2012年11月26日月曜日

The Loved One(本)

写真は本文とは関係ありません

【書誌情報】
Evelyn Waugh, The Loved One, Little, Brown and Company, 1948

【あらすじ】
デニス・バーロウはイギリス出身の詩人で、ロサンゼルスにてペットの葬儀屋に勤務している。先輩脚本家が映画会社を解雇されて自殺したことから、(人間の)葬儀屋で死化粧を行うAimeé(以下「エイミー」と表記します。英辞郎先生は「エイミー」または「エーメ」と読むと言っています)と知り合い、恋をする。エイミーの同僚のジョイボーイ氏もまた、エイミーに言い寄る。エイミーはイギリスの名詩を自作であるかのように偽装して送ってくるデニスと、ママ・ボーイのジョイボーイ氏のどちらと結婚すべきか迷い、その都度新聞の人生相談に投稿するが…

【コメント】
イーヴリン・ウォーの『回想のブライズヘッド』とA Handful of Dust(『一握の塵』)がおもしろかったので読んでみました。中編で短めですが、英語は少し難しいです。

イーヴリン・ウォーは風刺小説作家で、本作はとりわけブラックユーモアが効いています。人の死までもビジネスチャンスにしてしまう、過剰なアメリカの商業主義を風刺していますが、私にはいくらなんでも行き過ぎに思えました。登場人物は頭が悪くて品性も低い人ばかりですし、読んでいてなんとも寒々とした気分になる内容です。なんだか変な小説だなぁと思いつつも、最後までページをめくらせてしまうところがすごいといえばすごいかもしれませんが、笑える部分はありません。

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