2012年12月31日月曜日

2012年の良かったもの、こと

今年も終わりなので、この1年間で良かったものなどを振り返ってみます。


  • ニューヨーク
    アメリカ国内でワシントンDC、ニューヨーク、タングルウッドなどに旅行しました。どこもそれぞれに印象深いですが、一番を決めるならやはりニューヨークのメトロポリタン美術館です。一生に一度は行きたい美術館だったので、行くチャンスがあって良かったです。全部は見ていないので、月初の週末に、ぜひ再訪したいです。
  • ジョシュア・ベルのコンサート
    ニューヨーク・フィル、ボストン交響楽団などのコンサートに行きました。新鮮で勢いのある演奏でアカデミー室内管弦楽団(ジョシュア・ベルの弾き振り)が良かったです。来年のコンサート第一段はボストン交響楽団の、チャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルトです。

ボストン美術館のかわいい子たちもお勉強中

  • 語学学習
    継続してESLのクラスに通い、TOEICを受けました。秋からドイツ語の勉強をはじめました。新年からボストンのゲーテ・インスティトゥートにて授業を受けます。でも、全体としては勉強をしなさ過ぎたので、来年はもう少し頑張ります…

  • Simon Mawer, Glass Room
    本は洋書を読むことが多かったため、あまり冊数をこなせませんでした。もっと速く読めるようにしたいです。印象的だったのはSimon MawerのThe Glass Roomです。感想はこちら
Jane Eyre, 2011

  • Jane Eyre,2011
    図書館でDVDを借りて映画を10数本見ました。。字幕万歳。新しいJane Eyreは非常に良かったです。また、アメリカで日本映画を見るのも変ですが鈴木清順監督の『陽炎座』を遠くの図書館から取り寄せてもらって、見ました。妖艶な雰囲気です。

  • ティーセット
    新しいティーセットを買ってもらいました。普段は飾り棚に入れて、時々ガラス越しに見て楽しんでいます。お客様がいらっしゃった時に褒めていただき、うれしかったです。
  • ジンジャーブレッド
    weissellaのレープクーヒェンがおいしかったです。ドイツ製でした。外食はあまりしないし、日本ほどおいしくもないと思います。自作するもので気に入っているのは春雨サラダです。
今年もご愛読ありがとうございました。良いお年を。

 

2012年12月27日木曜日

クリスマスケーキ


 クリスマスケーキは日本だと色々凝った物が販売されていますが、アメリカのクリスマスはクッキーを主に食べるようです。夫婦2人なのにホールのケーキを買って食べるのも難儀ですから、自作しました。

以前にもブログに書いたオレンジケーキを焼きました。今年何種類かのケーキを作った中でこれが特においしかったからです。このケーキはかなり甘いので、砂糖は2割ほど減らしました。アルコール分を飛ばすため、グランマルニエを塗ってから再度余熱の残っているオーブンに入れておきます。このケーキはバターとアーモンド、オレンジの混じり合ったなんとも上品な香りがします。私はクリームのかかっているケーキよりもパウンドケーキの方が好きですが、その方が香りが楽しめるからだと思います。

普段使わない、来客用のティーセットを使いました。紅茶はストレートしか飲みませんが、雰囲気重視で砂糖いれとクリーマーも出してみました。


クリスマスのディスプレイは1月6日まで飾っておきますが、アドヴェントカレンダーは片付けます。夫が写真の絵を見て曰く、「この鹿、目つき悪いねぇ。めっちゃ怒ってるやん。『腹減った!!草は、草!?』って言ってるんやねぇ」

2012年12月26日水曜日

MoMAのTシャツ

公式サイトより拝借
夫へのクリスマスプレゼントは小さいものをいくつか用意しました。他の物は楽器の弦などで、ここにご紹介してもあまりおもしろくないのですが、ニューヨーク近代美術館のお土産屋さんでTシャツを見つけたとき「おお、これは夫のために作られたようなものだ」と思い購入しました。

夫はTシャツの絵のように、丸くにこにこしている顔が好きなようです。

夫の好きなタイプの顔の例

夫の愛用マグカップは顔付きで、はじめてボーナスを頂いたときに買ったそうです。しばらく職場で使っていましたが、「この顔について誰もつっこんでくれへん…」としょんぼりしていました。このマグカップでよくコーヒーを飲んでいます。紅茶も時々飲むので、紅茶専用のマグを買うよう提案したのですが「かわいい顔付きのがみつからないからあかん」と言っていました。

Tシャツには夫の好きなダリの絵(柔らかい時計ですね)を翻案した顔も描かれています。果たして喜んでもらえ、「かわいい~!ダリも描いてある!」と言っていました。なお、私がもらったプレゼントはこちらです。Tシャツは日本だとこちらから買えます。

2012年12月25日火曜日

Grace Chapelのクリスマス礼拝


洗礼を受けていませんが、心はプロテスタントなのでクリスマスくらいは礼拝に行きましょうと思い、ESLでお世話になったレキシントンのグレース・チャペルに行きました。クリスマス・イヴは多くの人が行くため、3回の礼拝が行われるのですがそれでも大変混雑していました。遅くなればなるほど混雑すると思ったので一番早い15時の礼拝に行きました。

