Deception(本)

【書誌情報】
Deception, Denise Mina, Little,Brown and Company, 2003

【あらすじ】
精神科医のスーザン・ハリオット医師は連続殺人犯の男を殺害した疑いで投獄された。ハリオット医師の夫ラクランは妻が殺人を犯したとは信じられず、妻のパソコンに納められていたファイルを読み、関係者に会うなどして妻の裁判に関する不服申立てに役立つ証拠を収集しようとする。しかし、ハリオット医師の記録の内容はラクランを失望させるものだった。

【コメント】
図書館で開催される読書会の課題本だったため、普段あまり読まないミステリー(サスペンス?)を読んでみました(しかし、別の用事が入ったため読書会は参加できなくなってしまいました)。

殺人犯である女性精神科医の、夫で専業主夫だったラクランが語り手です。そしてこの語り手は『嵐ヶ丘』の主人公の息子、リントン・ヒースクリフ以来の最低のクソ男(すみません)です。ネタバレしてしまうと、連続殺人犯のアンドリュー・ガウとその妻を殺害したのが結局誰だったのか、最後までその解はあかされません。徐々に明らかになるのは殺人にまつわる謎ではなく、裕福で一見幸福そうだった夫婦の関係がいかに欺瞞に満ちた脆いものであったか、ということです。ラクランの推測、暴走ぎみの妄想が語られ、殺人の「真実」に迫っていない点はやや不満が残ります。

似た種類の本ばかり読んでいると、 別のジャンルの本を読んだときに英語が十分理解できず、情報を読み落とすことがあると思いました。幅広く英語を理解するため、文学、小説以外の文章も読まないといけないな、と思いました。


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