2012年3月30日金曜日

八方だし

だしの素とか、固形コンソメなどは便利なものですが、そういうのを料理に使うとなんとなく「負けた」感があり、味も単調になるのでなるべく使わないようにしています。かといって毎回だしを取るのは面倒なので「八方だし」を作って常備しています。

【八方だしのレシピ】
  • 醤油 500ml
  • みりん 300ml
  • 昆布 10g
  • 鰹節 30g
  • 干しいたけ 5、6枚 
  1. 材料をすべて鍋にいれ、一晩置く。
  2. 鍋を火にかけ、沸騰したら火を止める。そのまま冷やす。
  3. 冷えたら液体をこす。鰹節の厚削りを使った場合は、網杓子ですくえばOK.密封できる容器に移し、保存する。
  4. 残った昆布はこの時点で取り出す。鰹節、干ししいたけを鍋に戻し、2〜3ℓくらいの水を加えて火にかける。沸騰したら火を止めて冷やす。3.と同様にしてだし汁を取る。
  5. 昆布、鰹節、椎茸を絞って刻み、弱火で加熱し、水分を飛ばす。塩、砂糖、必要なら鷹の爪を細かく刻んだもので味を付けてふりかけにする。
レシピにはこの分量で記載しましたが、スーパーで売っている醤油は298ml入り、みりんは355mlで、サイズはこれしかなく、中途半端に残すのも本意ではないので醤油2瓶とみりん1瓶で昆布、鰹節、干し椎茸を多めに入れて作っています。八方だしは常温で2、3ヶ月保存できるらしいですが私は冷蔵庫に保存しています。また、密封容器は使った醤油とみりんの空き瓶を洗わずにそのまま使用しています。残りで取っただし汁と、ふりかけは早めに使った方がいいみたいです。だしを漉すのと、密封容器に移し替える作業が少し面倒ですが、一度作ると色々な料理に使えるので便利です。

    2012年3月28日水曜日

    ニューヨーク旅行 その4

    Avery Fisher Hallでニューヨーク・フィルハーモニックのコンサートを聴きました。前曲はハンス・ウェルナー・ヘンツェという作曲家のよく分からない現代音楽で、メインはシューベルトの「グレート」です。

    チケットは一番安い席で一人39ドルで、発行手数料等がかかるためプラス5ドルくらいです。バルコニーは3階まであり、2階バルコニーに座りました。コンサート開始前に夫とホワイエで別れて、そのまま席まで行くことにしたのですが、夫は1曲目が終わるまで席に来なかったので、きっと誘拐されたに違いないと思っていました。実際は席を間違えただけだったのですが。1曲目の現代音楽はかなり変な感じでしかも長かったです。

    「グレート」は楽しい音楽です。オーケストラのメンバーもお互いに笑顔を交わしながら楽しそうに演奏していました。ニューヨークはそろそろ春が来て暖かくなってくるので、ちょうどこの季節に似合う音楽だと思いました。名簿を見ると日本人含むアジア系の団員が3割くらいはいる印象でした。

    翌日は、9時頃に車で出発してニュージャージーの日本食専門スーパーで買い物をし、併設のフードコートでラーメンを食べて帰りました。

    ニューヨーク旅行 その3



    旅行中、1回はちょっと良い物を食べたいと思い、ガイドブックに掲載されていた(あまり高くない)フランス料理レストランを予約しました。ブロードウェイ近くのお店でした。注文したのは、ラビオリと鶏肉のトスカーナ風です(イタリア料理のような気がします…)。ボリュームがあって二人でこの2皿で充分過ぎるほどで、私は夜中に胃がもたれて目が覚めました。特に鶏肉は柔らかく、付け合わせのクスクスによく味が染みていておいしかったです。付け合わせには人参、カボチャの種、リンゴ、クランベリーなどが入っていました。

    隣の席に偶然女優のシャーリー・ナイトさんが座っていました。プライベートを邪魔するのは好ましくないと思い、遠慮していたのですが、ウェイトレスがサインをもらっていたりしたのでいいかな、と思い話しかけてみました。「『グループ』を見ました。ポリー(シャーリー・ナイトが演じた役)が一番好きでした」と言ったら「私もよ。彼女はおもしろいわね。でもルメット監督は最初私にケイの役を演じないか、と打診してきたのよ」と言っていました。ポリーとケイは対照的なキャラクターなので、意外でした。今も現役でご活躍のようで、今日は一日稽古をしていました、と言っていました。一緒に写真を撮ってもらいました。サインを下さいました。


    親切で気品のある人でした。後日、礼状と日本から持参したちょっとしたお土産を送りました。

    2012年3月26日月曜日

    ニューヨーク旅行 その2

     
    旅行2日目はメトロポリタン美術館に行きました(世界三大美術館及びアメリカ三大美術館制覇、やほーい!)。入場料一人25ドルを払うとチケットの代わりに丸いクリップをくれます。日本の美術館に比べて高いですが、所蔵品は10倍?100倍?あるので無理もありません。

