2018年6月30日土曜日

自由学園明日館

背景はやや不都合。よって葉っぱで隠す。
前職と新しい仕事の間は、有休消化期間としました。夫に「休暇中、どう過ごすん?」と言われて、「梅雨で天気が悪いでしょうから、布団を被って一日中壁に向かってブツブツ文句を言います」と言ったのですが、「あかん。せっかくの休暇、楽しく過ごしや」と言われました。例年より20日ほども早く梅雨明けし、外出日和が続きましたから、毎日どこかしら出かけ、花壇を整備し、必要なものを買い、健康診断を受けて、散髪をし、結果的には充実して楽しい休暇でした。長期休暇のチャンスは滅多にないので、旅行に行きたいとも考えていたのですが、近場でも十分、色々な見どころがあると思いました。



中でも、休暇中に訪問することができて良かったのは、フランク・ロイド・ライト&遠藤新設計の自由学園明日館です。休日も一般公開していますが、結婚式場やイベント会場として貸し切り使用されることが多く、休日はだいたい、外観の見学のみ、可能です。ぜひとも中を見たくて、平日に機会があれば、と何年も思っていました。





池袋駅から、徒歩10分くらいのところにあります。少し分かりにくいですが、案内板も出ています。池袋駅周辺の雑多な街並みとは別世界の、端正な建物です。FLWは、明日館の設計を依頼された際に、既に高名な建築家でしたし、帝国ホテルの設計で多忙であったため、この建物の設計を引き受けたのは「奇跡のようなもの」と説明がありました。自由学園の創立者の理念に共感して、引き受けた、ということだそうです。どの角度から見ても絵になる、美しい建物でした。過剰でない装飾が良いです。私は、日本の建築でとりわけ美しい点は、障子と格子戸だと思っていて、直線、連続、繰り返しの装飾が、風景に馴染むように思います。数寄屋造りもほとんど直線の連続です。



本館はFLWがメインで設計し、別館の講堂は、遠藤新の設計です。本館と同じ雰囲気でした。本館も講堂も、シンメトリーで落ち着きます。ステンドグラスの意匠がいかにもロイド・ライトだと思います。増築する時に、一番大事なことは既存の建物と同じ雰囲気にすることだと思っています。好き勝手に個性を出して、既にあるものと合わせないで、つぎはぎ細工のようになってしまっている建物は見ていて情ないです。

自由学園のクッキーがおいしい、という話を聞いていたので、お土産屋さんで購入しました。2人で食べるので、一番小さい缶にしました。缶をあけると、シナモンの香りがして、軽い食感のクッキーでした。

スイートピーとツバメ


スイートピー

庭に植えた植物の中でも、スイートピーは非常に旺盛でした。種を一袋、蒔いただけですが、1カ月間、毎週2回は花瓶にあふれるように活けることができました。パステルカラーで香りも良く、可憐な花です。春山行夫『花ことば』によれば、
「花ことばでは、「別離」(英)…をあらわしている。「別離」というのはキーツに「スイート・ピーは今や飛び立とうとして爪立っている」という詩句があるごとく、花の姿が蝶のとびたつ有様を思わせることをあらわしている」
とのことです。他、「優しい思い出、門出」との花言葉もあり、その場所を離れる人に、はなむけとして贈ることがあるようです。


ツバメ

職場近くの駐車場の天井に、昨年ツバメが巣をかけていましたが、今年も同じ場所に巣ができて、親鳥が卵を抱いていました。鎌倉でもツバメを見ました。さほど珍しい鳥ではありませんが、ツバメを見ると、「きっと幸運を運んでくる」と思います。環境の変化があるときは、意識してツバメの巣を見つけ、これも良い転機となるだろう、と思いこむようにしています。鎌倉のお土産屋さんにて、ツバメのブローチを求めました。横浜へ行った際に、長谷川潔のツバメの絵葉書を見つけました。

梅雨の晴れ間の横浜

転職

昨年末に、仕事はとても楽しい、と書いていて、これに嘘はないのですが、今後、継続的にお姫様にかしずくことも、自分がお局になるのも嫌で、ここには居場所がない、と思うに至り、転職しました。キャリアアップ志向はもとよりなく、他人との比較の上に幸せがあるわけでもないので、隣人より収入が少なかろうが、家が小さかろうが気にしませんが、半年前より今の方が不幸だ、あの頃に戻りたい、などと思うのは大問題です。10年に1回、試練の当たり年が巡ってくるようですが、少し落ち着くと、気付くのは、自分の辛さではなく、乗り越えるために周囲の人がたいそう親切にして下さったということです。楽しかったですし、自分の仕事が気に入っていて、上司・同僚には様々なことを教えて頂きました。退職に当たっても、上司が気を遣って下さり、期待に沿えなかったにもかかわらず、私の意思を尊重して頂き、感謝は尽きません。また、夫は、結果が出るまでは静観した上で、決めてからはポジティブなことだけを言ってくれました。これから、大後悔時代に突入するのだろうという気もしています。それでも、自分は周りの人々の親切に助けられて、肝心のところでは運を掴んできたのだから、うまく行く可能性もある、というナゾのポジティブ思考で新しい仕事に邁進したいと思います。

