2014年11月12日水曜日

ワシントンDC旅行 ナショナルギャラリー

イーストマン・ジョンソン「スイレンの採集」1865年

 ワシントンDCのナショナルギャラリーはスミソニアン美術館群の一つではないのですが、外せない観光名所です。イーストマン・ジョンソンはアメリカの画家で、メトロポリタン美術館の設立者の一人です。風俗画を得意としたほか、リンカーン大統領やナサニエル・ホーソーンらの肖像画をのこしています。スイレンと、水鏡の表現がなんともいえず、魅力的だと思います。

うまいねぇ
模写をしている人が結構いました。絵画同好会か、学生ではないかと思います。この人が模写をしているのはサージェントです。

ロドヴィーコ・カラッチ「アレクサンドリアの聖カタリナの夢」1590年

フィッツ・ヘンリー・レイン「ペノブスコット湾の夕暮れ 木材スクーナー船」1863年

ファン・デル・ニール「橋のある月夜の風景」

ジャスパー・クロプシー「戦争の心」1851年

恒例の薄明かり。美術館に行くと、薄明りコレクションをします。今回はハドソン川派の薄明かりの絵が印象的でした。

ジャスパー・クロプシー「ハドソン川の秋」1860年

これぞニューイングランドの風景、という一枚だと思います。雲の影から太陽が顔を出して、水面に反射し、キラキラしている感じ、紅葉、水が澄んだ、小さな池など。3年間住んでみて、ニューイングランド地方は風景がきれいだと思いました。車に乗っていると、あちこちにきれいな湖が見られます。日常生活に使う道具や設備、食事などの点では日本の方が優れていると思いますし、生活がしやすいですが、湖のある景観は、帰国して懐かしく思うことの一つです。


ジョン・ウォード・オブ・ハル「スワン号とイサベラ号 北の捕鯨」1840年ころ

今回特に気に入った作品です。北の海に船が描かれている絵ならたくさんある気がしますが、鳥、アザラシ、シロクマ、セイウチ、イッカクなど、描かれている動物が楽しげで、絵本のようでかわいらしいです。動物たちが、1匹ではなく、すべてペア以上で描かれているのが良いです。物語を感じさせる絵は好きです。日本でも人気のあるイラストレーター、アンジェラ・バレットの『氷の宮殿』を思い出しました。ジョン・ウォード・オブ・ハルは、イギリスの画家で、船の絵を多く描いています。

ビニールクロスで台無し

普段は、美術館のお土産は、絵葉書とマグネットしか買わないのですが、この先アメリカの美術館に行くことは当分ないでしょうから、装飾用タイルを買いました。Weaver Tileという現役の工房の作品で、アメリカン・アーツ&クラフツ調のタイルを制作・販売しているようです。こんなタイルを、たとえば台所に一列張ってもすてきでしょうが、賃貸住宅ではそうも行かないので、1枚だけです。青緑色に白抜きで、かっこいいウサギがレリーフになっています。地域、国によって特徴が出やすいのは、絵画よりも実用品のデザインではないかと思っています。お土産にするなら、その国の特徴的なデザインのものが良いのではないでしょうか。アメリカ的であり、美しいデザインはアメリカン・アーツ&クラフツと、フランク・ロイド・ライトだろう、と思います。親戚やお友達へのお土産は、FLWグッズ中心でした。アーツ&クラフツ仕様のものは、オリジナル品は入手しにくいですし、リプロダクト品も流通は多くありません。ナショナルギャラリーのミュージアムショップで思いがけず手頃なものを見つけて、うれしく思いました。日本で借りた家の靴箱の上に飾り、毎日目にしますが、日々眺めるにつけ、なかなか良い買い物をしたものだ、と自己満足に浸っています。ヨーロッパ調のゴージャス・エレガントな装飾とは方向性が異なり、やや「侘びた」(その心はよく分かりませんが)ような雰囲気があって、日本の家に置いてもあまり違和感を持ちません。


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