ゴージャスなバスローブのような珍しい服を着ています。こういった装飾の少ない、白い衣服は昔は部屋着として着用され、部屋着で人前に出ることはあまりなかったと言いますから、モデルがなぜあえてこの服装で肖像画を描かせたのか、気になります。フランス革命よりも前の頃に流行した「髪粉」を髪にかけているために白髪のように見えるのだと思います。
モーリス・ドニです。ドニはいろいろな絵をかき、人物は目鼻が描かれている場合といない場合があり、細部の描写がされている場合と省略されている場合がありますがどの作品にもドニらしさがあります。キリスト教的な主題が超現実的な雰囲気で描かれているところが好きです。
サージェントの肖像画はドラマチックな感じがします。描かれた人々がそれぞれ別の方向を見ていることが多いです。顔の部分と衣装、背景でそれぞれに筆致が異なり、顔は精巧に描かれているのに、衣装は素早い筆で、質感がよく分かります。衣装と背景のコントラストもダイナミックな効果を上げています。実物は縦長の大きな作品です。セシル・ビートンはこの作品をもとに、写真を撮影しました。
右の婦人は顔立ちももとの肖像画に似ているように思います。
写真の撮り方がまずいわけではなく、顔の部分に光が当たっている絵でした。
ボストン美術館の花嫁さん。少し寂しげな表情です。
ご紹介したのはごく一部ですが、美術館には白衣の女性の絵がたくさんあります。白い服を着ているのは若くて清楚な感じの女性が多いように思います。ウィルキー・コリンズの小説、『白衣の女』は以前途中まで読んで長くて挫折しました。小説は最初の方に白衣の女が登場します。小説では謎めいた登場人物で、美術館でそのイメージに合うような絵を見たことはまだありません。
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