2018年11月24日土曜日

前田侯爵邸、エスペリオンXXI


前田侯爵邸

11月の外出は、ジョルディ・サヴァールの古楽アンサンブル、エスペリオンXXIのコンサートと、前田侯爵邸でした。東京にはたくさんの洋館があり、全部行ってみたいものです。前田侯爵邸は、とりわけ豪華で、こんなものがこんな所に!と驚きました。無料で見学できるので、大学の近くに前田侯爵邸がある人は、空きコマなどにしょっちゅう行った方が良いと思います。しかし、どうにもカメラの調子が悪かったようで、アップロードできるような写真がありませんでした。


カーテンがウィリアム・モリスの「いちご泥棒」で、持っていた鞄とお揃いでした。カーテンの生地は、単なるプリントではなく、ゴブラン織/ジャカード織(私には違いが分かりません)なのもゴージャスです。自宅を前田侯爵邸のようにすることは絶対に不可能ですが、モリスのカーテンであれば、すごく頑張れば買えないこともありません。将来、家を建てたらモリスのカーテンをかけることを目標にしたいと思います。

エスペリオンXXI

高校生の頃は、受験勉強をしながら、アンドルー・ローレンス・キングさんのハープ独奏をよくBGMにしていました。模試を受けても判定が悪く、受験勉強には、不安と焦りしかなかったのですが、ハープ独奏は落ち着いた音色で、気分も穏やかになるように思いました。

転職して、「仕事が緻密で迅速」と言って頂くことがあり、もったいないことです。もちろん、それが自分の実力であるはずもなく、半分はそう言って下さる方の親切で、半分はジョルディ・サヴァールさんのお蔭です。早出、残業する時は、いつも、サヴァールさんの16世紀頃の古楽を聴きながらやります(通常の業務時間中は、音楽など聴きません。念のため)。そうすると、魔法の音楽のように効果てきめんで、面倒な作業を特に嫌だとも思わず、とても楽しく、イヤガラセのように細かく記載した書面を、短時間で仕上げることになります。そのため、今回のコンサートのことを知ると、すぐにチケットを買いました。いつも録音を聴いて、刺激を受けている音楽をライブで聴き、演奏者のご尊顔を拝することができたので、ほとんど感涙にむせびそうになりました。古楽というのは、堅苦しくなく、とても楽しい音楽だと思っています。コンサートのプログラムには、複数のCDに入っている、特に好きな曲が全部入っていたのもうれしいことでした。録音を聴いても分かりませんでしたが、アンサンブルのメンバーの所作に、他のメンバーや観客への配慮と敬意が込められているように思いました。夫に、受験勉強の時と、時間外勤務の時に聴いているんですよ、と言ったら、「なんでそんなにステキな生活をしてるんですか」と言われました。

2018年11月3日土曜日

八景島シーパラダイス

休日に行くと混雑必至なので、平日に行こうと狙っている観光地がいくつかあります。八景島シーパラダイスもその一つでした。文化の日の振替休日に行きました。シーパラダイスは、遊園地など別のアトラクションも併設しています。


メリーゴーランドは数人を乗せて回っていました。わびしい風情ですが、寂れた遊園地は結構好きです。高校生男子がキャッキャしながら乗っていました。メリーゴーランドの音楽はなぜ悲しいのでしょうか。



シロクマや、アシカなどの大きな海獣もいますが、どう考えても水槽が狭過ぎて気の毒です。私は、カラフルな熱帯魚とクラゲが好きです。梅干し飴のようなベニクラゲは、不老不死らしいです。ペンギンについて、夫が「見事な流線型やな。背中に空気入れとるんやな」と言ったので、飼育係が、毎朝ペンギンに空気を入れるところを想像しました。



 Wikipediaによれば、日本は一人当たりの水族館数が世界一の、水族館大国だそうです。「水族館大国」などという概念があったのか、という感じです。シーパラは、規模でいうなら7,8位のようです。水族館ブログを読むと、イルカなどのショーに特徴があるそうですが、ショーはそこまで興味がありません。大水槽は、サメ、マンタ、イワシの大群がメインで、色のある生物がほとんどおらず、地味過ぎるのが残念です。なんかホース見えているし。話のタネとしては良いですが、私はえのすいの方が好みです。

せっかくの水族館大国であるなら、その恩恵を十分に享受したいと思いました。日頃、蛍光灯とディスプレイの光を浴びて、この灯りはまぶしすぎる、という自覚は特にないものの、水族館に行って、薄暗い青い光の中、銀色の魚を眺めていると、定期的にこの空間に身を置きたいな、と思います。水族館の1回当たりの入館料は安くはありませんが、どこの水族館も、2回分の入館料で年間パスが買えるので、通勤路にある水族館の年間パスを買ってみようかと思います。夜も22時まで開館しているので、仕事帰りにも寄ることができますし、その時間帯であれば多少は静かかもしれません。

