2012年10月26日金曜日
悪そうなネコ
ネコを飼いたいなと思うことがありますが、今住んでいる賃貸はペット禁止ですし、仮にペット可だったとしても帰国するときどうするかとか、衛生面などの心配があるので実際に生き物を飼うことは現実的ではありません。それで、ネコのフィギュリンを買いました。
これまでに集めた人のフィギュリンと同様、ビング&グレンダール製ですが、縮尺が合っていないので一緒には飾りません。B&Gやロイヤルコペンハーゲンのネコのフュギュリンは、かわいいというよりはいたずらそうな、何か企んでいそうな表情のあるものが多く、私が買ったのはとりわけふてぶてしい顔なのが気に入っています。毛づくろいをするとき、確かにこんな顔になっています。
2012年10月24日水曜日
白衣の女
斜め上に見上げるような角度から描いているのが印象的です。寝ているようないないような顔の表情も特徴があります。
ゴージャスなバスローブのような珍しい服を着ています。こういった装飾の少ない、白い衣服は昔は部屋着として着用され、部屋着で人前に出ることはあまりなかったと言いますから、モデルがなぜあえてこの服装で肖像画を描かせたのか、気になります。フランス革命よりも前の頃に流行した「髪粉」を髪にかけているために白髪のように見えるのだと思います。
モーリス・ドニです。ドニはいろいろな絵をかき、人物は目鼻が描かれている場合といない場合があり、細部の描写がされている場合と省略されている場合がありますがどの作品にもドニらしさがあります。キリスト教的な主題が超現実的な雰囲気で描かれているところが好きです。
サージェントの肖像画はドラマチックな感じがします。描かれた人々がそれぞれ別の方向を見ていることが多いです。顔の部分と衣装、背景でそれぞれに筆致が異なり、顔は精巧に描かれているのに、衣装は素早い筆で、質感がよく分かります。衣装と背景のコントラストもダイナミックな効果を上げています。実物は縦長の大きな作品です。セシル・ビートンはこの作品をもとに、写真を撮影しました。
右の婦人は顔立ちももとの肖像画に似ているように思います。
写真の撮り方がまずいわけではなく、顔の部分に光が当たっている絵でした。
ボストン美術館の花嫁さん。少し寂しげな表情です。
光線の具合とか、植物の様子などがニューイングランドらしい一枚だと思います。ウォールデン池などに行くと、これに近い光景が見られます。
ご紹介したのはごく一部ですが、美術館には白衣の女性の絵がたくさんあります。白い服を着ているのは若くて清楚な感じの女性が多いように思います。ウィルキー・コリンズの小説、『白衣の女』は以前途中まで読んで長くて挫折しました。小説は最初の方に白衣の女が登場します。小説では謎めいた登場人物で、美術館でそのイメージに合うような絵を見たことはまだありません。
ゴージャスなバスローブのような珍しい服を着ています。こういった装飾の少ない、白い衣服は昔は部屋着として着用され、部屋着で人前に出ることはあまりなかったと言いますから、モデルがなぜあえてこの服装で肖像画を描かせたのか、気になります。フランス革命よりも前の頃に流行した「髪粉」を髪にかけているために白髪のように見えるのだと思います。
モーリス・ドニです。ドニはいろいろな絵をかき、人物は目鼻が描かれている場合といない場合があり、細部の描写がされている場合と省略されている場合がありますがどの作品にもドニらしさがあります。キリスト教的な主題が超現実的な雰囲気で描かれているところが好きです。
サージェントの肖像画はドラマチックな感じがします。描かれた人々がそれぞれ別の方向を見ていることが多いです。顔の部分と衣装、背景でそれぞれに筆致が異なり、顔は精巧に描かれているのに、衣装は素早い筆で、質感がよく分かります。衣装と背景のコントラストもダイナミックな効果を上げています。実物は縦長の大きな作品です。セシル・ビートンはこの作品をもとに、写真を撮影しました。
右の婦人は顔立ちももとの肖像画に似ているように思います。
写真の撮り方がまずいわけではなく、顔の部分に光が当たっている絵でした。