これまで伝統的なカトリックのミサと聖公会の礼拝に行ったことがありますが、グレース・チャペルの礼拝はそれとは大きく違い、驚きました。礼拝堂に入ると、聖壇(ステージのように見えます)で大音量で演奏されているエレキギターとドラムセットに唖然とします。2階のバルコニーの所に照明設備があり、カラフルなライトの元、若者たちがマイクを持って賛美歌を歌います。伴奏はエレキギターとドラムの他、オルガン、ピアノ、ブラスバンド、弦楽オーケストラ、バグパイプなどで行われていました。聖壇の上ではキリスト降誕劇ではなく、コントのようなお芝居をやっていました。私は「教会に派手な恰好をしていったらいけないだろう」と考え、黒っぽい服でお化粧も地味にして行きましたが、牧師先生は真っ赤なネクタイを着けていらっしゃいました。

でも牧師先生のお説教は感動的なもので、キャンドルサービスも美しかったです。礼拝堂での写真撮影は控えましたが、ロビーや別室、併設のカフェなどにはたくさんのクリスマスツリーやリースが飾られていました(グレース・チャペルは明らかに裕福です)。そのうち1本は写真のように上下逆になっていました。これは「商業主義に先導されるクリスマスを見直そう」という意味が込められているそうです。

帰宅し、「異国では和風の食事をすることこそが贅沢だと思う」と言って、おこわ、すまし汁、揚出し豆腐、白玉団子などクリスマスらしくもない夕飯を食べ、第九を聴きました。年末に第九を聴くのは日本だけのようですが、それでも私は聴きたいです。


アドベントカレンダーの24日の窓の絵です。幼子イエスが指をしゃぶっていてかわいいです。

2012年12月21日金曜日

ショウガのお菓子


 ドイツ語の授業の最後に先生にWeissellaというメーカーのレープクーヒェン(ジンジャーブレッド)を頂きました。Trader Joe's に売っているとのことでした。Trader Joe'sは珍しい食品がいろいろあって、つい無駄遣いしてしまいそうになるのであまり行かないのですが、このジンジャーブレッドはクリスマスらしくていいな、と思い買いに行きました。

家にショウガのお菓子が複数あったので、並べてみました。左上から時計回りに、
  • レープクーヒェン
  • 砂糖漬けショウガ
  • (お皿)別の砂糖漬けショウガとジンジャークッキー
  • 金沢名物柴舟(日本より)
です。ドイツ風ジンジャーブレッドは柔らかく、オレンジピールとアーモンドが入っています。スパイスとオレンジの香りのバランスがよく、私は好きなのですが、夫は一口食べて「わしはもうええわ」と言いました。砂糖漬けショウガは自作しようと何度か試みましたが、アク抜きが難しく辛さや渋みが残ってしまい、鍋に砂糖がこびりついて無駄になるので買った方が手軽です。ただし、お皿に載せた砂糖漬けショウガは砂糖がジャリジャリしてあまりおいしくないです。袋に入っているもののように、砂糖がきれいに表面でとけているものの方が良い食感です。ジンジャークッキーもあまりおいしくないので、自作する方が良いようです。柴舟はありがたいので少しずつ食べます。これもシンプルで良いと思います。

昔、ヨーロッパでスパイスは高価だったのでクリスマスにジンジャーやシナモン、クローブなどスパイスの多いお菓子を焼いたそうです。その名残で今でもクリスマスのお菓子はスパイス入りのものをよく食べるようです。私もクリスマスといえばショウガとシナモンだと思っています。冬の読書のお供はお茶とジンジャーブレッドです。

2012年12月18日火曜日

クリスマスオーナメント


クリスマスオーナメントを飾ってみました。自分の好きな物をそろえたら、少し地味で縁起の悪い感じになってしまいました。

【金メッキの星】
メトロポリタン美術館所蔵のセーヴル焼きの模様を翻案しているそうです。メトロポリタン美術館のミュージアムショップでは毎年、星モチーフのオーナメントを販売しています。

【天使のフィギュリン】
ロイヤルコペンハーゲン製です。バイオリン、リュート、ラッパ、シンバルを演奏する天使と歌う天使です。白磁、というところが気に入っています。クリスマスに飾られるキリスト降誕の人形も白磁や白木などで作られ、彩色されていないものが多い気がします。複数飾る場合、彩色があるとゴチャッとするからでしょうか。

【クリスマスプレート】
クリスマスプレートに手を出すつもりはなかったのです。しかし、夫が12月生まれなので、買ってもいいのではないか、と思うに至りました。クリスマスプレートの魅力は円形の画面の中に、近くにあるものと遠くの風景がバランスよく収められていて奥行きを感じさせる絵柄がついていることだと思います。ただ、絵の完成度は年毎にばらつきがあるようで、私は夫の生まれ年の絵柄が好きではなかったのでビング&グレンダールにしました。
クリスマスプレートはロイヤルコペンハーゲンよりもビング&グレンダールの方が歴史は古く、1895年まで遡ります。初期のころのお皿は雪景色の静謐さを感じさせる美しいものが多く、骨董的価値があり、高価です。1970~90年代のものは安いです。これを家に飾るというのは我々の年齢がバレるということですが、私は気にしていません。

【ロウソクたて】
ジャスパーはウェッジウッド製、クリスタルの方はウォーターフォードです。先日ハリケーンの影響で停電した時に意外と活躍しました。ウェッジウッドのジャスパーは美しいものですが、ヌードとかそれに近いようなギリシア風の人々のついている物を自宅に置くには抵抗があったので、渦巻きのような模様を選びました。アメリカ人はロウソクが好きで、少し高めのレストランとか、よそのお宅にお呼ばれして夕食を頂くと食卓にロウソクが灯っています。

