2018年9月10日月曜日

大きな書庫

日暮れて途遠し

人生の折り返し地点

高齢者が亡くなって、遺品整理をしたとか、老人ホームに入るための荷物の整理をした、という話を続けて聞きました。元の持ち主たちは、私よりはかなり年上ですが、そろそろ人生も折り返し地点ですし、物を片付けるのに早すぎることはないと思っています。とはいえ、一度に「断捨離」しようとすると、必要なものまで捨ててしまいそうなので、徐々に処分することにします。

自分の持ち物の中で、なくても日常生活に支障を来さず、大量にあるものといえば本なので、まずは本の処分を試みました。数年前から断続的に処分し、それなりに減ってはきたものの、まだ整理する余地があります。実家に置いていた分と、自宅に置いている分、各1箱を処分しました。蔵書数は、最もたくさん所有していた頃の半分くらいになりました。

図書館活用

もったいないなと思いつつ、減らしたのですから、今後は是非とも手元に置きたい画集、写真集及び入手困難な本以外はなるべく買わないようにします。だからといって、他にあまり趣味がないのに、読書をやめるつもりはないので、以下の通りとします。
  1. 1回/週、図書館に行く…電車の乗換駅に図書館が直結しています。電車は、いつも接続が悪いので、朝、ブックポストに返却し、帰りに予約しておいた本を借りることにします。図書館で本を物色するのはもちろん楽しいですが、帰宅途中にそんなことをして図書館で30分、1時間も油を売るわけには行かないので、借りる本は全て予約します。返却&ピックアップで、せいぜい1本電車を逃すくらいです。毎週図書館に通うということは、大きな書庫を持っているようなものです。転職して通勤ルートが変わったことで、電車の中で寝るという、人生の至福が失われましたが、書庫を手に入れたことは良かったです。
  2. 1回3冊借りる…読書傾向が偏らないよう、①文学、②娯楽、③ノンフィクションを1冊ずつ借ります。本棚を見ながらだと、あれもこれも借りたくなり、ジャンルが偏りがちになり、欲張って借りて、結局読めないまま返却するという事態が起こりやすくなります。3冊予約することで、その事態を予防します。英文学が好きで、そればかり読んでいましたが、研究者になるわけでもなく、幅広く読んでいる方が視野が広がる気がして、最近は乱読を目指しています。
  3. 洋書はKindleで読む…そうはいっても、英文学はいつも読んでいたいです。仕事は英文契約の審査が大半を占めるため、英文に耐性を付けておかなくてはなりません。幸い、Kindleで読める英語の本はかなり充実しているので、英文学は原則として英語で、Kindleで読むことにします。英文はそんなに早く読めませんので、買って読んだらお金がもったいない、ということもないでしょう。
  4. とりあえず100頁は読む…どうかな、と思う本でも100頁は読むことにします。100頁読んで、つまらなかったら諦めます。我慢して、300頁ほども読んでから、どうもダメだ、というのはきっと時間のムダです。どんなに世間の評価が高かろうと、自分には合わない本というのはあるし、評価が高い作品の良さを自分が理解できないからといって、自分がオカシイとか思う必要はないのだと思います。
  5. 教科書は中古で買う…そして、遠慮なくどんどん書き込んで、単位が取れたら処分します。自分が勉強した教科書は愛着が湧くものですが、仕事に使わない限り、読み返すことはほぼありません。
  6. 好きな本100冊は手元に置いておく…本の処分を推奨するのは夫ですが、私が「この本は気に入ったので、手元に置きたいです」と言ったら、「あなたの好きな本、100冊は取っておいたらええよ。もっと好きな本を読んだら入れ替えたらええやん」と言われました。画集・写真集、勉強用の教科書・事典類の他に100冊手元に置ける、ということなら妥当な数だと思います。手元に置いて、時々読み返したい本はきっと100冊程度だと思います。
上記の方針によって読書していれば、紙の本はほとんど増えることはない(はず)です。幅広く読むことで、ムダに雑学を積むこともできるかもしれません。借りた本を居間に置いていると、夫が「この本はわしも読むわ」と言うことがあり、一緒に読んだ本について議論するようになりました。英文学ばかり読んでいたのでは、きっとこういうことは起こらなかったので、生命科学や心理学などの本も少しずつ読むようにして良かったと思いました。