ボストン美術館の花嫁さん。少し寂しげな表情です。
ご紹介したのはごく一部ですが、美術館には白衣の女性の絵がたくさんあります。白い服を着ているのは若くて清楚な感じの女性が多いように思います。ウィルキー・コリンズの小説、『白衣の女』は以前途中まで読んで長くて挫折しました。小説は最初の方に白衣の女が登場します。小説では謎めいた登場人物で、美術館でそのイメージに合うような絵を見たことはまだありません。
2012年10月20日土曜日
Dark Quartet: The Story of the Brontes(本)
Governess |
【書誌情報】
Lynne Reid Banks, Dark Quartet: The Story of the Brontes, Penguin Books, 1976
【あらすじ】
イギリス、ヨークシャー地方ハワースのブロンテ牧師の子供たち、 マライア、エリザベス、シャーロット、ブランウェル、エミリー、アンは幼い頃から優れた知性を発揮した。ブロンテ師は牧師の娘のための学校に娘たちを入学させるが、マライアとエリザベスはそこで肺炎にかかり、死亡する。姉妹は女子校で学んだ後、家庭教師としてつとめるが、辛い労働環境から挫折する。シャーロットとエミリーはブリュッセルへ留学し、シャーロットはその校長に好意を抱く。ブロンテ姉妹とブランウェルは幼少期から空想の物語を作っていた。姉妹が小説を書き、出版社に送ると何度も拒絶されたが、シャーロットの小説『ジェーン・エア』は出版されるやベストセラーとなる。一方、家族に過大な期待をされたブランウェルは何をしても長続きせず、家庭教師先の夫人と不倫騒動を起こし、アルコールと麻薬に溺れる。
【コメント】
中学生の頃からブロンテ姉妹の小説を愛読しています。地方の牧師館で、世間と接触の少なかった三人姉妹が、世界中で知られる文学を著したという事実も魅力的です。ブロンテ姉妹の存在に興味を抱く作家は多いようで、姉妹を題材とした小説は英語圏ではかなり出版されています。
リン・リード・バンクスの小説は戸棚にミニチュアの人形を入れておくとその人形が生命を得るという『リトルベアー』三部作(児童文学)を読みました。女の子も男の子も、あまり本を読まない子供も楽しめるファンタジーです。その著者で、ブロンテ姉妹を題材としていると聞けば、これは読まざるを得ません。
期待に違わぬ内容でした。マライア、エリザベスとシャーロットが短期間学んだ寄宿学校は『ジェーン・エア』に描写される以上に過酷で、アンの家庭教師先は『アグネス・グレイ』に書かれているとおり、不条理です。シャーロットのブリュッセル滞在は『ヴィレット』を思い出させます。ブロンテ姉妹はお互いに緊密な関係にありましたが、シャーロットは常識人、エミリーは最も文学的才能があるのにヨークシャーの外の世界には馴染まない頑固な変人、アンは敬虔で控えめ、とそれぞれに異なる性格で、姉妹の会話や行動が生き生きとリアルに書かれています。
ブロンテ姉妹は最初男性のペンネームで本を出版しましたが、トラブルに巻き込まれたのを解決すべく、シャーロットとアンがロンドンの編集者のもとへ赴き、編集者が驚くシーンが良いです。
「あなたが?」スミス氏(編集者)は大声で叫んだので、店員は驚き、近くにいた数人が振り向いた。「まさか、いや、そんなはずがない、あなたはカラー・ベル(シャーロットの筆名)ではない…」ブランウェルは家族から「才能がある」といわれ、はじめ画家を志し、次に駅員として就職し、最後にアンの家庭教師先に勤めます。しかしどこへいってもアルコールや金銭関係でトラブルを起こします。10代までは姉妹と仲がよかったブランウェルですが、次第に緊張が生まれます。彼は姉妹が小説を出版したことすら知らされません。姉妹、特にシャーロットの小説が読者に広く受け入れられた喜びもつかの間、ブランウェルが失望のうちに死ぬと、エミリーとアンも次々と世を去ります。
(中略)
「あなたの本名は何ですか?あなたは誰ですか?この人は?」
