2013年4月28日日曜日

ミスティック池



ニューイングランド地方の良いところの一つは、あちこちに湖(池)があって眺望を楽しめることです。この辺りだとウォールデン池が有名ですが、他にも色々あります。天気が良かったので、近所のミスティック池に行ってみました。

ヨットやボートに乗っている人がいました。



池の端の豪邸。ボストン近郊は名門大学(ハーヴァード大学、MIT、タフツ大学等)が多く、ビジネスの中心地でもあるので裕福な人が多いです。住宅街を車で走ると、きれいな家が多くて目の保養になります。桜も満開で、穏やかな春の一日でした。水のある風景っていいな、と思いました。

2013年4月25日木曜日

雲母ランプ(マイカ・ランプ)


 雲母ランプ(mica lampマイカ・ランプ。micaは雲母のこと)はアーツ&クラフツの金属工芸家、ファン・エルプが考案しました。ランプシェードは雲母を張り合わせて作られています。ファン・エルプのランプは土台が打ち出し銅製で、現在では美術館に所蔵されるほど価値がありますが、リプロダクト品は市販されています。イケアの照明よりは高いとはいえ、簡単に入手できます。

ファン・エルプの雲母ランプ。メトロポリタン美術館蔵
雲母ランプのオレンジ色の灯りは暮れの明かりを思わせます。アメリカ各地の美術館で何度も目にして、我が家にも欲しいと思いました。ガレ風ランプもすてきですが、日本の住宅には障子のむこうの灯りのような趣きもある雲母ランプが馴染むと思います。「雲母のランプシェード」は幻想文学の小道具にもなりそうです。夫に相談したら、ええよ、と言って買ってくれました。

現在市販されている雲母ランプは、シェードはどれもそんなに差がなく、土台部分にヴァリエーションがあります。なるべくシンプルで掃除がしやすそうな(!)土台のものを選びました。日本ではほとんど販売されていないようなので、帰国の際には持って帰ります。

まず一つ買って、気に入ったらサイドボードの両側に配置できるよう、一つ追加しようと思っていたのですが、届いてみたら思ったより一回り大きかったので、とりあえず保留にしてあります。リプロダクト品ばかりですが、アーツ&クラフツ様式のものを揃えてうれしく思いました。なお、照明の機能としては疑問があります。上の方が明るくなりません。


写真のようなインテリアに憧れます(右手に雲母ランプがあります)。理想と現実に差がありすぎますが、月が欲しいと言うつもりはないのであまり気にしていません。

2013年4月22日月曜日

The Blue Flower(本)

Fernand Khnopff, 'Jeanne de Bauer'
【書誌情報】
Penelope Fitzgerald, The Blue Flower, Harper Collins Publishers, 1995

【あらすじ】
18世紀末のドイツ。フリードリヒ・フォン・ハルデンベルクは子沢山の家庭の長男で、詩の才能があった。貴族の家庭だが、さほど裕福ではなかった。フリードリヒはイエナ大学とライプツィヒ大学で学び、法律関係の書記見習いとなる。下宿先で知り合った12歳の少女、ゾフィーに一目惚れし、婚約するがゾフィーは病弱で、度々手術を受けるものの効果がなかった。

【コメント】
ドイツロマン派の作家、フリードリヒ・フォン・ハルデンベルク(=ノヴァーリス)が22歳の時出会った少女、ゾフィーとのロマンスに取材した歴史小説です。

『青い花』は10年ほども前に読みましたが、あまり印象に残っていません。尊敬する松岡正剛さんの「千夜千冊」で紹介されていて、この記事を読むと明日にでも入手して読まなくては!思いますが、英訳より日本語訳の方が良いようで、まだ再読できていません。