【菊の花】
先日いただきました。清潔感のある香りがします。菊は日本だと仏花の印象が強いですが、アメリカでは特に死を連想させるわけではないようです。白い花が好きなので嬉しかったです。

クリスマスツリーはありませんが替わりにタペストリーを飾っています。


キャンディーケインです。1ダースで1ドルの、子供だましのような物ですが、私はこれが好きでキャンディーケインがないとクリスマスが始まらないと思っています。たまたま手持ちのコップに活ける(?)と、ちょうど良い高さでした。

2012年12月16日日曜日

鴨の丸焼き

隣のコネチカット州の小学校で痛ましい事件がありました。友達をよんでの会食の準備をしていたときにそのニュースを知ったので、キャサリン・マンスフィールドの'The Garden Party'のように、こんなことをしていていいんだろうか、と思いましたがあのお話にあったとおり、こんな時に感情的になってパーティをキャンセルするようなことこそすべきではないのでしょう。子供が犠牲になるということはやりきれません。外国人がこんなことを言うと怒られるかもしれませんが、やはり銃の所持は法律で禁止すべきと思っています。亡くなった方々のご冥福をお祈りします。

夫と一緒に参加していたESLで知り合ったロシアの科学者2人と、イギリス人の先生をお招きしました。3人とも女性なので「女子会」みたいになってしまい、申し訳ないな、と思ったのですが夫は私の友達が好きで、今回も「3人よぼうよ」と夫が提案してくれました。よく「女子会なんてけしからん」と いう男性の意見を聞きます。仮に内心「仲間に入れて欲しいな」と思っているのであれば、けしからんとか言っていないでうちの夫のように「わしも」 と言った方がいいと思います。

一生に一度くらいは丸焼き料理を作ってみたいと思いました。しかし、二人で丸焼き一つを食べるのは大きすぎるので、お客様をお招きしたときにしようと思いました。


鴨は1ポンドあたり3ドルでしたので、日本で鶏肉を買うよりも安いです。重さは6ポンド弱(3kgくらい)でした。解凍後、皮を切って塩、スパイスとオレンジジュースなどをもみこんで1日おきました。スタッフィングは
  • カリカリにしたフランスパン
  • セロリ
  • ニンジン
  • タマネギ
  • リンゴ
  • 栗 参考:栗のむき方
  • キノコ
を入れました。 切った皮は糸と針で縫い閉じました。お客様にお出しするので、グレーズも塗りました。


ノロウィルスを懸念ししっかり焼いたところ、少し肉が固く乾燥してしまいました。鴨というのは肉がまだ赤いくらいの焼き加減の方が良いようです。骨や皮が多くて、肉は思ったより少なめです。切り分けるのが難しいです。スタッフィングに出汁がでておいしかったです。


その他の食べ物は、サラダ、コーンスープ、カモと一緒にローストした野菜、大学芋(なぜ)です。食後には紅茶とクッキー、わらび餅などをお出ししました。ビング&グレンダールのティーセットを「すてきね」と言っていただいてうれしかったです。

ウィリアム・モリスのタペストリー


夫が「クリスマスプレゼントに好きな物買ってええで」と言ってくれました。プレゼントは自分で選んで買ってもらうことが多いです。「タペストリーを買ってもらってもいいですか」と言ったら「ええよ、ええよ」と言うので少し早いですが買ってもらいました。

ウィリアム・モリスのテキスタイルが好きです。壁紙は高いし借家なので導入は非現実的です。タペストリーなら壁紙を部屋一面に張るほどお金はかからないし、引越しがあっても移動は簡単です。タペストリーを扱っている通信販売はいくつかあるので、The Findで価格を比較して購入先を選びました。アメリカ製とヨーロッパ製があり、写真を見ただけでは色の差くらいしか違いは分かりませんし、実物と写真はかなり色が違うので当てになりません。アメリカ製は価格は安めで、「大きければ大きいほど良い」というお国柄か、サイズは大きいです。タペストリー全盛期の16、17世紀にはフランドルが生産の中心地だったそうなのでベルギー製を選びました。通信販売で、注文から配達まで2週間くらいかかり、待っている間はどんなものが届くだろうかとワクワクして、切手サイズのタペストリーが届く夢を見たりしました。


タペストリーは近くで見ると少し変な感じですが、3歩くらい下がったところから見ると立体感があり、絵とは異なる魅力があります。裏についているポケットに吊り竿を通して壁に掛けるのが一般的な飾り方ですが、この吊り竿がだいたい本体とは別売りで、なかなか高いです。一番安く買える店から買おうとしたら「タペストリーも一緒に買う場合でないと売れません」と言うので、裏に自分で紐をつけて掛けました。

モチーフは「生命の樹」で、楽園の中心に植えられているそうです。アダムとイヴは「生命の樹」の隣に植えられた「知恵の樹」から実を取って食べたので、楽園を追放されました。クリスマスツリーによく飾るガラス玉はもともとリンゴを模したものであり、なぜリンゴを飾ったかというと「アダムとイヴの食べた知恵の樹の実に由来する」とのことです。さらに、「知恵の樹」と「生命の樹」は同じ1本の木の異なる名称だという説もあるらしいので、「生命の樹」もクリスマスツリーもルーツには関連があるのではないかと思います。