「私はブロンテです、こちらは妹のアン、アクトン・ベルです。私の洗礼名はシャーロットです。私たちはイニシャルをそのままにしたんです。エリス(エミリー)は来ませんでしたが、私たちと同じように実在します」
スミス氏は息をのんだ。「『嵐ヶ丘』の作者も女性?あなた方のような若い女性なんですか?」
リード・バンクスはシャーロットのその後の小説も書いています。本書がおもしろかったので、続編もそのうち読んでみたいと思います。
2012年10月15日月曜日
美術館の音楽会
アメリカ国内のボストン美術館、メトロポリタン美術館、シカゴ美術館、ワシントン国立美術館、アメリカ美術館等の美術館に行きました。アメリカの美術館は写真撮影OKの場合が多く、行く度に数百枚の写真を撮っていました。手元のファイルに集めて悦に入っているだけではツマラナイので、テーマを決めて記事にしたいと思います。どこの美術館所蔵とか、画家についての情報は記載しておりません。また、適当にトリミングしてあります。ごめんなさい。
道化のギター弾きです。ごく普通のおじさんなのに、ロココ風の大仰な衣装を着ています。道化といえば縞模様の服に、エリマキトカゲのような大きな襟ですね。この人は子供がプールに行った後に濡れた髪の毛が服につかないようにするための、あの帽子に似たものをかぶっていてユーモラスです。
男女平等の現代でも、ハープ奏者は女性が多い気がします。華やかで存在感がありますが、主役になる機会は意外と少ない楽器です。お金持ちの部屋の展示にはよく居間にハープが置いてあります。上流婦人のたしなみだったのでしょうか。
地味な作品ですが、妙にひかれる一枚です。湿気の多い日本では難しいですが、弦楽器は見た目がきれいなので、壁にかけて保管するのも絵になります。
この子供はギターを弾けないと思うのですが、おもちゃにしているふうでもなく、大人に「このギター持っていてね」と言われて、よく分からないまま座ってみたという感じです。絵自体は精密にかかれているのに、人物が何となく無気力もしくは眠たそうに感じられる不思議な一枚です。
随分重そうでかさばりそうな楽器です。ネックの先の方には手が届かなさそうです。膝の上の1点と、左手の指先で絶妙のバランスで支えているのでしょうか。躍動感があります。
一般的なリュートはこれくらいのサイズなのでしょう。これなら普通に弾けそうです。
服装を見るに、女性は裕福な感じですが、男性はそうでもないので、この二人は家族ではなさそうです。それにしても、なぜテーブルに座る?
窓辺でピアノを弾く女性。花の飾りかたが気になります。少し不鮮明な作品ですが、大きな花瓶に花をまとめていけるのではなく、少なくとも9個くらいの花瓶を使って一つの花瓶に1、2本の花が挿してあります。その花瓶もシリンダーとかビーカーのような珍しい形状のものが含まれています。大きな花束が一つあっても、花がしおれる速さはまちまちなので、状態の良いものを選んで取り出し、別々に飾ったのかもしれません。私の祖母は花束がダメになると、まだ綺麗な花を短く切って、いくつかの一輪挿にいけ、数ヶ所に飾っていました。一見理想化された光景ですがよく見るとリアルな生活感もあります。
アメリカの大きな美術館にはたくさんの所蔵品があるため、一つ一つを時間をかけて見ることはかないませんが、写真を撮って後から見るのもなかなかおもしろいです。
2012年10月13日土曜日
Brideshead Revisited(映画)
【基本情報】
Brideshead Revisited,2008 日本語タイトル『情愛と友情』
Directed by Julian Jarrold
Main Casts Matthew Goode, Hayley Atwel, Ben Whishaw, Emma Thompson
Written by Evelein Waugh, Brideshead Revisited
予告編
【あらすじ】
第一次世界大戦中、チャールズ・ライダーはブライズヘッドの広大な館に駐屯する。ブライズヘッドはチャールズがオクスフォードの学生だった頃、級友のセバスチャン・フライトに招かれて滞在した場所だった。チャールズはセバスチャンの両親、兄や妹との若き日の交流を回想する。