ベルギー象徴主義の画家、フェルナン・クノップフの描く少女の横顔をコラージュにした表紙がインパクトがあります。少女、ヤグルマギク、水晶の輝き、ドイツの風景や気象などがさぞ魅力的に書かれているのだろうと、期待が膨らむ表紙です。そして表紙が本書の最良の部分だと思います。私がもっと真面目にノヴァーリスの『青い花』を読んでいれば楽しめたのかもしれませんが、登場人物も、ストーリーも謹厳で抑制的で、退屈でした。ノヴァーリスによって理想化され、「ゾフィー体験」とすら称されるほどのゾフィーは、本書では無邪気で率直ではあるものの、とりたてて容姿・知性の面で優れているわけでもなく、普通の子供として書かれています。高く評価されている小説で、1995年に19の新聞記事で「今年の本」に選ばれ、全米批評家協会賞を受賞したそうなので、つまらないと感じてしまうのは私に読解力がないからでしょう。もっとおもしろければ非常に良い小説だろうと思います。

2013年4月21日日曜日

The Sense of an Ending(本)

ボストン美術館所蔵

【書誌情報】
Julian Barnes, The Sense of an Ending, Jonathan Cape,2011
=『終わりの感覚』、土屋政雄訳、新潮社、2012

【あらすじ】
これといった波乱のない人生を過ごしてきた初老のアントニーは退職し、平穏な毎日を送っていた。ある日、大学時代に付き合っていたヴェロニカの母親が500ポンドの遺産と、アントニーの友人で彼とヴェロニカが破局した後にヴェロニカと交際し、20代で自殺したエイドリアンの日記を遺したとの通知を受ける。アントニーは聡明だった友人の死について疑問を抱いていたので、エイドリアンの日記を読みたいと願うが、代理人弁護士は日記はヴェロニカの手に渡ってしまったと言う。なぜ一度しか会ったことのない元恋人の母はアントニーに遺産をのこしたのか。なぜエイドリアンの日記を彼女が持っていたのか。アントニーは謎を解明するべく、ヴェロニカに連絡する。
2011年のブッカー賞受賞作。

【コメント】
本書はamazonでレビューが700くらいついていますし、図書館で借りようとしても常に貸出中で予約も複数入っているほど人気のある一冊です。先日、たまたま図書館の本棚にあったので、嬉々として借りてきました。

主人公アントニーは一度しか会ったことのない元恋人のお母さんが持っていた、若くして自殺した友人の日記を読み、その死の原因を突き止めたいと考えます。日記が自分の手元に来ないのでやきもきしますが、日記を手に入れようとしてアントニーが向き合ったのは友人のエイドリアンではなく、自分自身でした。謎解きは最後2頁くらいで書かれていますが、そこまで到達するとミステリーが本書のテーマではなかったのだ、と気付かされる仕組みです。

主人公が大学生だった頃の本棚に関する記述が興味深いです。
In those days, paperbacks came in their traditional liveries: orange Penguins for fiction, blue Pelicans for nonfiction. To have more blue than orange on your shelf was proof of seriousness. And overall, I had enough of the right titles:Richard Hoggart, Steven Runciman, Huizinga, Eysenck, Empson...plus Bishop John Robinson's Honest to God next to my Larry cartoon books. Veronica paid me the compliment of assuming I'd read them all, and didn't suspect that the most worn titles had been bought second hand.
上記のパラグラフに続いて、ヴェロニカの本棚についての描写があります。ヴェロニカの蔵書はイギリスの近・現代詩人、ジョージ・オーウェル、数冊の19世紀の皮革張の本、アーサー・ラッカム、『カサンドラの城』などでした。トニーは自分の蔵書が「自分がなりたい人物を描き出すべく歪まされている」一方で、彼女の蔵書について「まさに持つべき本」であり、ヴェロニカの思想と性格を反映していると考えます。ヴェロニカの本棚は文学少女風というか、文科系青年が少しミステリアスな文学少女に読んでほしいと思うようなラインナップという気がします。

ミルクティーをいれると、牛乳のたんぱく質が凝固して表面に膜ができ、うっかり取り除かずに飲んでしまうと妙なあまり気持ちの良くない食感が残ります。私には、この小説の印象はミルクティーの膜のようで、手が込んでいて洗練されているものの、あまり気持ちの良くない後味でした。語り手でもある主人公は、分かったふうな語り口で「人生なんてこんなもの」というようなことを言います。それでいて、ヴェロニカのこと、エイドリアンのこと、過去の自分自身のことすらあまり分かっていなくて、ヴェロニカに「あなたはまだ分かっていない。昔からそうだったし、今後もそうでしょう。もう分かろうとするのもやめて」と言われます。物事に真摯でなく、斜に構えた感じが白々しいです。白々しさも計算の上なのでしょうが、私はいまいち好感を持てず、作品世界から突き放される感覚を持ちました。