2018年6月29日金曜日

横浜山手洋館巡り

観光地は、近いと却って行かないものなのかもしれません。川崎に延5年間、住んでいるのに、横浜山手には一度も行ったことがありませんでした。長距離移動の際に、柚木麻子『けむたい後輩』を読み、横浜山手の洋館巡りをしてみたくなりました。横浜の「フェリシモ女学院」の女子学生が、洋館の寮に住んでいる、という設定で、女子寮は、かつて学生寮として使われていたベーリック・ホールがモデルではないかと思います。






ベーリック・ホール。こんな所に住むとは、羨ましすぎますね!敷地が広く、非常に立派な建物ですが、豪華、瀟洒というよりも、軽やかで風通しが良い感じがします。窓が大きく、日当たりが良いためかと思いました。
 窓の意匠に特徴があります。やはり、アルミサッシはダメです。木枠の窓が良いです。






他、イギリス館、山手111番館、山手234番館、エリスマン邸と巡りました。どの建物もきれいで、住むことは適わなくても、せめて、気軽に散歩できる距離なら良いのに、と思いました。天気が良かったので、街並みが一層キラキラして見えます。神戸の異人館の方が、数も多く知名度は高いかもしれませんが、私は横浜の洋館の方が好みです。神戸よりも、全体的に装飾が少なく、すっきりしていますし、内部に玩具を飾らないで、実際に使用していた調度が配置されているところが良いです。また、横浜市が管理しているため、すべて無料で見学できます。一般民家とは比較にならないとはいえ、一軒はそこまで大きくはないので、入場料を気にせず、まとめて複数見られるのはありがたいです。


イギリス館は、イギリス領事館だったそうです。バラ園が見事で、高台から横浜港が一望できます。この世の楽園のようなものだと思いました。その後、元町に戻り、繁華街を散策しましたが、このように美しいものをたくさん見た後では、お店で買えるようなものは何もかもそこまでではないな、という気がして、何も買わずに帰りました。



2018年6月25日月曜日

夏至の日の小旅行


欧米だと、夏至の日は夏の始まりのお祭りであるようですが、日本での夏至の日は、梅雨たけなわで、天気が悪いことが多く、日が長いことのありがたみがよく分かりません。今年の夏至の日は珍しく晴れて、たまたま休暇中でもあったので、仕事に行く夫を横目に、鎌倉へ行きました。






とはいえ、この時期にアジサイ目当てで明月院へ行くのはいくら平日でも無謀と思えたので、お花のきれいな、東慶寺、浄智寺、海蔵寺、その他いくつかのお寺を巡りました。円覚寺や、建長寺、鶴岡八幡宮は、混雑を懸念して避けました。東慶寺や、浄智寺は規模はそこまで大きくないものの、起伏に富み、いつ行っても、何かしらお花があります。どこのお寺でも、多数のアジサイを見ることができました。 鎌倉が、太古の昔からアジサイの名所だったわけではないようです。明月院付近に住み、「アジサイの本場に住んでいるようなものだ」という、澁澤龍彦の『フローラ逍遥』のアジサイの項には、以下のように書かれています。

雨季に咲くアジサイの花は、降りつづく雨にけむって、その紫や青や紅が空気の中にしっとり薄く溶け出すような、なんとなく泉鏡花的な幻想に私たちを誘いこむ。かつては庭木として珍重されず、せいぜい貧乏寺の境内とか、あるいは背戸なんかに植えられていて、だれからも顧みられなかった。明月院で脚光を浴びているアジサイを見ると、私はタレントに出世した少女を見るような、へんな違和感をおぼえる。(澁澤龍彦『フローラ逍遥』、平凡社、1996年)


海蔵寺は、初参拝でした。井戸のあるお寺です。浄智寺からの道中は切通しがあって、散策が楽しいです。街並みも落ち着いていて情緒があります。勤務地から遠いにも拘らず、鎌倉に住みたい、という人が一定数いるのも分かります。