【コメント】
イーヴリン・ウォーによる『回想のブライズヘッド』(または『ブライズヘッドふたたび』)は没落しつつある貴族の生活や、学生時代の思い出、宗教問題などを描写した小説です。登場人物がそれぞれに興味深く、20世紀初頭の貴族の生活ぶりがエレガントで、ストーリーもおもしろく、こういう作品にこそ小説を読む喜びがあると思います。
『回想のブライズヘッド』はテレビドラマとして放映されたこともあるそうです。オクスフォード大学に、美男美女に、イギリスの田園風景に、大邸宅にヴェニス!そのうえ20世紀初頭、ときたら期待が高まりますが、映画はやや期待外れでした。ロケに使われているお屋敷は荘厳で、要所に「水」が使われている(たとえば、船、チャールズとセバスチャンの川辺のピクニック、噴水で泳ぐ、ヴェニスの運河など)風景も美しいのですが、俳優にあまり魅力がありません。セバスチャンとその妹のジュリア、母のマーチメイン夫人は小説で「美しく、魅力的」と書かれていて、時代や階級、作中での雰囲気から私はセシル・ビートンの写真のような人々をイメージしていたのですが
映画に出ていた人たちはどちらかというと庶民的でした。それで、主人公の「雲の上のような上流階級の人たちとの美しい思い出」が卑近な感じになってしまっていました。また、あれだけ内容の濃い話を2時間に収めるのは厳しく、原作の持つ諧謔的な部分や深遠さが失われているように思いました。
本を読んだときはあまり感じなかったのですがチャールズとセバスチャンの同性愛的な側面が映画では強調されていて、その点はおもしろかったです。セバスチャンは浮世離れした崇高な母と美人の妹を持ち、家族以外の女性には関心がなく、付き合うのは男性ばかりなので、その気はあるのでしょう。
映画の雰囲気は最高です。作中に必ずダンスパーティのシーンが出てくるような第二次世界大戦以前のヨーロッパを舞台とした文芸作品は好きです。
Brideshead Revisited,2008 日本語タイトル『情愛と友情』
Directed by Julian Jarrold
Main Casts Matthew Goode, Hayley Atwel, Ben Whishaw, Emma Thompson
Written by Evelein Waugh, Brideshead Revisited
予告編
【あらすじ】
第一次世界大戦中、チャールズ・ライダーはブライズヘッドの広大な館に駐屯する。ブライズヘッドはチャールズがオクスフォードの学生だった頃、級友のセバスチャン・フライトに招かれて滞在した場所だった。チャールズはセバスチャンの両親、兄や妹との若き日の交流を回想する。
【コメント】
イーヴリン・ウォーによる『回想のブライズヘッド』(または『ブライズヘッドふたたび』)は没落しつつある貴族の生活や、学生時代の思い出、宗教問題などを描写した小説です。登場人物がそれぞれに興味深く、20世紀初頭の貴族の生活ぶりがエレガントで、ストーリーもおもしろく、こういう作品にこそ小説を読む喜びがあると思います。
『回想のブライズヘッド』はテレビドラマとして放映されたこともあるそうです。オクスフォード大学に、美男美女に、イギリスの田園風景に、大邸宅にヴェニス!そのうえ20世紀初頭、ときたら期待が高まりますが、映画はやや期待外れでした。ロケに使われているお屋敷は荘厳で、要所に「水」が使われている(たとえば、船、チャールズとセバスチャンの川辺のピクニック、噴水で泳ぐ、ヴェニスの運河など)風景も美しいのですが、俳優にあまり魅力がありません。セバスチャンとその妹のジュリア、母のマーチメイン夫人は小説で「美しく、魅力的」と書かれていて、時代や階級、作中での雰囲気から私はセシル・ビートンの写真のような人々をイメージしていたのですが
Photo by Cecil Beaton |
Photo by Cecil Beaton |
