With these words he strolled out of the cornfield, gathered a harebell, rang it so loudly in the ear of a passing rabbit that it is said never to have stopped running till it found itself in France, (Eleanor Farjeon, Martin Pippin in the Apple Orchard)
He carried it to a pool in the middle of the jungle, and laid the heart inside a blue lotus-flower that grew in the middle of the pool. (Eleanor Farjeon, The Old Nurse's Stocking Basket)ルドゥーテは18~19世紀のベルギー出身の画家で、「バラの画家」として有名です。日本でも人気があり、展覧会が時折開催され、いろいろなグッズも販売されているようです。
とはいえ、私はルドゥーテのバラにはそこまで興味がありませんでした。バラは華やかで美しく、私にはもったいない気がしました。でもルドゥーテはバラ以外にも植物画を描いています。20世紀に販売されていた本のページをばらして、ネットオークションで1枚数ドルという価格で出品されています。2枚買ったので、そのうち額装して壁に飾ろうと思います。
華やかで重厚な花の絵が多いルドゥーテですが、イトシャジンは色数も少なく、可憐です。英名はharebell「野ウサギの鈴」と言います。日本ではあまり見ない花ですが、ヨーロッパの映画で時々見ます。詩人、キーツの生涯に取材した『ブライト・スター』で一面のイトシャジンのシーンがあったのが印象的です。キーツは病弱で短命だったので悲しい内容でしたが、絵のようなきれいな風景が満載の映画でした。
もう一枚は珍しい青いスイレンです。朝9時に開花し、夕方に閉じるそうです。エジプト神話における重要な花で、霊的な儀式に用いられました。現在ではお茶やワイン、香料の製造に使われているそうです。青いスイレンには鎮静作用があり、ホメロスの『オデュッセイア』に登場する「ロトスの実」はこの青いスイレンの実だった可能性があるそうです。「ハスなのか、スイレンなのか?」については、葉に切れ込みがあるところからおそらく「スイレン」ではないかと思うのですが、スイレンは果托(蜂の巣状でハスの実が入っている)ができないところ、Wikipediaには実を食べる旨の記述があります。また、日本語Wikipediaでは「スイレン属」として分類されているものの、英語名はblue lotusなので結局どちらなのかよく分かりません。
分類はさておき、スイレンは夏に池や鉢に浮かんでいると涼しげです。真っ赤な金魚が時々葉の間からチラッと見えたりするとさらに良いです。摘んできて飾る花ではないので、家の中に所有しようと思うと造花か、描かれた花しかないのだと思います。いつも少し遠くから眺める「手の届かない花」もなかなか良いと思います。
イギリスの児童文学作家、エリナー・ファージョンを愛読しています。ファージョンの物語はイギリスらしくたくさんの花に彩られています。イトシャジンは『リンゴ畑のマーティン・ピピン』に、青いスイレンは『年とったばあやのお話かご』に登場します。
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