2018年8月18日土曜日

国立博物館、鏡花人形

弥生美術館で開催中の、泉鏡花の人形展に出かけようと思いましたが、自宅から往復3時間かかるところ、それだけではもったいないので、国立博物館にも行きました。所定の大学の学生は、入館料が無料になります(国立美術館キャンパスメンバーズ)



外国人観光客が多かったです。また、夏休み中で混雑していました。館内のソファで居眠り中の人も多いです。暑い日でしたから、混雑しすぎない限り、美術品に囲まれて微睡むのもありかなと思いました。仏像とかそこまで興味ない、と思っていたのですが、仏像は全体の10%くらいだと思います。動物の意匠に面白いものがありますし、建物もきれいでした。私はこういうものには興味がない、と決めてかかってはダメだと思いました。



国立博物館から、歩いて弥生美術館まで行きました。徒歩20分くらいですが、炎天下に歩くには厳しい距離です。一番暑い時期を選んでやることではないと思いました。

弥生美術館の人形展は「文豪・泉鏡花×球体関節人形」です。ドール趣味の存在は知っていても、自分で所有したいとか、わざわざ見に出かけたいと思ったことはなかったのですが、鏡花の浮世離れした世界には、人形という表現が似合っていると思います。現役の作家の作品で、画像をインターネット上で検索することは容易ではなく、出版物もふんだんにあるわけではありませんので、実物を見る機会があって良かったと思いました。生身の人間にはない冷たい妖艶さを感じました。特に、吉田良氏の『高野聖』をテーマにした人形が、生きているようで、死んでいるようでもあり、美しく、毒があって、惹かれます。こういうのは、やはり平面ではなく、3Dで見るのが一番だと思います。夫に写真を見せたら「怖いね」と言っていました。私も、美術館で見る分には良いのですが、図録(下記リンク)を家に置いておくのはちょっと怖いので、購入は見送りました。

2018年8月17日金曜日

横浜ナイトクルーズ



先月、日本郵船の博物館へ行った際に、引退した客船・病院船の氷川丸の展示に行く時間がなかったため、出直しました。2016年に重要文化財に登録されています。


アールデコ調の内装です。食堂、子供部屋、社交室、喫煙室(ただし、現在は禁煙)、デッキ、読書室、ボイラー室等々があり、多彩な内容です。郵船博物館へ行くと、チケット売り場で氷川丸はどうしますか、と尋ねられるので、郵船博物館のオマケ的なものなのか、と思っていましたが、充実した展示で、1時間くらいかけて見学します。

3等客室は、8人1室でとても狭いですが、1等も、ステンドグラスやソファがあってゴージャスとはいえ、寝台は狭いです。それでも、船上で寝るのは一度はやってみたいです。

乗船して、漕ぎ出してみたいと思うのですが、氷川丸に乗って13日間かけて、シアトルまで行くわけには行きません。横浜の夜景クルーズをやってみました。シーバスで。

神戸や、ボストンで遊覧船に乗ったのは、いずれも昼でした。晴れた日に、海の上から見る景色は格別ですが、35度の炎天下で、船に乗ったら暑すぎます。夜の観覧車も、インターコンチネンタルも、時々すれ違う別の船も、ライトアップされた橋も良かったです。ただ、ガイドは余計だと思いました。主催者は良かれと思ってしているのかもしれませんが、静かに夜景を楽しみたいです。


夫が、誕生日に欲しい物を買ってあげるよ、と言ったのですが、物を増やすのは本意ではないため、船旅に連れて行ってもらいました。記念日はモノではなく、イベントが良いと思いました。


2018年7月15日日曜日

バロック・コンサート



音楽は、バロックを好んで聴くのですが、コンサートは古典派~近代のオーケストラ曲を聴きに行くことがほとんどで、バロックのコンサートにはあまり行ったことがありませんでした。偶然、試聴して良いな、と思っていた「セコンダ・プラティカ」のコンサートがあったので、行きました。