本を読んだときはあまり感じなかったのですがチャールズとセバスチャンの同性愛的な側面が映画では強調されていて、その点はおもしろかったです。セバスチャンは浮世離れした崇高な母と美人の妹を持ち、家族以外の女性には関心がなく、付き合うのは男性ばかりなので、その気はあるのでしょう。
映画の雰囲気は最高です。作中に必ずダンスパーティのシーンが出てくるような第二次世界大戦以前のヨーロッパを舞台とした文芸作品は好きです。
2012年10月8日月曜日
お客様を招待しました
日本にいた頃、人と会うのはもっぱら外で、自宅には親兄弟しか招いたことがありませんでした。渡米してからは、私が専業主婦になったせいか家にお客様を招待する機会が増えました。日本人のお客様をお招きしたときは西洋風の、日本人以外がお客様のときは和風の食べ物を振る舞うようにしています。
今回は
食後に英国王立化学協会の記事に従って紅茶をいれ、オレンジケーキ(お勧めレシピ)を食べました。食事が和風でも、日本茶の道具がないので食後は紅茶です。英国レディであるお客様に「王立化学協会の紅茶のいれかたが」と話したのですが、彼女は幼少期に渡米してずっと住んでいるためか、紅茶には特にうるさくないと言っていました。
お客様をご招待すると、掃除もできますし、必要な物を買いそろえる口実になり、料理もがんばるので、時々来客があると良いと思いました。食器やいろいろな食べ物を買うために出費してくれた夫に感謝します。
今回は
- 鶏肉とサツマイモのおこわ
- 豆腐とサトイモ団子のあんかけ
- ホウレンソウのアーモンド和え
- だし巻き卵
- ホイル焼き
食後に英国王立化学協会の記事に従って紅茶をいれ、オレンジケーキ(お勧めレシピ)を食べました。食事が和風でも、日本茶の道具がないので食後は紅茶です。英国レディであるお客様に「王立化学協会の紅茶のいれかたが」と話したのですが、彼女は幼少期に渡米してずっと住んでいるためか、紅茶には特にうるさくないと言っていました。
お客様をご招待すると、掃除もできますし、必要な物を買いそろえる口実になり、料理もがんばるので、時々来客があると良いと思いました。食器やいろいろな食べ物を買うために出費してくれた夫に感謝します。
ボストン交響楽団
ボストン交響楽団の2012−13シーズンが開幕しました。シンフォニー・ホールのコンサートに行きました。指揮者はタングルウッドでも指揮をしていたMarcelo Lehningerでした。
こちらのコンサートは夜公演がだいたい8時開始で、終わると10時近くになるので、ちょっと遅いなと思います。ドレスアップした老若男女(老人が多いですが)が、運転手付きの黒い車でホールにやってきます。
曲目はチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」
バーンスタインの「バイオリンとオーケストラのためのセレナード」。ソリストはジョシュア・ベルでした。現代音楽はわけが分かりません。珍しい打楽器を色々使って、打楽器奏者が6人もいました。木の箱のような物を叩いて「ポンポコポコポン」という音を出していたのがおもしろかったです。
メインはドヴォルザークの交響曲第8番です。ドヴォルザークは美しいというよりは、聴いていて楽しいです。セリフを喋っているように聴こえる部分があります。有名なフレーズの前に来ると「来るぞ来るぞ」と思って楽しくて笑みが抑えられません。
参考 空耳クラシック
こちらのコンサートは夜公演がだいたい8時開始で、終わると10時近くになるので、ちょっと遅いなと思います。ドレスアップした老若男女(老人が多いですが)が、運転手付きの黒い車でホールにやってきます。
曲目はチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」
現代音楽はわかりません |
参考 空耳クラシック
2012年10月5日金曜日
Gatsby's Girl(本)
Ginevra King |
【書誌情報】
Caroline Preston, Gatsby's Girl, Houghton Mifflin, 2006
