2015年5月10日日曜日
驚異の青い棚 7.野鳥の卵ではない
卵型というのは魅力的な形だと思います。茹でれば転がらず、立ちますし、卵に合わない食材はないほど汎用的で使いやすい点も良いです(?)。ヴンダーカンマー系のアンティークショップが販売している、野鳥の卵標本セットの写真を見て、すてきだなと思っていましたが、アンティークとなるとなかなかお値段が張ります。本物の鳥の卵の殻だと、保管も難しいので、木製の卵(アメリカで買うと安い)をアクリル絵の具で塗りました。さまざまな大きさのを作って、色とりどりの卵セットにしたいと思い、紙粘土を買ってきて作ったら、乾かしたのが湿気の多い時期だったためか、表面が波打ち、卵を作ったつもりがジャガイモになってしまったので、ダメでした。
ヴンダーカンマー好きは、高確率で工作や手芸が上手で、販売されていなかったり、アンティークで希少性が高く、高価な場合は、欲しいものを自分で作る、という人が多くいらっしゃるように見受けます。私は工作などはあまりやらないので、それを見て、すごい!と思いつつ、自分でやってみようとは思わないのですが、卵なら、小学生でもできます。彩色はインターネットで野鳥の卵の画像を検索して、真似してみましたが、鶏卵とウズラ卵の中間くらいの大きさで、このような色合いの卵が実在するのか、するとすればどんな鳥なのかは分かりません。
子供の頃に、母が「これはよそ行きのハンカチよ」と言って、見せてくれたのは、黒い地に、色とりどりの野鳥の卵がプリントされているものでした。卵といえば、白か茶色の鶏卵しか見たことがなかったので、本当にこんな色の卵あるの、と言ったら、「野鳥の卵は鶏の卵よりも小さくて、いろいろな色があるのよ」とイーディス・ホールデンの『カントリー・ダイアリー』を見せてくれました。私も小さな水色の卵を欲しいと思いましたが、簡単には見つけられないので、母は代わりに、ドイツ製の刺繍のあるハンカチと、スワトウ刺繍のハンカチをくれました。引き出しを一つもらったので、その中に、きれいなハンカチをしまった時々眺めていました。その時から収集癖があったようです。手を拭くとき使うのは、タオルハンカチばかりですが、そんな経緯できれいなハンカチを見ると、つい買ってしまいます。自分の結婚式の引き出物もアイリッシュリネンのハンカチにしました。
また、アメリカにいたとき、古い野鳥の卵図鑑の1ページと思われるリトグラフを買いました。額装は誂えると高いので、幻像屋さんで販売されている安価なフレームに収めました。卵の淡い色合いが気に入っています。
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