文学賞を受賞した作家も、受賞作が一番おもしろいわけではないこともあります。ジュリアン・バーンズは現代イギリスを代表する作家の1人で、評価も高いので、他の作品も読んでみます。

2013年4月20日土曜日

ボストンマラソン爆発事件の収束

4月15日のボストンマラソンで発生した爆発事件の容疑者2人が1人死亡、1人は拘束され、収束したと考えて良いようです。2人の容疑者はチェチェン出身のツァルナエフ兄弟でした。18日に兄弟はマサチューセッツ工科大学で警官を射殺し、その後、車をハイジャックして逃走しました。19日明け方にボストンの隣のウォータータウンにて、兄は警察との銃撃戦により死亡しましたが、弟は逃走しました。19日は州知事や警察より「犯人は武装している可能性が高く非常に危険なので、外出は控え、警官以外の人が訪ねてきてもドアを開けないように」との通達がありました。ボストンの公共交通機関はすべて運休でした。日本領事館からも注意喚起のメールがありました。私の住んでいるところは外出禁止ではありませんでしたが、特に用事もないので家でリアルタイムで更新されるCNNのウェブサイトを見ていました。

弟のツァルナエフは重傷を負ったものの、生存しているので今後動機などが解明されるようです。チェチェンは1990年代~2000年代まで紛争があった地域ですが、そのことと今回の事件の関連性や、ツァルナエフ兄弟の背後に何らかの組織がいるのかどうかは未だ不明です。

2人目の容疑者が昨日夜の10時ころに拘束された旨が報道されたとき、ボストンとウォータータウンの住民は喜んで通りに出て警察官を労ったそうです。昨日はどこも営業せず、人もいなくなって「ゴーストタウンのよう」と報じられたボストンですが、今日からはまた活気が戻り、安心して過ごせると思います。しかし、まだ病院に収容されている方が50人以上いて、うち3人は重体とのことです。マラソン人口は若い人が多いですから、痛ましく悲しいです。早くご回復されますよう、お祈りします。

ニュースの情報源は、CNN,Boston Globeなどです。

2013年4月19日金曜日

ボストンマラソン

ゲーテ・インスティトゥートのドイツ語の新学期が始まりました。今回は6人のクラスでしたが、ほとんどの人がなんらかの形でマラソンに関わっていたようです。出場していた1人は完走し、事件のあったときには既に帰宅していて無事だったそうです。お友達が出場したとか、見に行ったと言っていた人もいました。今回は出場しなかったけれど、過去にボストンマラソンに出場したことのある2人は、「アメリカの他の場所でもマラソンに出たことがあるけれど、ボストンは沿道に大勢の人が見ていて、全然知らない人が応援してくれました。コミュニティの一体感を感じました。その点がボストンマラソンのユニークなところ」と言っていました。付近の大きな病院で看護師をしているクラスメートは、「とてもひどい事件だったけれど、たくさんの人たちが爆発の直後に逃げ出さずに、怪我をした人に駆け寄って救助をしてくれました」と言っていました。

昨日ボストン市内ではいつもより多くの警察官や兵士がいて、人々はお疲れ様です、と声をかけていました。亡くなった方はいずれも30歳以下だったとのことで、やり切れない思いです。日曜日には礼拝に行こうと思います。

2013年4月17日水曜日

ボストンマラソンでの爆発事件

昨日(2013年4月15日)Patriot's Dayのボストンマラソンで、死者3人、負傷者100人以上の爆発事件がありました。ボストンマラソンは歴史のあるマラソンで、世界各国からの参加があるそうです。昨日は天気も気温もちょうど良く、マラソンにはうってつけの日でした。心が痛みます。その時は自宅にいましたが、爆発のあった場所はボストン公立図書館の近くで、時々行く所です。犠牲になった方々のご冥福と、負傷された方々の一日も早いご回復をお祈りします。