【あらすじ】
シカゴの富豪の娘、ジネヴラ・ペリーは16歳で駆け落ちを試み、戒めとして寄宿学校に入れられる。同級生の紹介でプリンストン大生のスコット・フィッツジェラルドと出会う。フィッツジェラルドは軽薄だが美人のジネヴラに恋をし、大学から何通ものラブレターを送り、ジネヴラも応じたが、ジネヴラはナルシスティックなスコットに辟易し結婚には至らず、軍人と結婚し裕福に暮らす。一方、フィッツジェラルドは作家として成功するが、結婚生活は破綻し、転落していく。『偉大なギャツビー』のヒロイン、デイジーのモデルとなったジネヴラ・キングを題材としている。
【コメント】
大富豪のお嬢様で、何不自由なく育てられたジネヴラ視点の一人称小説です。学校で古着の寄付を募られたときは「これしかないから」という理由で新品の服をあげてしまったり、大恐慌のときも大きな影響は受けないほどの恵まれた環境で、その上美人で男性にも人気があり、彼女の人生のほとんどのことが思い通りに進むようです。フィッツジェラルドと別れた後はすぐにハンサムな軍人と結婚し、子供も生まれます。
一方、ゼルダと結婚し、『偉大なギャツビー』等の小説を執筆してジャズエイジの寵児となったフィッツジェラルドはパリで華やかな生活をしますが、妻は心身の不調を来たし、小説家としても次第に人気を失います。ジネヴラはシカゴでゼルダに会い、後にはスコットと再会します。
ジネヴラ・ペリーの境遇と生活は一般人にはうらやましいようなものですが、本人は何事にもあまり一生懸命ではなく、何でも思いのままにできるにもかかわらず受動的です。中年になってフィッツジェラルドに再会する頃には、置かれた環境は対照的とはいえ、同じように若さと輝きを失い、失望しています。対して、ジネヴラの妹のエヴィーは勉強熱心で、名門の女子大に通い、ふさわしい伴侶を見つけて結婚後も充実した生活を送ります。「女はかわいくておバカさんなのが最高よ」という『ギャツビー』のデイジー・ブキャナンの台詞は男性が女性に言わせたいものであって、自分がかわいくてあまり頭は良くないと自覚している女の子が、「私の人生は最高よ」とは必ずしも言えないことを、この小説は言わんとしているように思いました。
ジネヴラは自分の名前がレオナルド・ダ・ヴィンチの「ジネヴラ・ド・ヴェンチ」に由来し、「父はジネヴラの肖像画を美しいと思ったみたいだけど、私はちょっと馬っぽいと思うわ」と言っています。
ワシントン国立美術館で撮影 |
2012年10月4日木曜日
完璧な紅茶のいれかた
英国レディをご招待したので、紅茶を出すとき粗相がないようにと思い、紅茶のいれかたを調べました。
香りと味を楽しむためにはストレートで飲むのが良いと思うのですが、イギリスではミルクティーにして飲むのが一般的だそうです。日本には「ロイヤルミルクティー」なる物が存在しますが、これは和製英語で、紅茶を煮出してから牛乳を加えて温めるのはどちらかというと「チャイ」に近いいれかたのようです。欧米では普通にいれた紅茶に牛乳を加えて「ミルクティー」としているとのことです。イギリス人の紅茶にかける情熱は大変なものだとよく言われますが、「ミルクが先か、紅茶が先か」については長期にわたる論争が繰り広げられ、王立化学協会が「ミルクが先」と裁定しました。王立化学協会は「完璧な紅茶のいれかた」という記事も公表しています。
【王立化学協会・完璧な紅茶のいれかた(抄訳)】
〔材料〕
- アッサム茶葉
- 軟水
- 冷やした牛乳
- 白砂糖
- 水をやかんに入れて火にかける。ちょうど必要な分量を沸かすこと。
- 磁器のティーポットにカップ1/4杯の水を入れ、電子レンジで1分間温める。やかんのお湯が沸騰すると同時にポットがあたたまるように、時間調整をする。
- カップ1個につきティースプーン1杯の茶葉をティーポットに入れる。
- 沸騰しているお湯の入ったやかんをポットまで持っていく。茶葉にお湯を注いで蒸らす。
- 3分間、そのまま置く。
- 理想的な容器は陶磁器のマグカップか、あなたのお気に入りのマグカップ。
