ニューオーリンズ薬局博物館はフレンチ・クォーターの一画にあり、実際に薬局として使用されていた建物に昔の薬や手術道具などが展示されています。
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ソーダファウンテン |
薬は通常の鎮痛剤などの他、香水、化粧品、麻薬、果ては毒薬やヴードゥー・パウダーまで展示されています。ヴードゥー教は、アフリカの宗教+カトリックのような、かなりあやしげな宗教で、かつてはこの地方でさかんに信仰されていたようです。フレンチ・クォーターには「ヴードゥー○○」をうたった店がいくつかありました。
とはいえ、飾ってあるのは瓶に入っている薬が中心なので、中に入っているのが本当にそれなのかどうかは確かめようがなく、解説を読みながらズラリと並んだ瓶を見る、というおもしろい体験ができます。アンティークの棚に古いガラス瓶が整然と並んでいる光景は絵になります。科学のようでエセ科学のようでもあり、瓶や家具は古いもの特有の雰囲気があり、不思議な空間で、うまく写真を撮れば何かの広告とか、本の装丁などに使えるのではないかと思いました。明るく、白く、清潔で無機質な、利用者の目に見える限りではあやしいとか不思議な要素など皆無な現代の薬局とは違います。
香水のコレクションです。私も少し香水瓶を集めているので、興味深く見ました。薬局博物館に展示されているような古いガラス瓶は、中古市場で驚くような高値で取引されているようです。規模の大きい美術館や博物館で、すぐれた芸術作品や珍しい展示品を見るのも大好きですが、こういった小さい博物館で自分の好みのものを見つけるのもまた、楽しいものです。
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