    外れやすい。ピンバッヂだと良かったのに
     10:00~16:00くらいまで滞在しましたが、展示全体の半分くらいしか見ていないと思います。ただ、ヨーロッパとアメリカの美術品に絞って見たため、見たかった物は概ね見ることができ、満足しました。





    かわいい



    子供には見せられませんからモザイクで
     日本の美術館では、美術品1つ1つを細部までじっくり見る(そうしないとすぐ見終わってしまう)のが一般的ですが、このように大きい美術館だと「こういう絵もあるんだ」という感じで流し見る速度で移動します。子供や、スケッチをしている人をよく見かけますが、写真を撮っている人は意外と少ないです。展示品が多すぎて、一部適当にケースの中に放置して解説がついていない物もありました。美術館にカフェテリアもあり、一日遊べます。

    お土産
     トートバッグはマグネットではなく、ファスナーで開閉する方式であることと、容量が大きいことが気に入って購入しました。ウィリアム・モリスのテキスタイルのは名刺入れです。

    ニューヨーク旅行 その1

    2泊3日でニューヨーク旅行に行きました。高速道路の料金は仮に有料道路を使っても数ドルなので、車で行きました。朝9時に出発し、昼過ぎに到着しました。ホテルの駐車場に車をとめて、地下鉄でアメリカ自然史博物館に行きました。

    入館料は大人19ドルですが、チケット売り場で「君たち、学生に見えるから学生料金でいいよ!」と言われ、学割チケットを買いました(?)。




    動物の剥製、ネイティブ・アメリカンの生活の様子、植物や鉱物などの展示があります。館内の多くの展示室の照明が暗くて、目が疲れます。アフリカやアメリカのお面が暗闇の中から浮かび上がる展示は結構怖いです。動物の模型や剥製よりは動物園や水族館で本物を見る方がいいかな、と思いました。昔の動物モチーフの容器がいろいろ展示されていてかわいいです。

    50セントと1セント硬貨を投入し、ハンドルを回すと1セント硬貨を加工する機械があるので、やってみました。


    博物館を出て、セントラルパークを散策しました。桜が満開でした。


    お天気がイマイチで残念でした。その後、ブルックリンにあるホテルに戻りました。

    2012年3月16日金曜日

    フィギュリンのコレクション


    ロイヤル・コペンハーゲンまたはビング・オー・グレンダール(B&G)のフィギュリンをコレクションしています。B&Gは1987年にロイヤル・コペンハーゲンに買収されました。磁器の質感や壊れやすさにひかれます。また、憧れの東京都庭園美術館にロイヤル・コペンハーゲンのペンギンのフィギュリンが所蔵されているので、それに倣いました。ペンギンは、長い間行方不明になっていたらしいのですが、21世紀になってから美術館に寄贈されました。その感動的な顛末はこちらのブログに書かれています。

    ロイヤル・コペンハーゲンは現在でもフィギュリンを販売していて、昔の物に比べると使われている色数も多く、人間の顔はリアルで現代風に変わっています。私は、20世紀半ば頃に作られた、少し古風な衣装で色数も少なめのものを集めています。この頃に製作されたフィギュリンは、あまり笑っておらず、寂しげな表情で奥ゆかしいです。

    「これなに?」「うどん」「これは?」「知らん」
    夫のお気に入りです。二人でどんな話をしているか教えてくれました。アメリカではポピュラーなのか、よくebayに出品されています。

    メアリー
    アーミッシュのような頭巾をかぶっています。このフィギュリンは青い服を着ているバージョンもあるらしいのですが、私は見たことがありません。少し心配そうな、生真面目な表情です。

    グレーテ
    編み物をしています。清楚な雰囲気です。他もだいたいそうなのですが、子供たちのフィギュリンが、うつむいて自分の世界に入り込んでいる様子なのが自然な様子で好ましいです。私はこのフィギュリンがとりわけ気に入っていて、他と比べると値が張りましたが、清水の舞台から飛び降りました。

    オーレ・ルコイエ
     アンデルセン童話に登場する眠りの妖精です。手に持っているのは砂で、子供の瞼にこの砂をかけて眠らせるそうです。そして腕に抱えた傘をさしかけて子供に夢を見せます。

    2012年3月15日木曜日

    歯医者 その2

    投稿「アメリカで歯医者に行く」より続きます。

    2回目の歯医者はクリーニングだけでした。日本でもよくあるチリチリして痛いやつです。親知らずを抜くのは、とても痛いとか、全身麻酔で数本同時に抜いて麻酔事故があったなど、怖い話を聞いていたのですが、6ヶ月後に再度クリーニングをするのでその時に意思決定して下さいと言われました。抜かないで放置しておくと他の歯を圧迫して歯並びが悪くなり、虫歯になりやすくなるそうですが、緊急ではないようです。

    歯磨粉と歯ブラシのサンプルをもらいました。アメリカの他の歯医者のレビューで「デンタル用品を歯医者で買うようにすごく勧めてくる」と書いてあったので、おそれをなして「これは、買わないといけないんですか?」と訊いてしまったのですが無料サンプルでした。半年後の予約を取って帰りました。

    2012年3月12日月曜日

    変なアメリカ

    入れ歯グミ
     これを食べて歯が悪くなって入れ歯になりましょうというメッセージ?!