ウィリアム・モリスへの憧れがあって、都内で関連の展覧会があるといつも出かけていました。絵葉書やマグカップ、ブックカバー、本なども持っています。タペストリーは通年飾っておくつもりですが「我が家のクリスマスツリー」兼「生命の樹」兼「インテリア」として大切にしたいと思います。

2012年12月15日土曜日

Grace Chapelの英語クラス

夫とレキシントン、グレース・チャペルESLのクラスを受講しました。レベル分けテストを受け、5クラスに分かれます。私たちが受けたクラスの先生はもとは高校の数学の先生だったそうです。ESLは他の学校などでもいくつが受講しましたが、このクラスが一番良かったです。

まず3分くらいでバラバラのアルファベットを並べ替えて単語を作ります。たとえば、「a-d-i-t-o-u-c-n-e」という文字を与えられ、
  1. warned
  2. schooling
  3. sold
というヒントをもとに並べ替えます(答:1.cautioned, 2.education, 3.auctioned)。それから単語とイディオムの勉強をし、新しいイディオムを文章中で活用させる練習をします。次に1パラグラフの文章の句読点を練習します。さらに、長文読解とリスニング(テキストはこの投稿の末尾にリンクを張ったものを使用しました)をします。

授業の終わりには2人1組でゲームをします。ゲームの内容は、クロスワードパズル、同音異義語をできるだけ多く書く、最初と最後の文字と意味を与えられて単語を解明する、などで、優勝すると5ドル分のスターバックスカードがもらえます。コーヒーは飲みませんし、特に賞品が欲しいわけではなかったのですが私はこの活動が結構おもしろくて好きでした。

以上の内容を1時間半で行います。密度が濃く、飽きさせません。単語やイディオムもほとんど知らないものばかりで、勉強になりました。

授業料は一週間に1回のレッスンで一学期50ドルで、これにテキスト代が含まれています。結局スタバカードを20ドル分頂いた上に、最後の授業で図書券も10ドル分頂いてしまい、さらに先生が毎回お菓子を焼いてきて下さったので、申し訳ない気がしました。

その他、感謝祭やクリスマスのときにはディナーが振る舞われたり、ポットラックパーティに参加できます。

2012年12月14日金曜日

The Story of Lucy Gault(本)


【書誌情報】
William Trevor, The Story of Lucy Gault, 2002

【あらすじ】
2002年のブッカー賞候補作。
アイルランドに住む退役軍人のゴールト大尉は、隣人との諍いのためアイルランドを離れることにした。しかし小学生の娘のルーシーは引越しを嫌がり、家出をした後発見されれば両親が思い止まってくれるだろうと考え、家出する。しかし、ルーシーは長期間見つからず、ゴールト夫妻は娘が死んだものと諦めてヨーロッパに出発してしまう。見つかったルーシーはゴールト一家の使用人に養育されるが、今度は両親の行方をつかむことができないのだった。

【コメント】
ウィリアム・トレヴァーは日本では短編集が何冊か出版されていますが、中編も多く著していて、ブッカー賞は4回候補になりましたが受賞はしていないそうです。ノーベル文学賞の候補になったこともあるようです。

あらためてあらすじを書いてみると、少し非現実的なストーリーのような気がしますが、読んでいる最中は不思議と説得力があります。

英米でも日本でも評価の高い作家ですが、私の英語力がないため、subtlety微妙さとかかすかさをあまり読み取ることができず、平板に感じられました。そんなにページ数は多くない(200頁強)のに長く思えました。英語の問題なのか、言語は関係なく自分には内容があまりおもしろいと思えないのか分からないので、そのうち日本語訳されている作品も読もうと思いました。

画像は内容とは関係ありません。水の表現が秀逸で、赤と青のリボンが意味深です。

2012年12月12日水曜日

The Glass Room(本)



【書誌情報】
Simon Mawer, The Glass Room, The Other Press, 2009

【あらすじ】
2009年のブッカー賞候補作。
チェコスロヴァキアに住むユダヤ人実業家、ヴィクトル・ランダウアとその妻リーゼルは新婚旅行先で出会った建築家、フォン・アプトの近代的な建築理念に共感し、自宅の設計を依頼する。1929年に完成した家は、オニキスの壁と大きなガラス窓に囲まれたモダンで芸術的な邸宅だった。Glass Roomガラスの家(直訳すると「ガラスの部屋」ですが、作中で家全体をこう呼んでいるので「ガラスの家」とします)とよばれたランダウア邸ではコンサートなども開催され、子供にも恵まれた夫妻は平穏で理想的な生活を送るかのようだったが、ナチスの台頭により、子供たちの乳母とその娘共々スイスに脱出し、さらに南米へと渡る。一方、ドイツ軍に押収された「ガラスの家」はナチスの研究所として使われる。

作者Simon Mawerサイモン・モウアーは1948年生まれ。オクスフォード大学卒業後、長く生物の教師としてつとめた。本書の他に10冊の著作がある。

【コメント】
年の暮れに、今年のベストと思う本に出会えました。

未来への思いと、自らの理想の具現化であるガラスの家に住んだランダウア一家、ランダウア氏の愛人でユダヤ人であったことからガラスの家にかくまわれるカタリンとその娘、リーゼル・ランダウアの友人ハナ、ハナと関係を持つ、陰のある科学者のスタール等、ガラスの家に関連のあった人々の物語です。彼らは第二次世界大戦とその後のチェコの社会的混乱に翻弄されます。緻密な内容で緊張感があります。

