BSOの「オルガン付き」

本文と関係ありません。ボストン美術館所蔵

 ボストン交響楽団のコンサートに行きました。指揮者はクリストフ・エッシェンバッハ、曲目は
でした。

モーツァルトは聴きやすく、きれいな曲です。夫は「毒にも薬にもならん音楽やな」と言っていました。トーマスのチェロ協奏曲は世界初演だそうです。コンサートに行くと1曲くらいは現代音楽がプログラムに含まれ、いつも前衛的で変だと思うのですが、この音楽はその中でも並外れて変だと思いました。キーン、ピーン、フォーーーンという音ばかりで頭が痛くなりました。

サン・サーンスのオルガン付きは好きな曲でしたが、録音を聴いたときに3くらいのインパクトを受けるとすれば、ライヴ演奏の印象は100くらいで、目覚ましい感動的な体験でした。録音だとオルガンが低音を演奏している場合や、ピアニシモの音はあまりよく聴こえないか、管楽器の音のように聴こえて、私はこれまでに何度もCDを聴いているにも関わらず、てっきり「オルガンは4楽章まで登場しない」と思っていました。ライヴで聴いて初めて2楽章でもオルガンが演奏されることを知りました。近年は録音の精度が上がり、スピーカーも高性能のものが販売されているのでしょうが、オルガン付きをホールで聴くと音が立体的です。オルガンの音が空気を振動させ、直接心臓に響きます。美しい音に包まれ、体内まで浸透してくる感じが良いです。この交響曲は、クライマックスに向かって盛り上がり、パフォーマンス性が強いところが演劇かお祭りのようだと思います。最後がテインパニの花火で終わるのも格好良いです。

これは一生に一度はホールで生演奏を聴きたい類の音楽だと思いました。観客も興奮しすぎて、演奏が完全に終わる前に拍手を始めていました…(勘弁して)。

本来は別のコンサートを予定していたところ、大雪でキャンセルになってしまったためチケットを交換してもらったのでしたが、そうでなければオルガン付きは敢えてコンサートに行こうとはしなかったと思います。キャンセルになったことが却って良かったほどでした。

同じコンサートについての夫の感想。理系エンジニアなのに文才があって嫉妬。

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