2019年3月31日日曜日

お花見2019

昨年の目黒川のお花見は晴れた日の昼に行ったのですが、インターネットで閲覧できる美しい写真を見て、これはぜひ、夕方に行ってみたいと思いました。満開の休日に行きました。
写真の腕がないのが残念ですが、マジックアワーも手伝って、桜は幻想的でした。しかし、実際には人、人、人の大混雑です。こんなに現実と隣り合わせの幻想もなかなかシュールです。満開の期間も短く、都内人気1位のお花見スポットなので、無理もありませんが、平日の仕事帰りを狙うなどした方が良いかもしれないと思いました。
夫と途中ではぐれてしまい、道に迷い、駅で300時間ほども待たせるという、悪いことをしてしまいました。半泣きになって、夫に「焦らなくてええで」と言ってもらい、個人のお宅を改装したような、感じの良い小さなレストランで夕食にしました。

若い頃は花に興味はなかったのですが、近年は、桜はとにかく見ないとと思っています。夫と「そろそろ満開でしょうか」「近所の桜がよく咲きました」と話して、老人ぽいですね、と笑っています。昨年は、お花見の帰りに、フォートナム&メイソンのティーハウスに寄りました。その時は、「転職をしようと思います。第一希望は●●で、××事業専属の法務担当になるんですが、××は新しい分野で、大学の専攻とも少し関係があって」「すごくおもしろそうやん。きっと行けると思うわ」と話しましたね、と言って、夫に「なんでそんな恥ずかしい話を覚えてるん」と言われました。

2019年3月17日日曜日

岡上淑子展@庭園美術館



東京都庭園美術館へ、岡上淑子展に行きました。岡上淑子の作風は、庭園美術館の雰囲気とよく合う気がして、昨年から楽しみにしていた展覧会です。岡上淑子は、文化学院に学び、1950年代に、Vogue等、アメリカのファッション雑誌の写真を使用して、コラージュ作品を製作しました。製作期間は50年代の7年間のみで、Wikipediaによれば、1959年以降はほぼ活動を中止しているとのことです。2000年代に入って再び注目を浴びるようになりました。私は、2000年代の終わりころに雑誌の表紙で初めて見て、強く印象に残っていました。

製作期間が短かったこともあり、コラージュ作品は全部で140程度とのことです。今回は、150点余が出展されていて、その内コラージュは100程度でした。ディオールやバレンシアガのドレスや、マックス・エルンストの挿絵本、コラージュの材料になった雑誌等の展示もあり、充実した内容です。庭園美術館の、ゴシック調でありながらクールな雰囲気と合っていると思いました。シュールレアリスムはこのようにエレガントで美しくなくては、と思います。ゼロからオリジナルではなく、他人の写真を素材としているにもかかわらず、岡上淑子の作品は特徴的・印象的であり、一度見たら忘れられないし、見たことがない作品でも一目見てすぐ分かります。見ていて、プロコフィエフの「シンデレラ」が頭から離れませんでした。

私も、古いファッション雑誌を購入して、コラージュを作ってみたくなりましたが、それじたいが完璧であるファッション写真を切り刻んで別世界を構築するということは、写真家に匹敵するセンスを持っていないとやってはいけないように思いました。やはり凡人が手を出すことではない、と思い直しました。庭園美術館の新館には不満しかなくて、行く度に、夫に「この建物は頂けませんね」と文句を言っていたのですが、岡上淑子のコラージュ作品は、基本的にモノクロで、サイズも小さいので、明るく広々とした新館の展示の方が見やすいです。絵葉書が充実しているのもうれしく、買い込んでしまいました。