涼しい絵・欧米編その1

ボストンは札幌と同じくらいの緯度なので夏も涼しくて、30℃前後まで気温が上がる日なんて年間に3日ほどしかなく、クーラーもプールもほとんど使う機会がないだろうと思っていました。ところが、実際には6月の後半から晴れた日は必ず暑く、気温は室内でもクーラーなしだと30℃を超えます。雨も多く、湿度が高いため日本の夏と同じです。そこで涼しそうな絵を集めてみました。

Alma Tadema, 'A Kiss'
 アルマ・タデマはヴィクトリア時代に活躍した画家です。オランダ出身で、主にイギリスで活動しました。アルマ・タデマの描く人物は私にはやや通俗的に思えるのですが、水の表現がすばらしいです。アルマ・タデマの作品は海、湖、お風呂、噴水など水をテーマとしているものが多く、自然界の水は青で、噴水などは白っぽく描かれていますが、色に関わらず海や湖はお風呂のよう、お風呂や噴水は海のようです。水はいつも冷たそうで透明で、こんな水の中なら息が切れることもなくどこまでも泳いでいけそうです。

Turner, 'The Blue Rigi'


 J.M.W.ターナーです。油彩が有名ですが私は水彩画の方が好みです。空と水の色がきれいです。上の二枚の絵は静かで平穏で、夏休みの夜の「明日も学校に行かなくてよいなぁ」というのんびりした気分を思い出させます。ターナーは多作で、画集もたくさん出ています。ターナーの水彩画集や絵葉書は見るとつい買ってしまいます。

Winslow Homer,'Summer Night'
ウィンズロウ・ホーマーはアメリカの画家です。この作品は高校生のころに一人で東京まで展覧会に行って初めて見ました。水しぶきや、風が感じられて涼しげであり、同時に空の色、光の当たり具合や、女性同士で近々と身体を寄せてダンスをしていることがなんとなくあやしい雰囲気を出していて、絵葉書を買って時々眺めていました。最近、義姉が「punkaさんこういう絵が好きだと思って」と言ってこの絵葉書を送ってくれて、嬉しかったです。

Claude Lorraine, 'La campagne romaine'
クロード・ロランです。不都合なものを一切排除した、非現実的なアルカディアのような風景を描く人だと思います。都会にいて無機質な景色ばかり見ているとこういう風景が見たくなるので、都内で仕事をしていた時にはクロード・ロランをPCの壁紙に設定していました。ただ、アイコンが見にくくなるので壁紙にはあまり向いていないようです。

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