    Healthy Choiceという店のメニューに特大のコーラの絵が描いてあるという矛盾


    ゴダイヴァのカタログより。モスラチョコ(ちょうちょらしいです)。


    ちょっと値札に隠れていて見落としたのですが、メープルシロップ漬ベーコン。まず調理する時のにおいからして吐き気を誘う感じでした。一口食べればそこには悪夢が。まさかベーコンにメープルシロップをつけるとは思いませんでした。

    文化の違いを楽しんでいます。

    レンサム村のアウトレット

    マサチューセッツ州内の、Wrentham Village Outlet(公式サイト) に行きました。お目当ては

    バーバリー

    だったのですが、どちらもアウトレットとはいえ、収入がない自分には不相応と思い、特に何も買いませんでした。

    Waterford Wedgwood店内。こっそり撮った
    台所用品の店、Williams Sonomaでストウブの鍋を買おうかなと思いましたが、それもその場で購入を決めるのは憚られる値段だったため、買っていません。

    夫が買ってくれた
    1年経ってもまだ余震がおさまらないようですね。お大事にお過ごしください。

    2012年3月9日金曜日

    アメリカで歯医者に行く

    歯は一生懸命磨くのですが痛くなったので歯医者にかかりました。アメリカで歯医者にかかるとものすごく高額の費用がかかるというのが定説なので、戦々恐々としていました。インターネットで調べると「問題のない歯を削られた」とか「アメリカの歯医者は仕事が雑だ」とか「ホワイトニングをやたらと勧めてくる」等など、ネガティブな情報が多いです。それでも背に腹は替えられませんから、yelpでレビューを調べて、加入している医療保険がつかえる歯科を予約しました。最初に調べたときは歯医者が多すぎてどこに行ったら良いのか分からず、戸惑いましたが、レビューが良くて、保険を使えて、距離も5マイル以内等と条件を絞るとだいたい該当する歯医者は2、3件しかなくなります。

    電話で予約をすると、電話口で保険証のIDの他、誰が被保険者か(夫)、夫の氏名、生年月日、勤め先、SSN(Social Security Number)を訊かれます。また、歯医者に実際に行くと保険の情報の他、配偶者の勤務先住所、電話番号も訊かれました。住所は分かりませんと言ったら書かなくてOKと言われましたが。

    診てもらったら(やたらとレントゲンを撮られました)虫歯ではないと言われ、念のため他の歯もチェックしてもらいましたが特に問題ありませんでした。保険で全額カバーされました。クリーニングをすすめられたので値段をきいたら、それも保険で全額カバーされますよ、と言われました。

    加入している保険の種類によって歯科に保険が適用される場合とされない場合があり、仮に歯科に対応していたとしても年間の限度額が決まっていて、限度額以上は全額自己負担になってしまいます。私は親知らずが他の歯を圧迫しているので、抜いた方がいいと言われました。クリーニングと親知らずについてはまたレポートします。

    2012年3月6日火曜日

    ボストンまで行ってきた

    用事があってボストン日本領事館に行ってきました。運転に自信がないので、バスと地下鉄を使いました。アメリカの地下鉄はうるさいです。場所によっては人間の悲鳴のような音がすることがあってびっくりします。


    良いお天気

    南駅


    寒かったので少し写真を撮って帰りました。

    2012年3月5日月曜日

    カッテージチーズパンケーキなど

    アメリカ人はパンケーキが大好きなんだそうです。売っているパンがいまいちおいしくないからでは?!と思っています。保存料なのか、詳細は不明ですが売っているパンはだいたい酸っぱいようなにおいがあります。私はいわゆるホットケーキよりも、甘くないパンケーキが好きです。カッテージチーズを入れると食感がふわっとします。あまり甘くないのでハムなどの塩味のものと合わせてもおいしいです。