主要登場人物は進歩的な思想を持っているのにブルジョアでもあり、また見方によっては時代の犠牲者でもありました。でも、単なる「犠牲者」として書いていないところが、奥行きを感じさせて好感を持ちます。また、建築はもちろん、ヤナーチェクやラヴェルの音楽、モンドリアンなどの抽象絵画、マイヨールの彫刻、モダンバレエなどいろいろな芸術に彩られています。

全体に戦争の陰鬱な雰囲気があり、家がナチスの研究所として使われる描写は不気味です。アーリア人、スラヴ人、ユダヤ人の身体的差異を定義する目的で、行われるのは身体測定と記録だけですが、ハナが言うように「鳥の標本のように、クロロホルムを嗅がされて剥製にされた」人々がいたかもしれない、と連想させます。

チェコ政府の所有となり、美術館として保存されることになったガラスの家について、本来の所有者が「怒っていないの?」と尋ねられ、「いいえ、ちっとも怒っていないわ。私は幸せよ」と言うシーンが印象的です。
なお、ガラスの家はチェコのブルノに実在する「トゥーゲントハット邸」(公式HP、写真多数あり)がモデルとなっています。ミース・ファン・デル・ローエによる建築物で、物語のとおりユダヤ系の実業家であったトゥーゲントハット氏とその家族が住んでいたそうです。 一家は迫害を恐れてスイス→南米へと渡り、チェコに戻ることはありませんでした。小説のモデルとなっているのは建物だけで、登場人物はフィクションであると作者は書いています。

小説の中で「ガラスの家」はモダニズムと登場人物の未来への思いの象徴です。ランダウア夫妻は装飾の多い19世紀的な建物や、それに象徴されるような古い体制や因習を好みませんでした。写真を見るとたしかに近代的な建築だとは思いますが、個人的な好みから言うとあまり魅力を感じません。こういった建物を見ると寒々とした思いがします。

日本語訳は出版されていないようです。下記リンクの『ローマ郊外四季物語』は同じ作者の別の作品です。

2012年12月11日火曜日

ノイエ・ガレリー

クリムト「アデレ・ブロッホ・バウアーの肖像」
 先月のニューヨーク旅行でドイツやオーストリア関連の展示がある、ノイエ・ガレリーに行きました(投稿を忘れていました)。

クリムトや、19世期末のウィーンの絵画があるかしら、と思ったのですが、常設展は少なくて、フェルディナント・ホドラーというよく分からないスイスの画家の特別展の展示がほとんどでした。ギャラリーは3階までありますが、展示の点数はたぶん200弱くらいしかなかったと思います。でも入場料はしっかり高くて、大人1人25ドルもかかります。建物はなかなか良い雰囲気ですが、特別展の芸術家がよほど好きでない限り、かなりがっかりする内容です。

ついでに、お土産屋さんで大変高価であまり実用性のなさそうな雑貨を色々売っています。併設のレストランが人気のようで、ギャラリーを素通りしてお客さんたちが行列を作っていました。

トップ絵はノイエ・ガレリー所蔵のクリムト作品だそうですが私が行ったときは隠してあったようです。

鉄道マニア ドボルザーク



クラシック音楽好きの間では結構有名な話だと思うので、得意がって披露することではないのですが、チェコの作曲家、ドボルザークは鉄道マニアでした。以下のような鉄エピソードがあります。

  • 招待され、渡米した。故郷を離れるのは気が進まなかったが(高額の報酬と)機関車にひかれて渡米した。
  • ニューヨークにいた頃は、グランドセントラル駅に出かけて機関車を見物した。
  • 毎日駅まで行って汽車を見、時刻表を暗記した。機関手と話し、汽車が遅れたときは関係者のような顔をして乗客に謝った。
  • 汽車に乗っていて音が変だと気付き、故障の発見につながった。
  • 交響曲第9番新世界「より」の4楽章は汽車の描写で、途中に鳴るシンバルの音は連結器の結合を表している。
インターネット上のいろいろな情報を適当にピックアップしただけなので、本当か嘘かはっきりしませんが、とにかく鉄道好きであったことは間違いないようです。

2012年12月6日木曜日

Great Granny Webster(本)

Caroline Blackwood(1931 – 1996)

【書誌情報】
Caroline Blackwood, Great Granny Webster, 1977

【あらすじ】
語り手の少女は10代の頃に病気療養のため、海辺に住むウェブスターの曾祖母のもとに預けられた。曾祖母は金持ちだが様々な妙な考えと習慣に固まった偏屈な人物だった。

【コメント】
「本好き、イギリス好き」を自認しておりますが(?)、表面をなぞっているばかりでまったく知識がないので、少しは勉強しようと、イギリスの文学賞、The Man Booker Prizeマン・ブッカー賞通称ブッカー賞の受賞作品と候補作品をできるだけ読もうと思いました。そんなことを思いついた割には「とりあえず短めのを読んで冊数を稼ぎましょう」と安易なことを考えています。

作者、キャロライン・ブラックウッドはイギリス貴族とギネスビールのギネス一家のお姫様の間に生まれ、画家ルシアン・フロイト(ジークムント・フロイトの子孫)、建築家Israel Citkowitz、詩人のロバート・ロウェルと結婚しました。写真を張ったとおり、美人です。本作は1977年のブッカー賞候補作です。

