The Story of Lucy Gault(本)


【書誌情報】
William Trevor, The Story of Lucy Gault, 2002

【あらすじ】
2002年のブッカー賞候補作。
アイルランドに住む退役軍人のゴールト大尉は、隣人との諍いのためアイルランドを離れることにした。しかし小学生の娘のルーシーは引越しを嫌がり、家出をした後発見されれば両親が思い止まってくれるだろうと考え、家出する。しかし、ルーシーは長期間見つからず、ゴールト夫妻は娘が死んだものと諦めてヨーロッパに出発してしまう。見つかったルーシーはゴールト一家の使用人に養育されるが、今度は両親の行方をつかむことができないのだった。

【コメント】
ウィリアム・トレヴァーは日本では短編集が何冊か出版されていますが、中編も多く著していて、ブッカー賞は4回候補になりましたが受賞はしていないそうです。ノーベル文学賞の候補になったこともあるようです。

あらためてあらすじを書いてみると、少し非現実的なストーリーのような気がしますが、読んでいる最中は不思議と説得力があります。

英米でも日本でも評価の高い作家ですが、私の英語力がないため、subtlety微妙さとかかすかさをあまり読み取ることができず、平板に感じられました。そんなにページ数は多くない(200頁強)のに長く思えました。英語の問題なのか、言語は関係なく自分には内容があまりおもしろいと思えないのか分からないので、そのうち日本語訳されている作品も読もうと思いました。

画像は内容とは関係ありません。水の表現が秀逸で、赤と青のリボンが意味深です。

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