私は、観光地では食事は重視せずに、とにかく色々見て回りたい派です。夫がシラス丼を食べたいと言っていたので、抜け駆けするのは悪いと思い、小町通りで大福を1個買って、店の前で食べました。歩き食べなど、夫はさせてくれないからでした。粉だらけになるし、1日歩いて大福1個では足りないし、行儀の悪さが気になるし、何も良いことはありませんでした。やはり、夫に止められるようなことは、たとえ一人でもむやみとすべきではないと思いました。うさちゃんのお店(鎌倉五郎)の抹茶饅頭をお土産にしました。お饅頭類の中でこれが一番好きです。


江ノ電で七里ガ浜まで行きました。制服のまま、海辺ではしゃいでいる女子高生数人がいて、羨ましく思いました。


2018年6月24日日曜日

大山崎山荘



 hidden gemは、「隠れた名所」というほどの意味ですが、有名観光地についても言ったりするので、単にその表現を使いたいだけでは、ということもあります。アサヒビール大山崎山荘美術館は、京都から電車で30分+登山10分ほどのところにあり、我々が訪れた際は、地震の影響で踏切が長時間開かず(2時間開かなかったと後で知りました)、ヒミツの地下道を通って、遠回りしてやっとの思いでたどり着きました。都市部から離れており、、美しい場所でしたので、これぞhidden gemではないかと思いました。



お庭は、モネのスイレンの趣があり、この美術館では、実際にモネのスイレンを何枚か所蔵していて、常時展示しています。建物は、チューダー様式で、暖炉に埋め込まれた、古代中国の彫刻を施した石、パステルカラーのステンドグラス、カットグラスのシャンデリアや鳥の意匠のあるペンダントランプ、全室異なるパターンのモリス商会のカーテンなど、細部まで贅を尽くした洋館でした。特別展の、ウィリアム・モリスの展示は、点数こそ少ないものの、背景にもモリスの壁紙が張られていました。テラスからは山のある風景が一望できます。美術館併設のカフェを利用することは少ないですが、ここにたどり着くまでの苦労からして、たまには良いかと思い、ワインケーキを頂いたところ、とてもおいしかったです。食器はウェッジウッドでした。館内は撮影禁止ですが、美しいパンフレットを頂きました。重厚な建物、見晴らし、お庭の風景、感じの良い展示等、ほとんど申し分ないのですが、安藤忠雄建築の後付けの部分は他と見事に調和していません。

訪れた日は、小雨でしたが、晴れた日はもっと良いだろうなと思いました。持参した鞄と、ポスターの柄が同じでした。ウィリアム・モリス関連の書籍や、小物類は手軽に入手することができますが、最近は実用品として使用できるモリスが良いなと思っています。(言うだけならタダなので)、将来は、この山荘のように、全室に異なるパターンのモリスのカーテンをかけたいと思います。


2018年6月23日土曜日

祇園




 京都には何度も出かけましたが、宿泊したのは3回目で、20年振りでした。前回は中学校の修学旅行で、前々回は、親類の結婚式で、30年前です。今回は、地震の直後だったので、行きたかったお店が臨時休業だったり、JRの踏切が2時間も開かないなど、トラブルもありましたが、観光目的で行っただけですので、文句を言うことではありません。

祇園で、八坂神社、円山公園、知恩院を訪ねました。八坂神社と円山公園は、変化に富んでいて楽しく、また、歩きやすいです。うさちゃんは、縁結びのご利益を祈願し、中に願い事を書いた紙を収めて、奉納するのが正しいですが、私は縁結びは不要のため、ハンカチに包んで持ち帰りました。


京都は、寺社仏閣ももちろん良いのですが、きれいな洋館も豊富のようです。円山公園に隣接する長楽館は、タバコ王の豪邸として建てられ、現在はホテルになっています。宿泊するには、1泊が家賃ほどかかるので、お金持ちさん御用達だと思います。



 知恩院も、観光客少なめで、静かなお庭を散策できる、良い所でした。観光地に行って、「人が少ない方が良い」というのもおかしいのですが、人を見に行ったのか、お庭や建物を見に行ったのか分からない、という事態はできれば避けたいです。そのために、朝早めに出かけたり、オフシーズンを狙うなどしています。夫と、あまり話さずに散策をしていると、このまま時が止まればよいのに、と思います。




憧れの東華菜館は、夫の家族と食事の予約をしていましたが、交通機関ストップにより、行けませんでした。代わりに、修学旅行でも食べた、釜揚げうどんのお店でお昼にしました。当時と同じ味で、懐かしく思いました。フランソア喫茶室は、お休みでした。次回の楽しみにしたいと思います。一度に何もかも見るのは無理で、今度は行ってみたい、と思う場所が増えて行くのが良いなと思います。