J.E.Millais,'Lorenzo and Isabella' |
以前、デカメロンやジョン・キーツの詩に登場する「イサベラ」について投稿しましたが、この話に題材をとったJ.E.ミレーの「ロレンツォとイサベラ」という絵画があります。ミレーは売れっ子になって著名人や裕福な人の肖像画を主に描くようになってからはラファエル前派的な画風ではなく、ロイヤル・アカデミー的な筆致で描きましたが、「ロレンツォとイサベラ」は初期に描かれた作品で、「オフィーリア」にも見られる精緻な筆遣いが特徴的です。
改めて部分図を見ても普通のオレンジのようにしか見えないのですが、昔読んだ解説には「ロレンツォがイサベラに差し出しているのは『ブラッド・オレンジ』と呼ばれる果物で、果汁は血のように赤い。イサベラの兄弟によって殺されるロレンツォの運命を象徴している。云々」と書かれていました。どんな果物だろうかと興味を持ちました。Whole Foodsに山積みになっていたので、1個買ってきました。
確かに、切り口は赤いです。皮も通常のオレンジより赤かったです。
少し果汁を絞ってみました。「血のように」赤いとは言えませんが、濃いピンク色をしています。味は普通のオレンジとさほど変わりませんが、ヘタに近い部分は少し苦く感じました。他の種類のオレンジよりも高価であり、私は切り口を下にして白いテーブルクロスに落としてしまい、シミをとるのに苦労したので一度買えば十分だと思いました。
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