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鏑木清方「七夕」 |
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鏑木清方は小村雪タイ(漢字変換できません)と並び、泉鏡花の作品の挿絵画家でした。私は「雪タイ:冬の画家」、「清方:夏の画家」と思っています。雪タイの描く雪景色は、物悲しく枯れた感じにならず、 粋です。清方の描く夏は日本の夏の風物(金魚、虫かご、朝顔などなど)が随所に見られます。実際は湿度が高くて暑苦しいのでしょうが、絵の中は涼しい風が吹いていそうです。七夕は昨日終わってしまいましたが、上の絵は短冊をつけた笹の他に、着物、琴、虫かご、スイカなどを飾っていておもしろいです。昔は七夕の折り、実際に月見団子を飾る要領でスイカを飾ったり、 緋毛氈に小さなうちわを突きさしたりしていたのでしょうか。琴は織姫にちなみ、他の物は涼しそうだからだと思いますが、飾り方が見れば見るほどシュールでユーモラスです。
【訂正】
青、黄色、白、赤、緑の円形のものはうちわだと思ったのですが、中国では七夕に五色の糸を飾ったそうなので、糸巻きに巻かれた糸ではないかと思います。
清方は夏休みの絵日記風な「卓上芸術」がいいです。「
鏑木清方記念美術館」は鎌倉に行ったときは必ず寄ります。小さい美術館なので展示は非常に少ないですが、空いていて静かです。季節毎に展示が入れ替わります。入場料も安いので鎌倉にいらした際にはぜひ。鏑木清方の画集は非常に高価だったり、選択肢が少ないのですが美術館で販売している過去の展覧会のカタログは種類豊富で良いです(入場料が安いのにお客さんが少なくて、先行き不安になるので宣伝しておきます)。
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小野竹喬「鴨川夜景」 |
小野竹喬の夏休みらしい一枚です。青い夜の景色に灯るあかりが蛍のようです。季節が夏かどうか定かではありませんが、木製のベランダ風の場所で浴衣姿の人々が夕涼みをしているように見えます。
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川瀬巴水「弁天堂」 |
川瀬巴水は青を多用した作品が印象的です。上野公園は何度も散歩したので、懐かしいです。実際は、夏は結構においがきついです。蓮もこれだけ茂っていると中に何か潜んでいそうですね。この絵は、ボストン美術館所蔵だそうです。ボストン美術館に行ったときはいつも日本のコーナーは素通りしていたので、次回行ったときはちゃんと見ようと思います。
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松岡映丘「さつきまつ浜村」 |
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松岡映丘は民族学者の柳田國夫の弟にあたり、他に3人いた兄も皆医師や学者だったそうです。物語や歴史を題材とした作品が多く、精緻な描写が特徴です。少し知名度が低いことが残念です。奥行きの感じられる上の作品は、場所はよく分かりませんが私には数年前に夫と伊豆に旅行した時に電車から見た景色を思わせます。
本来なら「涼しい絵・東南アジア編」、「南米編」、「アフリカ編」もあった方がいいのですが、その地域の美術はよく知らないので、ごめんなさい。
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