2011年12月21日水曜日

『六つのルンペルシュティルツキン物語』

【題材】
「ルンペルシュティルツヘン」グリム童話

【あらすじ】
父親が「私の娘は藁を金に紡ぐことができます」と言ったがために、王様に、三晩藁を金に紡ぐように命じられた娘の物語。その不可能な仕事をしてくれるという小人が現れ、娘を救う。しかし、金を紡ぐ仕事の代償として三晩めに小人が娘に求めたのは「初めに生まれた子供を自分にくれ」というものだった。ただ、一定期間内に自分の名前を当てることができたら勘弁してやると小人は言う。「ルンペルシュティルツヘン」という名前を当てることができたので小人は悔しがって自らの身を真っ二つに引き裂いた。

…というグリム童話の話ですが、「父親がマヌケすぎる」、「『わらを金に紡がないなら死刑』」と言う強欲で残虐な王様と結婚してヒロインは幸せになれるのか」、「ルンペルシュティルツヘン気の毒すぎ」と考えた作者が、これを題材に6通りのバリエーションを語ります。

話の骨格は変えずに、ルンペルシュティルツキンが女だったり、エルフだったり、父親だったり、そして娘の方も賢かったり、美しかったりするかと思えば傲慢で愚かな娘もあります。

【感想】
一つの話を6通りに語るという構成が面白いです。ひねりと皮肉がきいていて、どの話も元の話の問題点を解消していて小気味が良く、説得力があります。私は「藁を金に」がロマンチックで好きです。

【評価】
★★★★☆

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