    【カッテージチーズパンケーキのレシピ (2人分)】
    • 卵 2個
    • カッテージチーズ 100g
    • 牛乳 100g
    • 小麦粉(中力粉か薄力粉) 120g
    • ベーキングパウダー 小さじ1
    • 砂糖 小さじ2
    • レモンオイル 少々(なくてもOK)
    • サラダ油、バター 各少々
    1. 粉とベーキングパウダーをはかってふるう。
    2. 卵をとく。カッテージチーズと牛乳を混ぜる。
    3. レモンオイル、砂糖、粉の順で加え、さっくり混ぜる。
    4. サラダ油をフライパンに熱し、温まったらバターを溶かす(バターだけで焼こうとすると焦げます)。まるくタネを落とし、弱めの中火で焼く。表面が乾いたらひっくり返す。  
     「読書メーター」で最近人気ランキング上位によくランクインしている『和菓子のアン』という本があります。そのタイトルを見る度に和菓子が食べたいと思うのですが、小豆は手に入りにくいため、白いんげん豆(great northern bean)を煮てみました。茹でる前、乾燥している状態では灰色っぽい白い豆ですが、一昼夜水に浸してから煮ると少しピンク色がかった色になります。

    ローストチキンとグラタンなど
    朝食はいつもヨーグルトを食べます

    生姜焼き、蒸し飛竜頭など
    飛竜頭はこのレシピを参考にしました。エビの代わりに塩昆布を入れ、味を付けたのであんはかけていません。

    オーケストラに持っていったブラウニー
    オーケストラは70人くらいメンバーがいます。お菓子を1キロ持ってきて、と言われたので作りました。自家製オレンジピールを入れたら良い香りになりました。

    2012年3月3日土曜日

    The Group (本)

    映画版の写真


    【書誌情報】
    The Group, Mary McCarthy, Harcourt Brace Jovanovich, Publishers,1954

    【あらすじ】
    1933年にアメリカの名門女子大、ヴァッサー大学を卒業した8人の女性達の7年間。劇作家と結婚するものの、結婚に破れるケイ、出版エージェントとして活躍するリビー、アリゾナの鉱山王と結婚するドティ、小児科医と結婚し、息子の躾と非協力的な夫に苦労する優等生のプリス、検査技師として病院に勤務し、不倫の恋をするポリー、ヨーロッパに留学してレズビアンとして帰国するレイキー、多芸多才のヘレナ、卒業記念に飛行機を買ってもらうほどの資産家の令嬢のポーキー。本作品の詳細についてはこちらのサイトが分かりやすく魅力的に書かれてあります。

    【コメント】
    女子校とか、姉妹とか、女性が色々登場してあれこれする小説が大好物です。特に、19世紀末~第二次世界大戦後の時代は、古い価値観が残りつつも、社会や技術の変化が大きく、小説もドラマチックになるように思います。

    高い教育を受けたとはいえ、 社会的に成功をおさめるのは8人のうち一人だけで、ほとんどが裕福な家庭の出身でお金のために働く必要はなかったため、7年間で「奥様」になるか、そのまま独身貴族を続けます。「良い夫婦」と作中で明言される結婚をしたのは一人だけで、他の人たちは浮気をされたり、威張るだけで育児に非協力的だったり、職業と財産以外にはほとんど言及されない存在感のない男性と結婚します。ミソジニーや偏見に満ちた、我儘な男性ばかり登場する印象ですが、小説は完全に女性目線で書かれてあって、女にとっての「良い男性」とは少なからず「都合の良い男性」でもあるわけで、本書に登場するような女性たちを男性視点で書いたら、男性にとっては「都合の悪い女性」の方が多いことでしょう。男性にとって都合の悪い女性を女性目線で書いた文章を女が読むと大変おもしろいのです。

    出身家庭とか、当時の社会状況などの様々な要因で、女性にとって現代よりも生きにくい時代だったのだろうと思いますが、気の強いリビーがヨーロッパの貴族に迫られたり、おとなしく思慮深く、少女小説のヒロインとして完璧なポリーが不可解な精神医学のことで悩まされた挙句に精神科医と結婚したり、プリスが息子のトイレット・トレーニングに苦労したりするさまは一歩引いて見ればユーモラスでもあります。

    小説は、1966年にシドニー・ルメットにより映画化されました。華やかで楽しい映画です。女優さんたちが、原作の登場人物のイメージに合っています。シリアスな場面でも女性合唱の爽やかな音楽が挿入されて、軽快な雰囲気です。2003年に公開された、1950年代のウェルズリー大学が舞台の『モナリザ・スマイル』はこの映画へのオマージュと思われます。

    'Daisy Chain'に参加した、というエピソードが何度か登場するため、何のことだろうかと少し調べてみたらヴァッサー大学の卒業式の際に、課外活動等でリーダーシップを発揮したと認められた、選抜された3年生が約50メートルのヒナギクと月桂樹の花鎖を担ぐ、という行事があるらしいです。優雅な伝統だと思いました。

    1909年のDaisy Chain
    なお、日本語訳は『グループ』のタイトルで早川書房から出版されていますが現在絶版のようです。