作者自身を思わせる孤独な少女が見聞した父方の家族の肖像です。ウェブスターの曾祖母は偏屈で風変わりな人で、その母親に育てられた祖母は結婚後、精神を病み、その息子である語り手の父親は若くして戦死し、妹はたくさんの男性と浮き名を流しましたがあるとき突然自殺します。荒涼とした屋敷で精神を病み、雑誌に載っている妖精の絵の切り抜きをして遊ぶ、自身も妖精のように美しい祖母とその妻に献身的に尽くす祖父の姿はゴシック小説の趣があります。高貴なような寂しいような雰囲気が全体に漂う一方、常にユーモアも顔を出し、「炭のクッキーを食べて涎を垂らし、叔母の高価な真白のベッドカバーを汚すペットのプードル」とか、「祖父の流儀に従ってフランス風のメニューを提示するものの、実際料理人が調理しているのはベーコンとジャガイモだけ」という記述はそこはかとなくおかしいです。

全体としてはつながりのある短編集のような構成で、だいたい一人につき1章が割かれています。(短い本を読んで冊数を稼ぐ目的と矛盾しますが)もう少し一人一人について詳しく書いてあるといいのに、とは思いました。「海辺」、「広大でさびれたお屋敷」、「恋人たちに買ってもらった物であふれている部屋」など舞台設定が魅力的なので、映画化したらおもしろそうです。

2012年12月4日火曜日

アドヴェントカレンダー



アドヴェントカレンダーを飾りました。メトロポリタン美術館のミュージアムショップで買いました。カレンダーは古い楽譜で窓を開けるといろいろな中世の絵と聖書の一節が書かれています。中世の絵、特に人物画は現代の目から見るとバランスがおかしいものが多く、ひげのあるおじさん聖人とかたくましい天使などが窓から出てきて大喜びというわけには行きませんが、意匠的なものとか、動物の絵はおもしろいです。

なお、クリスマス用品は年が明ける頃には5〜7割引で投売り状態になるのでクリスマス前に買うのは得策とは思えません。私は今年3月に買いました。

2012年12月2日日曜日

美術館入館料の割引

ボストン美術館

ボストン、ニューヨーク、ワシントンDC、シカゴの他、近場でもいくつかの美術館に行きました。DCの美術館は入場無料の所が多いですが、他はだいたい15~25ドルの入場料がかかります。加えて交通費、食費(美術館の食事は高い)もかかるので、なかなか痛い出費になります。割引が適用されたり、無料になる場合があるので狙って行ってみると良いかもしれません。入場料の出費を減らす方法はいくつかあります。

【その1 図書館で割引券をもらう】
このブログに何度か書きましたが、図書館で貸出カードを作ると居住地の図書館に予約の上、割引券をもらうことができます。割引券を使って無料になる場合と、入場料が安くなる場合とがあります。ボストン近郊に住んでいる場合、住んでいる市の図書館もしくはボストン公立図書館のどちらかから割引券をもらうことができます。ただ、割引券はだいたい一つの施設につき1日1枚しか配っていないので、人気のある施設の割引券は早々になくなります。他の地域で同様の制度があるかどうかは分かりません。

【その2 特定の曜日や時期に行く】
美術館によっては、「○曜日の一定の時刻に入館した場合は無料」となる場合があります。たとえばボストン美術館は水曜日の16時以降、ハーヴァード美術館は土曜日の午前中はマサチューセッツの住民は無料です。また、チャンスは少ないですが「開館50年記念無料キャンペーン」などが実施されていることもあります。

【その3 バンク・オブ・アメリカの口座を作る】
バンク・オブ・アメリカまたはメリル・リンチの口座を持っていると月初の週末は入館無料になる施設が全米にあります。主要なところでは、メトロポリタン美術館、シカゴ美術館、ボストン美術館など。入館時にバンク・オブ・アメリカのデビットカード等の提示が必要です。詳細はこちら(英語)

【その4 会員になる】
多くの美術館は会員制度があり、入場料が無料になったり、会議室を使用できたり、レストランやお土産屋さんで割引を受けられるなど、優遇措置があります。年会費はだいたい100ドル以上かかるようです。

【その5 改名する、レッドソックスのファンになる】
イザベラ・スチュアート・ガーディナー美術館はIsabellaという名前の人は入場無料というユニークな制度があります。また、(どんな名前であろうと)誕生日は無料になります。さらにボストン・レッドソックスのシャツや帽子などを身につけていると2ドル割引が適用されるそうです。

ボストン美術館再び


ボストン美術館に行きました。渡米して3回目の訪問です。

図書館で割引券(入場料一人$25→$7)をもらっていましたが、代金を支払おうとしたところ、「バンク・オブ・アメリカの口座を持っているなら今日は無料になりますよ」と言われて、無料で見ることができました。

雪の日だったので、館内は空いていました。雪は積もると面倒ですがうっすら降ると、不都合なものがうまく覆い隠されてきれいです。美術館の窓から見える景色も粉砂糖をかけたようでした。



館内はクリスマス仕様になっていました。なんだかワクワクします。


前回来たときは展示されていなかったか、気付かなかったのですが今回見ておもしろかったのは上の作品です。この絵は、ボストン美術館の一室を描いていて、絵の展示されている斜め後ろの角度から写真を撮影するとこのようになります。


