品のない記事タイトルで恐縮です。内容は特段下品ではないはずです。
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レイトン「勉強」リヴァプール美術館 |
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レイトン「音楽のレッスン」ギルドホール美術館 |
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レイトン「ヘラクレスの死」(部分)ウォズワース・アテナイオン美術館 |
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レイトン「少女」 |
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レイトン「糸巻き」(部分)ニューサウスウェールズ美術館 |
ヴィクトリア朝唯美主義の画家、フレデリック・レイトンの絵画を見ると、大人は、多少レイトン好みに変更されている印象はあるものの、それぞれ容貌に特徴があるのに、10歳前後の少女は、皆、判で押したように同じ顔をしているので「おや?」と思います。それは、描かれた少女のほとんどのモデルが、コニー・ギルクライストConnie Gilchristというレイトンお気に入りの少女だからなのでした。
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フランク・ホール「村の葬儀」(部分)リーズ市立美術館 |
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ホイッスラー「黄色と金のハーモニー 黄金の少女」メトロポリタン美術館 |
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ホイッスラー「青い少女」グラスゴー大学ハンテリアン美術館 |
コニー・ギルクライスト(1865-1946)はロンドンに生まれました。お父さんは土木技師で、お母さんは厳しいステージママだったようです。舞台でのなわとび演技で人気を博しました。レイトンの他、ウィリアム・パウエル・フリス、フランク・ホール、ホイッスラーなど、錚々たる画家のモデルとなりました。ルイス・キャロルは12歳のコニーを、「顔立ちと体つきにおいて、これまでに出会った中でももっとも美しい子供の一人」と評し、写真を撮影しましたが、翌年には日記に「彼女の美しさは衰えはじめ、演技も下手だ」と記しています。
成長してからも、女優としていくつかの舞台に立ちました。特に喜劇を得意としていたようです。1892年にオークニー伯爵と結婚して舞台から引退しました。
写真を見るとかわいらしい、ヴィクトリア朝らしい美人です。ディケンズのヒロインのようなイメージです。レイトンが好んで描いた、ハーレムのような場所の、オリエンタルな調度品を背景に色白で金髪の子供が描かれているのは考えてみればなんとなく変ですが、とても滑らかで優雅なので、「細かいことは気にせず、とりあえず美しければいいのでは」という気もします。レイトンの絵画を見ていると、美の氾濫により、思考能力が麻痺してきます。芸術家のミューズは、通常は10台後半以降のはずで、10歳前後の少女に、様々な芸術家が魅了されたのは稀有なことだと思います。ステージでの活躍を期待されたり、長時間のポーズを幼い子供に強いるのはどうなのか、とは思いますが、絵画にのこされた姿はやはり美しいです。