas Dewingで画像検索するとパステルカラーのお菓子のような絵が検出されます。

ステンドグラスが美しい
男女「いちゃいちゃ」イヌ「痛いがな、耳つかまんといて」
日本には肖像画に特化した美術館はないと思いますが、ロンドンやワシントンDCには自国の著名人の肖像画を収集したポートレイト・ギャラリーがあります。アメリカはイギリスよりも歴史が短い分、肖像画の数は少ないです。

幼少期のイーディス・ウォートン


私が美人の彫像の胸とかばかり写真に撮っていたので夫に呆れられました。

2012年9月17日月曜日

ワシントンDC旅行 航空宇宙博物館


スミソニアン航空宇宙博物館は全米で最も来館者が多い博物館だそうです。でも、平日午前中に行ったのでそれほど混んでいません。
飛行機やロケットの展示があります。ガラス張りなので、晴れた日に行くといいみたいです。

私は文科系人間なので正直こういうのはあまりよく分かりません。夫の写真を撮って遊んでいました。夫はこういうとき全力で楽しむので、見ていて楽しいです。ここのミュージアムショップはなかなか充実の品揃えです。


夫と「この鞄いいねぇ」と話しましたが少し高かったので写真だけ撮って帰りました。

ワシントンDC旅行 フリーア・サックラー・ギャラリー

3泊4日でワシントンDCを旅行しました。お目当てはスミソニアン博物館です。19の博物館や研究施設、収蔵品は1億を超えるとのことです。施設はすべて国立で、常設展は入場無料です。これだけ大規模な博物館群は世界でも類を見ないとのことです。

まずスミソニアン学術協会に行きました。総合案内所のようなものです。


この日は観光できる時間は半日だったので、小さめのフリーア・サックラー・ギャラリーに行きました。ホイッスラーが絵を描いた「孔雀の間」を見ることができます。深い緑色の地に、金色で孔雀の絵が描いてあり、陶磁器の壷が飾られています。ただ、注文主のフリーア氏はあまり気に入っていなかったそうです。

写真はこちらから拝借
 ホイッスラーの絵画は10枚ほどあり、靄がかかったような幻想的な雰囲気でした。孔雀の間の豪華絢爛な感じとは違います。

暖房器具のカバーだと思います

内装も美しい美術館です。踊り場の所に飾ってあるのはアボット・ハンダーソン・セイヤーです。

光ってしまいました

イスラムの細密画です。ルーペが用意されていて、それを使って見ることができます。溜め息が出るほど細かい絵です。動物や植物は写実的に描かれているのに、人間はあまり表情がなく、みんなだいたい同じ顔をしているのがおもしろいです。



2012年9月11日火曜日

English at Largeの英会話グループ

無料で参加できるEnglish at Largeの会話グループに夫と参加しました。レベル分けテストがないため、かなりしゃべれる人~あまりしゃべれない人まで色々な生徒がいましたが、中盤頃からは来なくなる人もいて、終わる頃にはだいたいレベルが揃って楽しくしゃべれるようになりました。とはいえ、グループで会話を習う場合には起こりがちですが聞かれていないのに喋りまくる人もいるので、礼儀正しく自分の喋る順番を待っていると必然的に発言の機会は少なくなります。

先生はボランティアなので、人によって授業スタイルも違うし、当たり外れもあると思います。今回は先生に恵まれ、色々な活動をさせてもらえました。2人の先生のうち、1人は同世代くらいの人で、授業外でも仲良くしていただきました。「日本に興味を持っている友達がいるので、会ってみない?」と言われ、クラスの外にも友達ができました。普通に生活しているとなかなか友達を作るのは難しいので、こういうご縁があるとうれしいなと思います。

勉強になるかどうかは疑問で、たとえばTOEFLの試験対策などにはなりません。それでも、たくさん読み、書き、聴き、しゃべる活動をすることが語学上達に必要であるなら(私はそれだけで語学が習得できるとは思いませんが)、聴く、話す活動をする場としては良いと思います。何といっても無料ですので。夫は特にこのクラスが気に入ったようなので、来学期も受講する予定です。

2012年9月9日日曜日

ボストン公立庭園


夫とPublic Gardenボストン公立庭園を散歩しました。ここの名物はスワンボートで、小さなアヒル池を遊覧船のようにものものしくボートで案内してくれます。ボストンは涼しくなってきたので、公園は家族連れで賑わっていました。結婚式にも人気のようで、5組くらいのカップルを見ました。

乗り物としての魅力はあまり感じません


春には桜やチューリップ、初夏にはバラが咲くそうですが、今の時期は花はあまり咲いていません。サトイモの葉にしか見えないものがあちこちに植えられていてよく繁っていました。