こんなふうに写真を撮影して、それをもとに描いたんだろうか、と思いました。先日の感謝祭でお邪魔したお宅でやったのは「スカヴェンジャー・ハント」というゲームで、写真の束を渡されて、同じ角度から同じ写真を撮影するというもので、そのゲームのようだと思いました。


モーリス・ブラジル・ペンダーガストの作品です。白い帆船と、パステルカラーの服を着た女の子たちの姿がマザーグースの童謡を思わせます。


ギュスターヴ・ドレ作。野の花と蝶を描いたのどかな景色なのに、手前に大鎌が置かれています。


夫曰く「なんというか、鳩胸って感じやな」。ええ、まあ鳩ですし。


日本の作品です。オウムが逆立ちをしているのがかわいいです。動物はアジアの絵や彫刻におもしろいものが多いように思います。


こちらも日本の作品で「鼠猫合戦」とのタイトルでした。どんなストーリーなのか気になります。


珍しい、操り人形の静物画です。青が鮮やかです。先日見た映画、『ホフマン物語』(操り人形が効果的に使われています)のような不思議な雰囲気があります。


お土産はいつものとおり絵葉書を買いました。美術館の入口の所で縞模様のあるドングリを拾いました。

2012年11月30日金曜日

MoMAのピンバッヂ


ニューヨーク近代美術館(MoMA)のオンラインストアでこんなピンバッヂを見つけたので買いました。1940年代の同美術館の「平均的な一日」を描いたイラストを元にしています。郵便屋さんと、挨拶を交わす男女と、変な彫刻を運んでいる人たちが描いてあります。

MoMAのオンラインストアは日本語版もあります。妙なものが大半を占めているように私には思えますが、オシャレなものもあります。アメリカ版と同じ品揃えではないものの、価格は送料などを考慮すると大幅に高いわけではありません。

バッヂはいつも持っている布カバンに付けました。変な彫刻を運んでいるものはこっそりと夫のカバンに付けました。渡米前に海外での安全に関する講習を受け、「皮と布の鞄なら、布でちょっとくたびれた物の方がスリに狙われにくいです」と教わったので、アメリカに来てからは皮のカバンはあまり使わなくなりました。

クランベリー


クランベリーは和名ツルコケモモです。日本での生産は少ないようですが、感謝祭のご馳走の七面鳥には必ずクランベリーソースが添えられます。ネコはうまそうぢゃと舌なめずりをしていますが、酸味が強くほとんど甘くないので生で食べる人はあまりいません。

多くの場合はジャムやソースにしたり、アメリカンマフィンに焼き込むなど、加工して食べます。また、鮮やかな赤い色をしているので、糸で長くつないでクリスマスツリーの飾りに使うこともあるようです。加工しても赤い色がきれいに残ります。クランベリーソースは甘いので、七面鳥と一緒に食べるというのは私にはよく分かりません。ジャムにしてパンやクラッカーにつけて食べるとおいしいです。

クランベリーの収穫方法がおもしろいです。畑に水を入れると、実が浮いてくるのでそれをすくいあげるのだそうです。画像

日本だと、イケアの食品コーナーで「リンゴンベリージャム」を売っています。リンゴンベリーは厳密にはクランベリーと少し違うようですが、食べてみても違いは分かりませんでした。少しクセのある味で、イチゴジャムなどより酸味があります。

2012年11月26日月曜日

The Loved One(本)

写真は本文とは関係ありません

【書誌情報】
Evelyn Waugh, The Loved One, Little, Brown and Company, 1948

【あらすじ】
デニス・バーロウはイギリス出身の詩人で、ロサンゼルスにてペットの葬儀屋に勤務している。先輩脚本家が映画会社を解雇されて自殺したことから、(人間の)葬儀屋で死化粧を行うAimeé(以下「エイミー」と表記します。英辞郎先生は「エイミー」または「エーメ」と読むと言っています)と知り合い、恋をする。エイミーの同僚のジョイボーイ氏もまた、エイミーに言い寄る。エイミーはイギリスの名詩を自作であるかのように偽装して送ってくるデニスと、ママ・ボーイのジョイボーイ氏のどちらと結婚すべきか迷い、その都度新聞の人生相談に投稿するが…

【コメント】
イーヴリン・ウォーの『回想のブライズヘッド』とA Handful of Dust(『一握の塵』)がおもしろかったので読んでみました。中編で短めですが、英語は少し難しいです。

イーヴリン・ウォーは風刺小説作家で、本作はとりわけブラックユーモアが効いています。人の死までもビジネスチャンスにしてしまう、過剰なアメリカの商業主義を風刺していますが、私にはいくらなんでも行き過ぎに思えました。登場人物は頭が悪くて品性も低い人ばかりですし、読んでいてなんとも寒々とした気分になる内容です。なんだか変な小説だなぁと思いつつも、最後までページをめくらせてしまうところがすごいといえばすごいかもしれませんが、笑える部分はありません。

2012年11月24日土曜日

サンクスギビング


サンクスギビングはアメリカ人の多くにとって大切な行事のようですが、由来からして日本人の私には関係がないし、Wikipediaの
インディアン達は感謝祭をこの日を境に先祖達の知識や土地がヨーロッパからの移民達に奪われた、「大量虐殺の始まりの日」としている。(中略)
ワンパノアグ族を中心に、ニューイングランドのインディアン部族が結成するニューイングランド・アメリカインディアン連合は、ピルグリムファーザーズのこの感謝祭にぶつけて同じ日に、「全米哀悼の日」としてデモ抗議を毎年行い、喪服を着て虐殺された先祖達に祈りを捧げている。
という記述を読むと、外国人が積極的に祝うようなことでもない気がして、特別なことをする予定はありませんでした。