- カップに先にミルクを注ぎ、次に紅茶を注ぐ。ミルクティーがきれいな色になるようにする。
- 砂糖を加える。
- 熱すぎる紅茶を下品にすすることを避けるため、60~65℃で飲むようにする。
- 家の中の静かな落ち着いた、お気に入りの場所で座って飲むと良い。
- 最高の結果をもたらすには、寒く雨が降る中を重い買い物袋を下げて犬を連れて、あらかじめ少なくとも30分歩いておく。そして紅茶を飲めば「世界の外にいる」という味わいになるだろう。
- 完璧な紅茶に理想的なお供は、ジョージ・オーウェル著『パリ・ロンドン放浪記』
2012年10月1日月曜日
amazon primeのワナ
日本のamazon.co.jpには○○円以上買うと送料無料になるサービスがありますが、アメリカのamazon.comにはなく、1回の買い物にかかる送料は日本よりも高いです。そこで、年会費約80ドルを支払うとamazon primeのメンバーになることができ、一部の商品の送料は無料になります。
ただ、送料無料になるのはアマゾンから直接新品を買う場合で、アマゾンを通じて他の業者から購入する場合や、マーケットプレイスの場合、送料が別にかかることが多いです。1回の買い物で送料が4~数10ドルかかって、カッと来ているところに「プライム会員1ヶ月無料でお試しください」という広告が出ます。それで思わずクリックしそうになるのですが、注意が必要です。
アメリカの店は広すぎてどこに何が売っているかもよく分からないので、通信販売を利用する機会は日本にいるときよりも増えました。よってprimeに入ることはそれなりに意味があるとは思いますが、80ドルというのは小さいお金ではないと思います。試用期間の経過に注意していなかったり、細かい文字の説明をちゃんと読んでいなかった私も悪いですし、こんな不注意な人はあまりいないかもしれませんが、プライムは「加入しやすいように、脱退しにくいように」仕組みができているように思ったので、皆さまご注意ください。
ただ、送料無料になるのはアマゾンから直接新品を買う場合で、アマゾンを通じて他の業者から購入する場合や、マーケットプレイスの場合、送料が別にかかることが多いです。1回の買い物で送料が4~数10ドルかかって、カッと来ているところに「プライム会員1ヶ月無料でお試しください」という広告が出ます。それで思わずクリックしそうになるのですが、注意が必要です。
- 1ヶ月の無料期間を経過しても、「お試し期間が過ぎました、継続するなら意思表示をしてください」という通知が来ません。もしくは、そういう通知は来ていたのかもしれませんが、アマゾンからの他のたくさんの広告や、お知らせメールに紛れて見落としがちです。
- プライム会員の年会費は上記のお試し期間を過ぎると自動的にクレジットカードから引き落とされます。さらに、1年経過すると契約が自動更新され、また年会費80ドルを支払う(支払わされる)はめになります。プライム会員契約を自動更新したくない場合は、そのための手続きが必要です。手続きはオンラインでできますが、細かい文字で分かりにくい所に書いてあって自動更新の取り消しがやりにくいようになっています。
- プライム会員権は、人数制限はあるものの、家族で共有できます。夫婦で別アカウントから買い物をする場合でも同じ会員権で送料無料にできるので、一家で年間160ドル以上支払うのはアマゾンさんの利益になるだけです。
アメリカの店は広すぎてどこに何が売っているかもよく分からないので、通信販売を利用する機会は日本にいるときよりも増えました。よってprimeに入ることはそれなりに意味があるとは思いますが、80ドルというのは小さいお金ではないと思います。試用期間の経過に注意していなかったり、細かい文字の説明をちゃんと読んでいなかった私も悪いですし、こんな不注意な人はあまりいないかもしれませんが、プライムは「加入しやすいように、脱退しにくいように」仕組みができているように思ったので、皆さまご注意ください。
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