2012年2月27日月曜日

Jane Eyre (映画)


 2011年に公開された、最新の『ジェーン・エア』です。IMDB先生によれば、『ジェーン・エア』はこれまでに20回ほども映画や、TVドラマ化されたそうです。私は本作品以外にはジョーン・フォンテインと、シャルロット・ゲンズブールが主演している物、その他いくつかをyoutubeで断片的に観ましたが、この最新の『ジェーン・エア』が一番良いと思いました。ジェーン・エアがヒロインとして画期的なのは、孤児で、美しくなかったにもかかわらず、自分の手で幸福をつかんだことです。そのため、映画のジェーン・エアがあまり美人だったり、お嬢様っぽい雰囲気を出していたり、年を取りすぎていたりしてはダメだと思うのです。

本作品の主演はオーストラリア出身のミア・ワシコウスカです。 絶世の美人ではありませんが、少女小説の主人公らしい雰囲気です。物静かな佇まいで、芯の強さとか情熱を秘めた表情は、小説のジェーン・エアが抜け出したようです。裕福な家庭のお屋敷や、庭、荒野などのイギリスらしい風景も満載です。映画では省略されがちな、セント・ジョン・リヴァースとその妹たちもかなり重要な役割を果たしています。

それと、印象的だったのはロチェスターの狂気の妻、バーサです。登場するのは1、2分ですが、単なる不気味でわけの分からない精神病患者ではなく、寂しげな表情でロチェスターにすり寄る、若く美しい女性です。小説はジェーン・エアの一人称で語られるため、騙されて重婚させられそうになった主人公もしくは狂女に束縛されているロチェスターが犠牲者?であるかのような書きぶりなのですが、本当に気の毒な犠牲者だったのは語る余地を与えられていないバーサだったのだと思いました。ジーン・リースの『サルガッソーの広い海』はバーサから見たジェーン・エアです。こちらも読んでみたいです。





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