水が出ていない噴水です。排水設備がおかしくなっていたのか、水があふれていて下の人は半分以上水に浸かってしまって溺れそうです。


 そしてこちらの噴水は水が涸れかかっています。


池にはカモがたくさんいます。餌をやっている人もいました。さりげなくハトやスズメが混じってお相伴していました。散歩の後は、公園近くのレストランで鴨のローストを食べました。夕食に食べた鴨が公園で捕まえたものかどうかは不明ですが、おいしかったです。

色々ツッコミどころのある公園ですが、ボストン名所できれいな所なので観光におすすめです。

2012年9月8日土曜日

ティーポットを買いました


カップ&ソーサーを買ったときにそのうちにティーポットも、と思っていました。近く来客があり、ちょうど良さそうなのを見つけたので買いました。カップ&ソーサーと同じシリーズのティーポットはデンマークの中古食器の通信販売でしか見たことがありませんが、高価で、ティーポット一つのためにそこまでする気にもなれず、ロイヤルコペンハーゲンの白いのを買いました。カップの模様が異なっても、白磁のティーポットは使いまわして良いみたいです。


このティーポットのおもしろいところはハンドルの上についているカタツムリか甲羅の大きなカメのようなオブジェです。ハンドルの両脇は金彩で装飾されていますが、はみ出していて少し下手です。


蓋のつまみです。禍々しい「何か」を連想させる形状です。しかし、ロイヤルコペンハーゲンの蓋のつまみは、絵付けは違ってもほとんどがこの形なのでした。ロイヤルコペンハーゲンの歴史は古く、当初デザインした人がそれを意識したとは思えないので、良しとしましょうか。金色の渦巻き模様は見方によってはかわいいですし、クッキーとチョコレートでできたキノコ形のお菓子にも似ています。


全体に施された縦線のレリーフと卵のような形が良いです。紅茶をおいしくいれるためにはポットの中で茶葉をジャンピングさせる必要があり、ポットが球に近い形の方がよくジャンピングするそうです。カップと並べると容量が小さめのようにも見えますが、カップ4杯分入ります。異なるシリーズとはいえ、メーカーは同じようなものなのでカップ&ソーサーともなかなか合っています。

2012年9月7日金曜日

英語の24のアクセント


youtubeでおもしろい動画を見つけたのでシェアします。英語の24のアクセントをデモンストレーションしています。英、愛、米のいろいろな地方のアクセントでしゃべる他、外国語訛りの英語も真似しています。日本語訛りの英語はあまり似ていません。ウェールズ弁のイントネーションがなんとなく東北弁に似ていると思います。なお、しゃべっている内容はあまり上品ではありません。

2012年9月6日木曜日

Remarkable Creatures, Tracy Chevalier

Mary Anning, 1799-1847
She sells seashells on the seashore
The shells she sells are seashells, I'm sure
So if she sells seashells on the seashore
Then I'm sure she sells seashore shells.
【書誌情報】
Tracy Chevalier, Remarkable Creatures,Plume, 2009

【あらすじ】
自然科学に興味を持つエリザベス・フィルポットは、兄が結婚し、持参金がないことから結婚できるあてのない姉妹と共にロンドンから海辺の街、ライム・リジスに引っ越す。浜辺を散策して化石を探す内に、家具職人の娘、メアリー・アニングと親交を結ぶ。メアリーは幼い頃から日々の糧のために化石を採掘し、観光客や地元の名士に販売していた。やがて、メアリーの採掘した「ワニ」の化石は大英博物館に買い上げられ、古生物学者も化石に注目し始めるが、女性であることと社会的地位の低さからメアリーの名が表に出る機会はほとんどなかった。

【コメント】
メアリー・アニングは実在の人物で、ライム・リジスでいくつかの恐竜の化石を発見し、英仏の古生物学者とも交流がありました。エリザベス・フィルポットはメアリーに比べて知名度が低いですが、魚類の化石を採掘し、死後そのコレクションはオクスフォード大学に寄贈され、現在でも同大学の博物館に展示されているそうです。本書に登場する学者や、化石コレクターも実在の人物が大半です(作者による解説より)。「彼女は浜辺で貝殻を売っている」という早口言葉はメアリー・アニングを題材としているとのこと。

内容は、オールドミスとオールドミス予備軍の娘さんが浜辺で化石を採掘しているというなかなか地味なものです。メアリーとエリザベスは年齢や階級の違いを越えて、共通の興味を持つ者どうし、仲良くなります。貧しく教育がないメアリーの代わりにエリザベスが地位や発言の機会がある男性達に対して、メアリーの権利を守るべく行動する姿に溜飲が下がります。メアリーの母親も重要な役割を担っています。粗野な田舎者という第一印象に反して、化石が売れ始めると意外な商才を発揮し、娘に対する厳しめのコメントもいい感じです。海辺の女性達の生活は基本的に単調ですが、化石採掘は思ったよりも危険な命懸けの作業で時々驚くようなドラマチックなことも起こります。