2018年10月21日日曜日

カール・ラーション展@損保ジャパン美術館



損保ジャパン美術館で開催中(12月24日まで)の「カール・ラーション展」に行きました。スウェーデンの画家で、日本でも書籍が複数販売され、その愛らしさから、人気のある画家だと思います。作品の中心である水彩画は、色彩が澄んでいて鮮やかで、北欧の冷たい空気を感じさせます。家族をテーマにした作品が多いです。ラーションは8人の子供がいて、どの子もかわいいです。

カール・ラーション夫人は、画家志望のカリンで、結婚後は、自分や子供たちの服、自宅のタペストリー、テーブルクロス、クッションカバー等のテキスタイルをデザイン・製作しました。展覧会には、服やテキスタイルの展示もありました。オリジナルは、布が経年劣化しているため、カール・ラーション記念館のスタッフや、ラーションの子孫が復刻版を製作し、それが展示されています。

本のイラストや、ラーションの家で使用していた家具・布の展示が多く、水彩画がもっとあると良かったのに、とは思いましたが、ラーションの暮らしぶりをイメージさせる展示ではありました。ラーションは、工場で大量生産される家具調度を嫌い、自宅の改装を自ら手掛け、日常生活に美しい手仕事を取り入れました。ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツに通じるのだろうと思います。ジェーン・モリスも、カリン・ラーションのように、夫の絵画のモデルを務め、タペストリーの製作も行いました。ラーションはスウェーデンのウィリアム・モリスなのかと思いましたが、モリスは生まれが裕福で、ラーションは貧しい出自だったそうで、そのせいかどうかは分かりませんが、モリスは重厚、ラーションはもっと軽やかで簡素です。しかし、幸福感にあふれていて、明るい感じがあります。

また、彼の絵は、どうにもSNSを思わせるものがあります。例えば「うちの妻、タペストリー作った。めっちゃ器用」とか、「DIYの家♡」とか、「家族でザリガニパーティした。たくさん釣った」というようなコメントを付け、投稿する度に10万くらい「いいね!」が付くイメージです。

ラーションは、大量生産のものを嫌ったにもかかわらず、展覧会の終わりには、安価な大量生産の代表格のようなイケアの家具が、「イケアの家具もラーションのデザインの影響を受けています」と展示されているのがちょっと可笑しかったです。

2018年10月14日日曜日

マシュー・ボーンの『シンデレラ』


夫と1ヶ月に1回、展覧会、コンサート、遊覧船等々、何かしらイベントに出かける、と約束をしていて、10月はマシュー・ボーンのバレエ『シンデレラ』を観に行きました。バレエは、10年以上前にボリショイ劇場で『白鳥の湖』を観たことがあり、自分はバレエにはそこまで興味ないかも、と思っていたのですが、上記リンクの予告編を見て、ステキだなと思って、出かけました。本物は、予告編の100倍くらい、すばらしいものでした。

マシュー・ボーンはバレエではなく、コンテンポラリー・ダンスの振付家のようです。舞台は、1940年のロンドンで、空襲のシーンもあります。シンデレラは眼鏡っ娘で、王子様はPTSDにかかった軍用機のパイロットです。フェアリーは、白い光るタキシードを着た、銀髪の天使です(ダンサーは男性ですが、中性的な感じです。英語のfairyには同性愛者という意味がありますから、このような解釈は、やはり、さもありなん、という気がします)。ストーリーにも変更が加えられていて、シンデレラは王子様の開催するダンスパーティに行くのではなく、空襲で負傷し、発見されて病院に運ばれるまでの間に、ダンスホールで踊る夢を見ます。

プロコフィエフの音楽が、第二次世界大戦中のロンドンに変更された舞台に合っていて、飛行機や爆撃、サイレンの音などの効果音とマッチしていて、驚きました。バレエ音楽は『ロミオとジュリエット』が中学校以来のお気に入りですが、『シンデレラ』も前衛的でクールな音楽だと思います。

音楽だけでなく、ダンス、舞台装置、照明、衣装等、ステージ上のすべてが行き届いていて非の打ち所がなく、美しく、楽しく、ユーモラスでもあれば、残酷さや悲哀を感じさせる部分もあります。こんな経験、人生でそうそうできるものではないと思います。地味なヒロインのシンデレラは、現実にはお姫様になるわけではなく、地味なまま、幸せを掴むところも現代的で好感度高いです。

