2015年6月28日日曜日

驚異の青い棚 8.モルフォ蝶とラブラドライト



 青く鮮やかに輝くモルフォ蝶は驚異の部屋の中でも一際目を引くものですが、私はチョウやガは苦手です。A.S.ByattのAngels and Insectsに収録されているMorpho Eugeniaの印象が強いです。この作品は映画化もされており、『変態愛 インセクト』という安いアダルト映画のような邦題でDVDが販売されています。でも、内容は良くて、チョウとガも効果的に使われています(昆虫嫌いはますます虫が嫌いになるような使われ方です)。

そんなわけで、私はモルフォ蝶の標本は持っていません。でも、磨いたラブラドライトの様子は少しモルフォ蝶に似ています。ラブラドライトは光が当たっていなければ、川岸に落ちているような単なるグレーの石ですが、光を当てると、角度によって青や黄色、緑などのイリデセンスが見られます。美しいよりも、こんな地味な石が角度によって見え方が変わるのか、と驚くようなものだと思います。

こうやって青いものを収集すると、一口に「青」といっても、その色味、性質、透明度等々、さまざまです。ラブラドライトは、透明ではなく、角度によって色が変わり、しかも一色ではないので、なかなか妖しいものだと思います。光の具合によって変化するところが、6月らしい石です。

2015年6月21日日曜日

百合


 パン屋さんの向かいの、おしゃれで人気のある高級花屋さんの隣の、屋台の花屋さんでお花を買います。高級花屋さんとまるで雰囲気が違うので、おもしろいのですが、どこで買っても花は花です。屋台の花屋さんは固く閉じた蕾の状態で販売していることが多いので、開花する過程が見られるのがうれしいです。

ユリは、聖母の花として、西洋美術に登場するイメージが強かったのですが、Wikipediaに以下の記載があって意外でした。
花の観賞は、日本では(中略)明治30年代頃からである。幕末にシーボルトが日本のユリの球根を持ち帰り、復活祭に用いられるイースター・リリーとして大流行すると、球根は近代日本の絹に次ぐ二番目の主要輸出品として外貨を獲得した。なお、持ち帰られたのはテッポウユリであり、現在のイースターの象徴として定着していった。そしていわば逆輸入されるかたちで明治末に鑑賞花として流行した。
私も、今回飾った花被片が茎との付け根の所から開くカサブランカ式のユリよりも、少しうつむいて開くテッポウユリの方が慎ましやかで好みです。

ユリは鑑賞するには良いものですが、香りは強烈です。食堂兼居間に置いていると、食事のとき気分が悪くなるので、玄関に移しました。

2015年6月13日土曜日

プラント実習・ドイツ語学習


【プラント実習】
メーカーに勤めていますが、日頃法務の仕事をしていて製造現場を見る機会はまずありません。一度くらいは当社の製造を見ておいた方が良いでしょう、という上司のお取り計らいで、新入社員と一緒にプラント実習を受けました。即ち、三交替のプラント運転を見学させてもらいました。三交替は7:30~の朝勤、14:30~の夕勤、22:30~(翌朝8:00まで)の夜勤が3日毎に入れ替わります。不規則な生活を強いられることになるだけでも大変ですが、休日も、9日間働いて、3日だけです。通常の日勤が土日+カレンダー上の休日も休むのとは異なります。何の知識もなく突然プラントにやってきても、できることはほとんどないので、運転員の作業を横で見ているだけで、仕事自体はやっていないに等しいですが、プラントは硫化水素その他さまざまな化学薬品の臭いに満ちており、その場にいるだけでもあまり気持ちの良いものではありません(それでも、かつてより臭いは改善されたそうです)。業務の分担は調整してもらったとはいえ、私は新入社員ではないので、毎日メールチェックをして必要に応じて法務の業務も行っていました。疲労がたまると、食べているスープすらもプラントの化学薬品の臭いがするような気がしました。

そんなわけで終わったときはホッとしましたが、私は1カ月だけなので、文句を言うことではないのです。製造現場の厳しさを経験することにより、自分も現場の要請に応えられる仕事をしたいと思いました。交替勤務を何年、何十年と続ける現場の運転の方々には、ただただ頭の下がる思いです。

10歳も若い新入社員と妙に親しもうとするのはどうなのか、と思って、少し距離を置くようにはしていましたが、イベントに声をかけてもらったり、終わりの頃には少し仲良くなれたことも良かったなと思います。

1カ月間、寮で生活し、一番遠出したのは自転車で1㎞ほど離れたスーパーに行っただけ、という生活で、一度も帰宅はしませんでした。家に帰ると、夫が8人分の豚汁を用意して待っていてくれたので、やはり自宅は良いものだと思いました。


【ドイツ語学習】
プラントの周りは何もないところです。原則として車がないと生活できませんし、車があっても最寄りの図書館まで10分ほどもドライブしないと到着しません。娯楽がとても少ないです。その上、実習期間中は寮でインターネットも使えません。通勤時間は往復20分程度で、普段より残業も少なく、食事は社員食堂でしますから、空き時間はそれなりにあります。いくら交替勤務が大変と言っても、勤務時間外はすべて睡眠ということもできないので、平日は3~5時間、休日は7~10時間、会議室にこもって勉強しました。寮の管理人さんに「あの部屋はpunkaさん専用のようなものですから」と言われるに至り、恥ずかしかったです。

でも、ついつい好きな勉強ばかりしてしまうのが怠け者の悪いところで、ひたすらドイツ語ばかりやっていました。チャイ語は申し訳程度にしかやらなかったので、TECC試験はさっぱりできませんでした。

ドイツ語の教材は英語ほど豊富ではありません。ドイツ語学習を継続している人のブログや、レビューを読んで良さそうだった『しっかり身につくドイツ語 トレーニングブック』を買ってみたところ、大いにハマり、20日間で2周しました。3週目は間違ったところや自信のないところをやりつつ、新しく『ドイツ語練習問題3000題』に着手しました。その他、単語の暗記、独検対策問題集、放送大学の講座に取り組みました。『しっかり身につく~』は文法の問題集なので、長文読解などもやらなければいけないとは思っています。

私は、ドイツ語を話せるようになってドイツ人と会話をしたいとは全く思っていません。ドイツの英語教育のレベルは高く、たいていの人は私よりもうまく英語を話すでしょうから、下手なドイツ語を話して笑われに行くのが得策とは思いません。そうではなく、ドイツ語の文章を読めるようになることと、聴いて理解できるようになること、併せて関連する資格を取って学習の成果を出すことが勉強の目的です。

今後は、4:30起床を継続し、朝の学習を続けたいと思っています。