賢い登場人物の小説を読むのは気持ちが良いですが、姉妹3人が働かずにある程度余裕のある生活をできる収入があるにもかかわらず、 持参金がないから、という理由で20台で結婚を諦め、オールドミスとして余生を過ごす覚悟を決めなければならないエリザベスの状況は世知辛いです。メアリーの方は労働者階級に属し、持参金という習慣はなかったようですが、重要な発見をして名声とお金を得たので、却って結婚はしないのでした。それ故に相手に対して反感を覚えることがあってもなお、二人の絆は固いものです。

シュヴァリエは作品中に「青」、「絵画」、「ターバン」等のモチーフを必ず入れているようで、本書にもターバンがチラッと登場します。

2012年9月4日火曜日

9月の花


花ではありませんが、ハンドクラフト専門店(東急ハンズのようなすごいのではありません)で買った麦の穂を飾りました。リボンで束ねているとちょっと野暮ったくて格好良くないですが、これは穂が均等に広がるようにするためです。夏が終わったのにガラスの花瓶というのもおかしいんですけどね…

綿、麻、穀物などの実用的な植物も飾るときれいです。円山応挙の「稲、綿、麻図」という作品が好きです。富士ゼロックス広報誌に画像があります。

麦を見て多くの人が連想するのはビールなのでしょうか。私はアルコールは飲まないので、パンを連想します。

2012年9月3日月曜日

Ye Olde Pepper Candy Companieの飴


 ハーヴァード大学の一般公開講座、Harvard Extension SchoolのESLのクラス分けテストを受けるべく、ケンブリッヂまで行きました。テスト開始30分前に来るように、との指示があったので35分前くらいに会場に到着したのですが、その時には既に受験者が入場するためID確認の長蛇の列ができていて、列に並んで長時間待ちました。本来の試験開始時刻から1時間ほども遅れて試験が始まりました。テストは2時間で、結構難しかったです。

会場はクーラーが効きすぎで寒いし、待ち時間が長くて消耗したので「今日は(無駄に)がんばった!」と思い、ゴホウビにアメを買いました。一袋4ドルという、高いアメです。Ye Olde Pepper Candy Companieは、マサチューセッツ州セイラムの会社で、1806年創業とのことです。販売促進のためのいい話という気がしないでもないですが、公式サイトによると、

「アメリカ最古のアメ会社です。船が難破し、セイラムに流れ着いたイギリス人のスペンサー夫人がアメの作り方を知っていると聞いた近所の人たちが砂糖を一樽贈りました。その砂糖を使ってスペンサー夫人はアメを作って販売しました。最初は地元の教会で売っていただけですが、人気が出たので馬車で行商するようになりました。夫人の死後、息子が後を継ぎましたがイギリスに帰ることにし、アメ事業はジョン・ウィリアム・ペパーに売却しました」

とのことです(意訳、抄訳)。ペパーという会社名は経営者の名前に由来しますが、甘いはずなのに辛い名前という矛盾がオシャレです。

糖蜜ハッカ飴を買いました。材料は「砂糖、コーンシロップ、糖蜜、ペパーミントオイル」とシンプルです。糖蜜には少しベッコウ飴のような独特の風味があり、ハッカとよく合います。ハッカがあまり強くないのに、食べた後すっきりした後味が残ります。アメは普段あまり食べまないのですが、あまりにおいしくて続けて3つも食べたので気持ち悪くなりました。

糖蜜について調べていたら、「ボストン糖蜜災害」の記事を見つけました。
 「マサチューセッツ州ボストンの港湾部ノースエンドで1919年1月15日に発生した事故である。ピュリティー蒸留会社の敷地にあった糖蜜を詰めた巨大な貯槽が破裂し、糖蜜の波が推定時速60キロメートルで街路を襲い、21名が死亡、150名以上が負傷した。」
という事故があったようです。
お土産に糖蜜キャンディを贈るなら「ボストン糖蜜災害」の話もすると「ホウ」と言われると思います。

なお、テストの結果自分のレベルに適合するクラスは今学期開講されず、興味のあったアカデミック・ライティングのクラスは待ち行列に入ってしまい、運悪く受講できなかった場合は50ドルの手数料が返金されないので今学期の受講は断念しました。来学期にまたテストを受ける必要があるので、ちょっと面倒です。