観客は女性が多いと思いました。母が「男の人は、なかなかバレエなんて来てくれないものよ」と言っていましたが、夫はたいそう気に入って、「めっちゃええやん。今度はお母さんも誘って、3人で行こうよ」という話になりました。

2018年9月10日月曜日

大きな書庫

日暮れて途遠し

人生の折り返し地点

高齢者が亡くなって、遺品整理をしたとか、老人ホームに入るための荷物の整理をした、という話を続けて聞きました。元の持ち主たちは、私よりはかなり年上ですが、そろそろ人生も折り返し地点ですし、物を片付けるのに早すぎることはないと思っています。とはいえ、一度に「断捨離」しようとすると、必要なものまで捨ててしまいそうなので、徐々に処分することにします。

自分の持ち物の中で、なくても日常生活に支障を来さず、大量にあるものといえば本なので、まずは本の処分を試みました。数年前から断続的に処分し、それなりに減ってはきたものの、まだ整理する余地があります。実家に置いていた分と、自宅に置いている分、各1箱を処分しました。蔵書数は、最もたくさん所有していた頃の半分くらいになりました。

図書館活用

もったいないなと思いつつ、減らしたのですから、今後は是非とも手元に置きたい画集、写真集及び入手困難な本以外はなるべく買わないようにします。だからといって、他にあまり趣味がないのに、読書をやめるつもりはないので、以下の通りとします。
  1. 1回/週、図書館に行く…電車の乗換駅に図書館が直結しています。電車は、いつも接続が悪いので、朝、ブックポストに返却し、帰りに予約しておいた本を借りることにします。図書館で本を物色するのはもちろん楽しいですが、帰宅途中にそんなことをして図書館で30分、1時間も油を売るわけには行かないので、借りる本は全て予約します。返却&ピックアップで、せいぜい1本電車を逃すくらいです。毎週図書館に通うということは、大きな書庫を持っているようなものです。転職して通勤ルートが変わったことで、電車の中で寝るという、人生の至福が失われましたが、書庫を手に入れたことは良かったです。
  2. 1回3冊借りる…読書傾向が偏らないよう、①文学、②娯楽、③ノンフィクションを1冊ずつ借ります。本棚を見ながらだと、あれもこれも借りたくなり、ジャンルが偏りがちになり、欲張って借りて、結局読めないまま返却するという事態が起こりやすくなります。3冊予約することで、その事態を予防します。英文学が好きで、そればかり読んでいましたが、研究者になるわけでもなく、幅広く読んでいる方が視野が広がる気がして、最近は乱読を目指しています。
  3. 洋書はKindleで読む…そうはいっても、英文学はいつも読んでいたいです。仕事は英文契約の審査が大半を占めるため、英文に耐性を付けておかなくてはなりません。幸い、Kindleで読める英語の本はかなり充実しているので、英文学は原則として英語で、Kindleで読むことにします。英文はそんなに早く読めませんので、買って読んだらお金がもったいない、ということもないでしょう。
  4. とりあえず100頁は読む…どうかな、と思う本でも100頁は読むことにします。100頁読んで、つまらなかったら諦めます。我慢して、300頁ほども読んでから、どうもダメだ、というのはきっと時間のムダです。どんなに世間の評価が高かろうと、自分には合わない本というのはあるし、評価が高い作品の良さを自分が理解できないからといって、自分がオカシイとか思う必要はないのだと思います。
  5. 教科書は中古で買う…そして、遠慮なくどんどん書き込んで、単位が取れたら処分します。自分が勉強した教科書は愛着が湧くものですが、仕事に使わない限り、読み返すことはほぼありません。
  6. 好きな本100冊は手元に置いておく…本の処分を推奨するのは夫ですが、私が「この本は気に入ったので、手元に置きたいです」と言ったら、「あなたの好きな本、100冊は取っておいたらええよ。もっと好きな本を読んだら入れ替えたらええやん」と言われました。画集・写真集、勉強用の教科書・事典類の他に100冊手元に置ける、ということなら妥当な数だと思います。手元に置いて、時々読み返したい本はきっと100冊程度だと思います。
上記の方針によって読書していれば、紙の本はほとんど増えることはない(はず)です。幅広く読むことで、ムダに雑学を積むこともできるかもしれません。借りた本を居間に置いていると、夫が「この本はわしも読むわ」と言うことがあり、一緒に読んだ本について議論するようになりました。英文学ばかり読んでいたのでは、きっとこういうことは起こらなかったので、生命科学や心理学などの本も少しずつ読むようにして良かったと思いました。