2016年7月17日日曜日

ガレ展



せっかくの連休なので、美しいものを見に行こうと、サントリー美術館で開催中の「エミール・ガレ」に行きました。

ガラス器や磁器が160点余り、展示されていました。館内の設定温度は20度で、ケープの貸し出しがあるので、お借りしました。

色彩豊かで、形もおもしろく、細部に凝った作品は美しいのですが、ただ美しいだけではありません。イスラム調の模様が付いているものは、細かすぎてくらくらしそうです。ソテツ、コウモリ、オタマジャクシ、昆虫などがデザインされているものも多いです。美しさとリアルさ、卓越した技術が明後日の方向に追及されている、という感じで、見てはいけない物を見ているような、ゾクゾクするものがあります。女性の二人連れが「ステキ!家に持って帰りたいわ」と話していました。家に持って帰りたくなるようなステキな物は10%くらいで、あと90%はアクが強すぎて、美術館で拝めば十分と思いました。


驚いたことは有名なヒトヨタケランプの大きさです。画像では見たことがあり、高さ20㎝ほどのかわいいものをイメージしていたところ、実物の高さは一番高い部分で100㎝はありそうな、かなり大きなものでした。「ヒトヨタケランプを家に置いて、オレンジ色の光を放っていたらいいな」と妄想していましたが、これだけ大きな赤いキノコが常に傍らにあったらむしろ悪夢です(掃除も大変そうですし)。展示の最後にヒトヨタケが置いてあって、すっかり毒気にやられてしまい、なんだか頭も痛くなってきたので、余計なことはせずに尻尾を巻いて逃げてきました。


木の葉の箸置きはガレ展のお土産です。レトロな水色とピンクのオパールセント・ガラスの器は、ガレとは似ても似つかない、最近入手したものです。お店で見て、3週間考えて、やはり欲しいと思って買いました。涼しげで、日本的だと思います。「涼を求め る」感覚は西洋には希薄のようです。私はガレはあまり欲しくないです。こんな器で十分です。ナスはキッチンショップで購入した安価なものです。「変なモチーフ」という意味で、ガレ的と言い張れなくはないと思います。

三井記念美術館で開催中の「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」も同じく、明後日の方向を目指している作品が多そうで、楽しみにしています。ガレ展の半券を持参すると割引もあるようです。