【基本情報】
Never Let Me Go (2010) 日本語タイトル『わたしを離さないで』
Directed by Mark Romanek
Main Cast Carey Mulligan, Keira Knightley,Andrew Garfield
Written by Kazuo Ishiguro 日本語訳 カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
予告編
【あらすじ】
1960年代、人間は100歳を超えるまで生きられるようになった。ヘイルシャム寄宿学校で「あなたたちは特別な存在です。体の中も外も健康に保つように」と教えられた生徒たちはある日、新任の先生から衝撃的な事実を告げられる。キャシー、ルース、トミーは18歳になるとヘイルシャムを卒業し、外の世界に出る。しかし彼らの人生は他者によって最初から定められていた。
【コメント・ネタバレあり】
カズオ・イシグロの小説、『わたしを離さないで』の映画化です。小説は2、3年前に日本語訳を読みました。映画ははしょっている部分はあるものの、ほぼ原作に忠実です。
クローン人間やロボットものは、昔からあるSFの一ジャンルだと思います。本作品では彼らは臓器を提供するために育てられ、生きたまま臓器提供させられます。3、4回の臓器提供を終えると彼らは'complete'終了します。若くして臓器を摘出され、衰弱した登場人物の姿は映像で見るとショッキングで痛ましいです。主人公のキャシーは、「提供」を行い、次の提供まで「回復センター」に入院する患者の世話人の仕事をし、健康だった友達が臓器を取られる様子を目の当たりにします。同じ学校で成長した3人の男女の三角関係もありますが、むしろ、人権など無視され、単に臓器提供のためのモノとして扱われる登場人物の描写が際立っています。
もちろんフィクションではありますが、怖いのはこれがある程度は現実だろう、ということです。映画は、登場人物の運命は残酷である一方、絵としてはきれいに撮影されています。現実の臓器売買はきれいな部分などなく、映画よりももっと悪いのでしょう。
キャリー・マリガンとキーラ・ナイトレイは『プライドと偏見』でも共演していました。その時はキャリー・マリガンは5人姉妹のうちでも地味な役割でしたが、『わたしを離さないで』では主人公を好演しています。あきらめの表情が印象的です。キーラ・ナイトレイは美人で売れっ子ですが、私が見る映画の5本に1本くらいは出演していて、何を見ても役柄以前に「私ですよ!!」というアピールが強い気がして、最近やや腑に落ちないところがあります。
英語は分かりやすく発音されていて、聴き取りやすいです。日本語訳は翻訳文がイマイチのように感じましたが、重く、辛い話なので英語で再読する気にはなれません。
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