横浜のみなとみらいホールでの開催でした。東京・横浜にはちょっと驚くほどたくさんのホールがありますが、みなとみらいはお気に入りです。小ホールには初めて入りました。

今回は、バッハ、ヴィヴァルディ、テレマン等、バロックの有名どころの演奏はなく、民族音楽的なもの、賛美歌、15,16世紀に、ヨーロッパから植民地に渡り、変遷を遂げた音楽などが演奏されました。宗教音楽と、世俗的な音楽が交互に演奏されるプログラム構成も、ヨーロッパから世界に広がって変遷する、というアプローチも興味深いです。メンバーは20~30代が中心のようで、演奏もフレッシュで躍動感があり、とても楽しいコンサートでした。私は他の楽しみのために我慢して仕事をしているわけではなく、仕事自体が楽しいからしているのですが、仕事だけでは、行き詰ったときに逃げ場がなくなってしまうので、余暇に自分で楽しめることを別に確保しておくことは大切だと思っています。夫に、「楽しみは他人に与えてもらうものではないで。自分で探さないとあかん」と言われました。趣味・娯楽の点で、他人に依存せずに解決できる状況で、シェアできる人がいることが贅沢だと思います。コンサートや展覧会などへ出かけて、楽しい時間を共有することにはお金がかかりますが、気飾ることにも、美食にも興味がないので、ここにお金をかけなかったらどこにかけるの、という感じです。


日本郵船の博物館と、横浜税関の展示室に行きました。船や、船舶模型を見るのが好きなので、日本郵船博物館は、精巧に作られた模型が多数、展示されていて、眼福でした。中に入れる船の展示は、時間切れで見られなかったので、次回に期待します。 横浜税関は、建物がきれいなので、行ってみましたが、改装中でした。展示はさほど期待していなかったのですが、覚醒剤や偽ブランド物の検挙に関する展示で、とてもおもしろい内容でした。また、赤レンガ倉庫は少しボストンのクインジー・マーケットの趣がありました。

とても暑く、歩きにくい一日でしたが、充実した休日になりました。

2018年6月30日土曜日

自由学園明日館

背景はやや不都合。よって葉っぱで隠す。
前職と新しい仕事の間は、有休消化期間としました。夫に「休暇中、どう過ごすん?」と言われて、「梅雨で天気が悪いでしょうから、布団を被って一日中壁に向かってブツブツ文句を言います」と言ったのですが、「あかん。せっかくの休暇、楽しく過ごしや」と言われました。例年より20日ほども早く梅雨明けし、外出日和が続きましたから、毎日どこかしら出かけ、花壇を整備し、必要なものを買い、健康診断を受けて、散髪をし、結果的には充実して楽しい休暇でした。長期休暇のチャンスは滅多にないので、旅行に行きたいとも考えていたのですが、近場でも十分、色々な見どころがあると思いました。



中でも、休暇中に訪問することができて良かったのは、フランク・ロイド・ライト&遠藤新設計の自由学園明日館です。休日も一般公開していますが、結婚式場やイベント会場として貸し切り使用されることが多く、休日はだいたい、外観の見学のみ、可能です。ぜひとも中を見たくて、平日に機会があれば、と何年も思っていました。





池袋駅から、徒歩10分くらいのところにあります。少し分かりにくいですが、案内板も出ています。池袋駅周辺の雑多な街並みとは別世界の、端正な建物です。FLWは、明日館の設計を依頼された際に、既に高名な建築家でしたし、帝国ホテルの設計で多忙であったため、この建物の設計を引き受けたのは「奇跡のようなもの」と説明がありました。自由学園の創立者の理念に共感して、引き受けた、ということだそうです。どの角度から見ても絵になる、美しい建物でした。過剰でない装飾が良いです。私は、日本の建築でとりわけ美しい点は、障子と格子戸だと思っていて、直線、連続、繰り返しの装飾が、風景に馴染むように思います。数寄屋造りもほとんど直線の連続です。



本館はFLWがメインで設計し、別館の講堂は、遠藤新の設計です。本館と同じ雰囲気でした。本館も講堂も、シンメトリーで落ち着きます。ステンドグラスの意匠がいかにもロイド・ライトだと思います。増築する時に、一番大事なことは既存の建物と同じ雰囲気にすることだと思っています。好き勝手に個性を出して、既にあるものと合わせないで、つぎはぎ細工のようになってしまっている建物は見ていて情ないです。

自由学園のクッキーがおいしい、という話を聞いていたので、お土産屋さんで購入しました。2人で食べるので、一番小さい缶にしました。缶をあけると、シナモンの香りがして、軽い食感のクッキーでした。