【『日蔭者ジュード』あらすじ】読んでいるだけでウツになりそうな、陰惨な小説でした。就職したばかりの頃に読み、将来に希望が持てなくなりました。バラに女優や小説のヒロインの名前を付けることはよくあるみたいですが、こんな陰々滅滅とした小説から名前をとるなんて珍しいことです。このバラを作って、家に遊びに来たお客さんに「この花の名前の由来は…」と蘊蓄を傾けるのはちょっと楽しいのかもしれませんが。
ジュード・フォーレーは田舎生まれの貧しい孤児だが、神学を志し、クライストチャーチ(オックスフォード大学がモデル)で学ぶことを夢見る。現実的なアラベラと結婚するが、うまくゆかず離婚。アラベラはオーストラリアに渡り、ジュードは既婚の従妹、スーと同棲する。二人の間に子供も生まれ、ジュードは石工として生計を立てるが、貧乏から抜け出すことはできない。アラベラに子供を押しつけられ、養育するがその子はジュードとスーの間にできた子供たちを殺害したうえで自殺する。スーは夫の元に戻り、ジュードは失意のうちに死ぬ。
ところで「菊を丹精する」のは御隠居さん、「バラを丹精する」のは若奥さんというイメージがあります。菊は欧米では日本ほどポピュラーではないのかと思っていたのですが、この時期はガーデン・ショップに出かけると必ず菊とカボチャが売っています。
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