渡米前に夫の勤務先で外国に生活する際の安全研修を受けました。諸外国はテロの危険性が日本よりも高いため、なるべく人の多いところに近付かないように、との注意がありましたが、駅や飛行場などの交通機関の利用は不可避です。とはいえ、もしも海外で事故にあうとか、事件に巻き込まれるとすると交通事故が一番可能性が高いそうです。注意は必要ですが怖がることにあまり意味はないと思うので、せめて安全運転を心がけようと思った次第です。

2013年4月13日土曜日

The Fall(本)

オイガー、北面 Wikipedia先生より拝借
【書誌情報】
Simon Mawer, The Fall, Little, Brown and Co.,2003

【あらすじ】
ロンドンで絵画商を営むロバート・デューアーは幼馴染で若いころに一緒に登山をし、後に登山家となったジェイミーが登山中に墜落して死亡したことをラジオで知った。ロバートはジェイミーの夫人、ルースを弔問し、ジェイミーとの出会いから、共にアルプスのオイガーを登ったものの、雪崩にあったことを回想する。ジェイミーの父、ガイ・マシューソンも登山家だったが、ヒマラヤ山脈で遭難した。ガイ・マシューソンは第二次世界大戦中に自分の母親と交際していたらしいこと、母親に隠された過去があることをロバートは知る。

【コメント】
サイモン・モウアーはイギリスの作家で、2009年にはThe Glass Roomでブッカー賞候補となりました。本書は登山をテーマとしており、作者自身も登山を趣味としていたものの、主人公のロバートのように雪崩で事故にあったことをきっかけにやめたそうです。

20世紀後半に中年に至ったロバートの視点からの、幼馴染のジェイミーとの登山にまつわる回想と、第二次世界大戦中に登山家、ガイ・マシューソンと出会うロバートの母、ダイアナの物語が交互に語られます。登山、三角関係、苦難、手術などは親子に共通する経験で、息子の人生は母親の人生をなぞっているようでもあります。ただ、内容としては、山→セックス→痴情のもつれ→遭難→山→セックス→山→遭難…という感じなので途中少し飽きてきます。登山と男女交際以外にするべきことはないのでしょうか。

登山の素晴らしさについての記述は意外と少なく、登山とは90パーセント以上が辛い、苦しい、危険なものだという印象を受けます。父親の軌跡をたどるとか、親友が登るから、はたまた現実からの逃避のため、という動機付けも一応はあるのですが、死と隣り合わせの危険に常に出かけなければならないほど説得力のある動機とは思えません。登山家たちが登山をしない人間には理解できない理由で頑として山に登り続けるのが不思議に思えます。彼らが山に登る理由は最後20頁ほどでようやく説明され、同時に登場人物の出自が明かされます。私はハイキング程度の登山しかしませんが、本書を読んでも「山に登ってみたい」と思うどころか「高尾山以上の山には登るまい」と思いました。眺めているだけで充分です。

The Glass Roomのような緻密さや緊張感がないのが少し残念ではありましたが、サイモン・モウアーは戦時の生活の描写がうまくて、ダイアナが第二次世界大戦下のロンドンで看護婦として苦労するシーンが本書の秀逸な部分だと思います。それと、大したことではありませんが英米文学に日本人が登場する場合、個人的な性格を付与されない団体旅行者であることが多いなぁと思いました。

ディスカウントストア、Tuesday Morning



Tuesday Morningはお店の名前です。アメリカ全土に展開しているチェーン店のようです。売れ残り品や廃盤になった商品などを格安で販売しています。

食器、台所用品、洗面器具、家具等を取り扱っています。値段は定価の半額以下のことが多いです。アメリカの通信販売は送料が高いですし、不良品が送られてくることも多いため、現物を確認できる方が安心です。近所のTuesday Morningの店舗は非常に整理の悪い倉庫のような陳列で、長時間滞在すると気が滅入ってきますが、なかなか品質の良い新品が安く手に入ります。私はクリスタルのコップを6客16ドルで買いました。何の変哲もないコップですが、箱には「鉛24%」と記載があり、結構キラキラ光ります。