とはいえ、そこまで揺るぎない思想を持っているわけでもないので、親切な人が「我が家に遊びに来ませんか」と誘ってくださったので喜んでお邪魔させて頂きました。今となっては「我々の偉大な先祖、ピルグリム・ファーザーズに思いを馳せる」という日ではなく家族でおいしいものを食べてゆっくり過ごすことがサンクスギビングの主な目的になっているようでもあります。実際、お邪魔したご一家は20世紀になってからアメリカに渡ってきた人たちで、お客さんたちも非アメリカ人ばかりです。


お宅の敷地には池と数エーカーの林があります。七面鳥を頂いた後は、森の中でオリエンテーリングをして遊びました。


イギリス式のクラッカーです。J.R.R.トールキンの『サンタクロースからの手紙』でこのように二人で両側を引っ張るクラッカーを見たことがありますが、実物ははじめて見ました。手を交差させてテーブルをぐるっと囲むようにしてクラッカーを開けると、中から小さなハンドベルと紙の帽子が出てきました。帽子をかぶり、ハンドベルで短い曲を演奏しました。

 先日ニューヨークの日本食店で買ったウサギ形饅頭をお土産に持っていきました。ウサギの描いてある箱を気に入ってもらえて、「お母さん、その箱私にちょうだい」お母さん「ダメよ、これ私のよ」と言っていました。「日本のお菓子って、『ただ単に砂糖をムシャムシャ食べている』という感じがしなくて、いいよね」と言われました。

楽しいサンクスギビングでした。

2012年11月23日金曜日

ニュージャージーのバス乗車方法とスクラップブックなど

部屋からの眺め
 ボストン~ニューヨークを旅行する場合、電車やバスなどの移動手段もありますが、夫の希望により車で行きました。その方が荷物もたくさん持って行けるし、楽です。その場合駐車場があるホテルを選ばなければなりませんがマンハッタンのホテルは駐車料金が高すぎるので論外です。それで
  • 駐車場があるが、モーテルではない
  • 駅まで徒歩数分で、電車に乗れば簡単にニューヨークの中心部まで行ける
  • 清潔で顧客満足度が高い
  • 夜にうるさくない
  • 1泊200ドル以下
というホテルを予約したいと思うと、選択肢は2、3に絞られます。今回はニューヨークではなく、ニュージャージーに宿泊しました。NYC-JCという会社で、ホテルではなくアパートの部屋を貸しています。日本にいたときは会社の福利厚生を使ってちょっと言えないような値段で宿泊していたので、1泊150ドルという値段は高い気がしますが、アメリカは都会に宿泊しようと思うと最低でもそれくらいは出さないとまともな所には泊まれないようです。ホテルではないのでアメニティは少ないですし、宿泊中の掃除も別途お金を出さないとやってくれません。台所があり、食器や調理器具なども一通り揃っているので、長期滞在に向いていると思います。

このアパートは上記の条件をすべて満たしていて、車で行く場合はおすすめしたいですが、今回はハリケーン・サンディの影響で電車が動いていなかったので、近くの駅からHobokenまで行った後、バスに乗ってニューヨークまで行きました。電車なら数分で行けるはずですが、バスに乗ると30分以上かかります。

バスは先にチケットを買うか、現金で運賃を支払います。現金で支払った場合お釣りは出ません。ニューヨークからホーボーケンに戻るときはPort Authority Bus Terminalから同じバスに乗ります。バスターミナルには、数百(はないかもしれませんが、とても多い)の乗車ゲートがあり、行き先の異なるバスが出ています。乗車ゲートの番号とバスの路線番号は関係がなく、案内表示も不親切です。運良く時刻表が見つかればゲートについての情報も記載されていますが、見つからない場合その辺のバスの運転手などに尋ねるしかないようです。2012年11月時点の時刻表はこちら。サンディのようなハリケーンは頻繁に来るものではないはずなので普段はもっと簡単に移動できると思いますが…



先日読んだThe Scrapbook of Frankie Prattの真似をして、美術館のパンフレットなどをスクラップブックに張ってみました。先にレイアウトを決めてから糊付けすべきでした。思いつくままどんどん張ったので変になりました。


2012年11月22日木曜日

セントラルパーク


美術館を見た後はセントラルパークを散策しました。天気が良かったです。


食事中。ボストン、ワシントンDC、ニューヨークなどアメリカは都会もリスがたくさんいます。人間がベンチに座って袋をガサガサすると、期待に満ちたつぶらな瞳でこちらをじっと見ます。


名残りのばら
その後、コロンブス・サークルのデパートまで歩きました。


クリスマスらしい飾りです。電球の色が七色に変化します。東京都庭園美術館の金平糖形ランプにも似ています。デパート内のパン屋さんで早めの夕食を食べました。アメリカのレストランは食べきれないほどの量が出てくることが多いですが、オシャレな雰囲気で値段が高めのところは、味が良くても量が少ないです。


デパートでニューヨークのお土産を、と思ったのですが、ロクシタンやゴダイヴァなど、外国資本のお店ばかりで適当なものが見つかりませんでした。缶に絵が描いてあるミントを買いましたが、これもイギリス製です。