欧米だと、夏至の日は夏の始まりのお祭りであるようですが、日本での夏至の日は、梅雨たけなわで、天気が悪いことが多く、日が長いことのありがたみがよく分かりません。今年の夏至の日は珍しく晴れて、たまたま休暇中でもあったので、仕事に行く夫を横目に、鎌倉へ行きました。
雨季に咲くアジサイの花は、降りつづく雨にけむって、その紫や青や紅が空気の中にしっとり薄く溶け出すような、なんとなく泉鏡花的な幻想に私たちを誘いこむ。かつては庭木として珍重されず、せいぜい貧乏寺の境内とか、あるいは背戸なんかに植えられていて、だれからも顧みられなかった。明月院で脚光を浴びているアジサイを見ると、私はタレントに出世した少女を見るような、へんな違和感をおぼえる。(澁澤龍彦『フローラ逍遥』、平凡社、1996年)
海蔵寺は、初参拝でした。井戸のあるお寺です。浄智寺からの道中は切通しがあって、散策が楽しいです。街並みも落ち着いていて情緒があります。勤務地から遠いにも拘らず、鎌倉に住みたい、という人が一定数いるのも分かります。
私は、観光地では食事は重視せずに、とにかく色々見て回りたい派です。夫がシラス丼を食べたいと言っていたので、抜け駆けするのは悪いと思い、小町通りで大福を1個買って、店の前で食べました。歩き食べなど、夫はさせてくれないからでした。粉だらけになるし、1日歩いて大福1個では足りないし、行儀の悪さが気になるし、何も良いことはありませんでした。やはり、夫に止められるようなことは、たとえ一人でもむやみとすべきではないと思いました。うさちゃんのお店(鎌倉五郎)の抹茶饅頭をお土産にしました。お饅頭類の中でこれが一番好きです。
江ノ電で七里ガ浜まで行きました。制服のまま、海辺ではしゃいでいる女子高生数人がいて、羨ましく思いました。
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