なお、買い物をする機会があれば、必ず箱を開けて中身を確認されることをお勧めします。特にこの店に限ったことではないのですが、アメリカで買い物をするとかなりの高確率で不良品をつかまされ、買い物から帰って箱を開けた途端に返品に行ったことも二度や三度ではありません。渡米したばかりの頃は開封して中を見るなんて失礼かも、と思ったのですが、店側も不良品は一定の確率で混入していること、中身はその場で見ることを前提としているようで、不良品の交換を申し出ると、本当に不良品なのかの確認もせずに「別の持って行って」と言われます。そして持っていった不良品をもとの場所に陳列するのです…

2013年4月6日土曜日

ウサギおいしい

小学校の音楽の時間に「ふるさと」を歌ったことがある人は誰でも一度は「ウサギ食べてみたい」と思うのではないでしょうか。ちょうど3月末にイースターがありましたから、卵を持ってきてくれたうさちゃんを捕まえて食べてみることにします、と夫に言いました。夫が「わしも協力するで」と言ってくれたのですが、追いかけたところ、脱兎のごとく逃げられて捕まえることができませんでした。諦めて食糧品店で買いました。


カナダから輸入された冷凍品です。頭はありませんでしたがまるごとのウサギでした。私は特にグロテスクとも思いませんが、解体前の写真掲載は控えます。


インターネットの情報だと「ウサギ肉は鶏肉に似ていて癖がない」とのことでしたが、臭みのある肉だと感じました。慣れないせいもあると思います。臭みを取るため、牛乳とヨーグルト、スパイスに漬けて一晩置いた後、薄切りにしたセロリとタマネギの上にのせてローストしました。


味、食感はたしかに鶏肉に似ていますが、やはり臭いが気になります。食べられないというものではないですが、「うさぎおいしい」とはちょっと言えないと思いました。背の部分、腿は食べやすく、横隔膜(おそらく)は固くて臭いがきついです。


ただ、私はこういった肉をまるごと買ってきて料理する経験は時には必要だろうと思います。常に切り身の調理しやすい肉を食べていると、「命を食べている」という実感が沸かず、感謝することを忘れがちです。とはいえ、次にまるごと調理をするときはおとなしく鶏肉にしようと思います。

2013年4月5日金曜日

ポタージュのもと



ポタージュは野菜と牛乳がとりやすく、すぐれた料理だと思います。朝早く買い出しに行くと赤パプリカとスクワッシュの見切り品があったので買ってきました。

オーブンは大きいですから、
  • パプリカ4個
  • スクワッシュ3個
  • 玉ねぎ2個
  • バターナッツカボチャ半分
  • 大きいサツマイモ1本
  • マッシュルーム1パック 
  • ニンジン3本
を一度に焼くことができました。1.パプリカ、ニンジン、タマネギ1個、2.スクワッシュ、カボチャ、サツマイモ、タマネギ1個に分けてポタージュのベースを作りました。少し水と塩を加えて煮た後、フードプロセッサにかけます。小分けにして冷凍し、食べたいときに解凍して牛乳を加えて味をつけます。火を止めてからクリームを少し入れるとおいしいです。今回はスクワッシュ6回分、パプリカ3回分のポタージュのもとになりました。食事に一品加えたいときに便利です。

スクワッシュ
パプリカ

 野菜はオーブンでローストせず、炒めるか煮るのでも良いのだろうと思いますが、量が多いときは大きなオーブンが便利です。メカニズムは分かりませんが、サツマイモは低温でゆっくり焼くと甘味が強くなるという話もあります。パプリカはだいたい緑のものがいちばん安いですが、赤やオレンジが栄養価が高いそうです。



マッシュルームは旨味成分がシイタケの3倍含まれているそうです。オリーブオイル、白ワイン、塩、コショウをかけて混ぜてオーブンで焼き、キノコから出た汁も一緒に保存容器に入れて冷蔵庫で半日以上置き、クラッカーやパスタにのせて食べるとおいしいです。

2013年4月3日水曜日

白い花弁




チューリップの花は買ってきた日は上に向かって咲いていましたが、2、3日で花が開きはじめ頭を垂れてお辞儀をするようになりました。あるべき姿なのかどうかは分かりませんが、これはこれで趣きがあってすてきだなぁと思います。蕾は三角形なのに、膨らむとワイングラスのような形になるのもおもしろいです。


