【基本情報】
The Tales of Hoffmann, 1952,UK
Directed by Michael Powell, Emeric Pressburger
Main cast Moira Shearer, Robert Helpman
日本語タイトル『ホフマン物語』
【ストーリー】
詩人、ホフマンが語る若き日の恋。ホフマンは人形、ヴェニスの高級娼婦、結核にかかった歌姫に恋をする。
【コメント】
E.T.A.ホフマンの小説をもとにしたオッフェンバックのオペラ、『ホフマン物語』の映画化作品です。
台詞はすべて歌で、モイラ・シアラーのバレエも見どころです。
オペラはどちらかというと苦手なので、途中延々と歌っているシーンでは寝そうになりましたが、ダンスと美術が良いです。同じパウエル監督のバレエ映画、『赤い靴』に似た雰囲気です。ステージに描かれた螺旋階段を駆け下りたり、操り人形のダンスパーティをしたり、ロウの塊を宝石に変えたりするなどの演出が幻想的かつ人工的です。第一話の「オリンピア」のマッドサイエンティスト風の博士の実験装置や、博士が怒って自作の人形を破壊し、モイラ・シアラーからバネが飛び出してもぎ取られた頭が目をパチパチしているシーンはキッチュな魅力があります。第三話で歌姫が死んでお母さんの元へ行く場面も空間の使い方が印象的です。セロハンや、合成繊維の薄い布地やお祭りの縁日のように少し薄っぺらくて明るいところで見ると幻滅してしまうのに、演出によって独特の雰囲気が出るもののようなおもしろさがあります。
しかしストーリーよりは映像の奇抜さで見せている映画なので、2時間は長すぎるように思いました。いずれ削除される可能性はあるものの、こちらから全編見られます。
ホフマンは『黄金の壷』しか読んだことがありませんが、映画を見て興味が沸きました。まだまだドイツ語原文で読むというわけには行きませんが、ホフマンの小説を読んでみたいと思いました。
0 件のコメント:
コメントを投稿