新国立美術館の「ウィーン・モダン」展へ行きました。ゴールデンウィークのためか、寒い、雨の日でも混雑していました。
見どころ① オットー・ヴァーグナー
オットー・ヴァーグナーの、端正な建築物のスケッチ多数、それに模型も展示されているのが良かったです。ヴァーグナーのスケッチの、excelで描いたような整然とした美しさは、比類のないものだと思います。こういうのを見ると、私も理系の頭があれば、建築をやりたかった、と思います。ラファエル前派展や、ギュスターヴ・モローを見て、家に持って帰りたいと思うことはないですが、ヴァーグナーは自宅に一点あったらステキだな、と思っています。
見どころ② クリムトの初期作品
クリムトは、初期作品が神経質な感じで、繊細で、お気に入りです。ベルギーのフェルナン・クノップフにも通じるものがある気がしています。後年の、金色を多用した重厚な油彩画はクノップフとは程遠いのに、初期の作品に類似するところがあるのは不思議です。今回は、油彩画の大作はエミーリエ・フレーゲのみで、これを以て展覧会のタイトルに「クリムト」と銘打つのは無理があるように思いますが、初期作品を10点、素描を40点弱、見ることができたので、満足しました。油彩画は、東京と美術館の展覧会に期待したいと思います。
19世紀末
20世紀末、という言葉からは何もイメージできませんが、19世紀末は、確固とした色とりどりなイメージがあります。唯美主義、象徴主義、分離派、ユーゲントシュティール、マーラー、クリムト、ハンス・マカルト、クノップフ、オスカー・ワイルド、ファム・ファタール、ビアズリー等々は、雑多な羅列にすぎません。1つ1つを見ると、クセが強くて奥が深すぎて眩暈がしそうに感じます。それでも、 「19世紀末」のイメージは、魅惑的で、多彩で金色で、強く惹かれます。ウィーンに行けば、さぞかし濃い、19世紀末的な世界が見られるのだろう、と思っていました。ウィーンは美しい街ですが、「濃い、19世紀末的な何か」が見られるわけもなく、期待が大きすぎたと思いました。本展は、「ウィーン」、「世紀末」に期待する諸々が視覚化されていて、とても良いと思いました。
デメル
新国立美術館は、混雑必至のため、前売り券を買って行きました。デメルのチョコレートケーキの特典付きにしました。クリムトの、「エミーリエ・フレーゲの肖像」から翻案した、紫がかかった濃紺の地に、金色で装飾した限定パッケージが美しいと思ったからでした。でも、展覧会のタイトルは、英語ではなく、ドイツ語にした方が良いと思いました。少し調べると、箱代をかなり取られていますが、その価値のあるものだと思います。チョコレートケーキはおいしかったです。箱には、「金」つながりで、所有している僅かなアクセサリーを収納します。
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