さらに2日くらい経つと花弁が落ちてしまったので拾ってガラスのボウルに浮かべました。水に白い花弁を浮かべる描写はヴァージニア・ウルフの『波』に見られます。


I want white petals that float when I tip the basin up. I have a fleet now swimming from shore to shore. I will drop a twig in as a raft for a drowning sailor. I will drop a stone in and see bubbles rise from the depths of the sea. I have picked all the fallen petals and made them swim. I have put raindrops in some. I will plant a lighthouse here, a head of Sweet Alice. And I will now rock the brown basin from side to side so that my ships may ride the waves.(Virginia Woolf, The Waves)


英語の先生との会食



お世話になっている英語の先生をお招きし、会食をしました。日本なら自宅にお招きするよりは外で食べる方が改まった感じでおいしいものが食べられることが多いように思いますが、アメリカで外食をするとコストパフォーマンスが悪く、高いお金を出してもあまり良いものが食べられないことがあるので、手料理で失礼することにしました。
  • スクワッシュのポタージュ
  • クスクス
  • 唐揚げ
  • パプリカ、ジャガイモなどのサラダ
  • ブルスケッタ
  • チーズクラッカー
を作りました。デザートにポルボローネを焼き、柑橘類と一緒にお出ししました。アメリカ人に出すならもっと和風な食事の方が良かったかもしれません。

アメリカでは鉄板焼きのことを「ヒバチ(火鉢?)」と言い、店員さんがパフォーマンス付きで焼いてくれる、と言うのでそれはアメリカ独自の日本語だと思います、と言って「サラリーマン」「アラサー」などの和製英語の話をしたら、面白がっていました。

2013年4月1日月曜日

Flow My Tears, the Policeman Said (本)

鳥獣戯画は関係ありません

【書誌情報】
Philip K. Dick, Flow My Tears, the Policeman Said, Doubleday, 1974

【あらすじ】
1980年代のアメリカは、国防軍と警察が支配し、学生は大学に閉じ込められ、政府による管理が厳格化されたディストピアと化していた。3000万人の視聴者を持つ、人気テレビスター、ジェイソン・タヴァナーは過去に関係を持った女性からの呼び出しに応じ、彼女を訪ねると得体の知れない何かをされ、気を失った。タヴァナーが目覚めると、誰も彼を認識せず、データセンタの個人情報すら完全に削除されていた。タヴァナーは怪しげな女性に依頼し偽装IDを手に入れる。

【コメント ややネタバレあり
あまり本を読みませんが、ジャンルとしては海外小説、特にイギリスの作家の作品が好きです。私は好きなものばかりを追いすぎて、それ以外は食わず嫌いになりがちなところ、「建築を勉強すること」と「サイファイ」に憧れがありました。建築を勉強するのはまず無理でしょうが、サイファイを読むことははるかに簡単にできます。英語の先生と、夫と一緒に読んで小規模の読書会をしました。

テレビスターが、自分が存在しないはずの異世界に迷い込んで、というストーリーはおもしろいですし、いろいろな女性が登場するというのも好みでしたが、いかんせん、オチがなんだかよく分かりません。検死官が仕掛けの説明を始めると、途端に分からなくなり、それは「ある朝目が覚めると異世界にいて、これまでの英語の知識がさっぱりなくなっていることに気付いた」というような体験でした。同じところを3回読んでも理解できず、先生や夫に尋ねてもやはり判然としませんでした。夫が解説マンガをかいてくれました。


主人公のガールフレンドの一人が「友達が雄ウサギとネコ3匹を一緒に飼っていたの。ウサギはネコが大好きで、ネコのやることを何でも真似し、子猫のために自分の抜け毛を集めてソファの裏に巣を作ったけど、子猫はその巣には入ってくれなかったのよ」と語る場面があります。本書に書かれる世界は近未来的ディストピアで、結末もよく分かりませんでしたが私はこの部分が一番好きでした。

サイファイというものがすべてこんなふうにわけの分からないオチがついているとは思えないので、もっと他のものも読んでみます。