2015年12月29日火曜日

東急文化村 ラファエル前派展



渋谷の東急文化村で開催中の、「英国の夢 ラファエル前派展」に行きました。リヴァプールにある3つの美術館に所蔵されている、ラファエル前派の作品が展示されています。作品数は60点余りと少ないですが、色彩豊かで中身の濃い作品が多く、見応えがあります。
J.E.ミレー『リンゴの花』1856-59年
ラファエル前派の画家の描く女性像は魅力的です。以前からラファエル前派関連の本や画集はそれなりに読んだので、実物を見るのは初めてなのに、なじみのある作品もありました。J.E.ミレーの『リンゴの花』は見られてうれしかった作品の一つです。色とりどりの服を着た少女たちがバランス良く配置され、目に快い作品です。細部まで精緻に描かれています。色鮮やかな服、若い女性、という点ではポスターにも使用されているウォーターハウスの『デカメロン』にも通じるものがあります。今回、D.G.ロセッティは少なめで、バーン=ジョーンズは『レバノンの花嫁』と、天使の絵がありました。

エドワード・バーン=ジョーンズ『フラジオレットを吹く天使』1878年
バーン=ジョーンズの作品の気高さは際立っています。ラファエル前派らしい、甘く、華やかなだけではない、高貴な精神を感じさせるような。『レバノンの花嫁』は雅歌を主題としています。パブリックドメインの画像が見つからないため、載せませんが、ユリの花が印象的です。


twitterで「薄明かりの絵画@twilight_art」のアカウントで絵画の紹介をしています。これに登録してある800強の画像のうち、今回は2枚、実物を見ることができました。

アーサー・ヒューズ『ガラハッド卿の聖杯探求』1870年
かなり大型の作品で、画像を縮小するとなんだかよく分からない、という感じですが、濃紺の夜空に3人の天使が飛んでいて、清らかな雰囲気の、美しい一枚です。

アルバート・ムーア『夏の夜』1890年
 4人いる女性は、実は同じ一人の女性の姿を描いているのだそうです。遠景の夜の海と、灯りが良いです。ガーランドや、床に置いた東洋の壺、古代ギリシア風の女性像などは唯美主義的なものだと思います。

展覧会のあと、ル・シネマで『アンジェリカの微笑み』を見ました。映画自体は微妙だと思いましたが、帰宅してチラシを眺めていて「おや!」と思ったのは、映画の女優さんがペルジーニのシャクヤクを抱えた婦人によく似ているということでした。伏し目の表情だけでなく、容貌も似ていると思います。文化村も芸が細かいです。

私がラファエル前派の追っかけをしていた中~高校生の頃は、ラファエル前派関連の画集はあまりなくて、高価な洋書の画集を羨望の目で眺めていたものですが、ここ10年くらいで急速に画像が充実し、ポストカードブックなども出版されるようになりました。ミュージアムショップは百花繚乱です。同時にインターネットできれいな画像が見られるようにもなりました。15年前にこれくらい資料が豊富にあれば、10代の自分は大喜びしたと思いますが、美に耽溺して身を持ち崩していたような気もします。

2015年12月20日日曜日

クリスマスに買ったもの

蛍石は特に意味なし
23日は休日出勤の後、海外出張で、25日に戻ってきてそのまま大掃除、納め会、というスケジュールなので、クリスマスを祝うどころではありませんが、ボーナスも頂いたので買い物をしました。久しぶりに娯楽的な物を買いました。1つは、ジャルディーノ・アルモニコのバロックCD11枚セットです。ヴィヴァルディやバッハが中心ですが、モンテヴェルディ、タルクイーニオ・メールラ、スカルラッティ、ハインリヒ・ビーバー等、知名度は高くないものの、好きな作曲家の曲が入っています。演奏も独特ですし、曲目が多いです。

2つ目は、大学ノート10冊セットです。ここ半月くらいですが、ドイツ語のディクタートにはまっています。Slow GermanDeutsche WelleTop-Thema mit Vokabelnのいずれかを毎朝1本、週末には10本くらいディクタートをしています(暇人)。 朝は、本を読んだり選択式の問題集をやるよりも、音声を聴いたり、手を動かしたりする方が目が覚めるように思います。聴き取り能力や、語彙能力が多少は向上できるのではないかと思いますし、ドイツ語は英語よりは音と表記が一致しているので、このくらい遅い録音であれば、楽しく練習できます。ディクタートはノートをたくさん使います。2016年末に、このノートがどのくらい残っているか、何本のディクタートをしたのか、はさておき、それによってどこまで成果が出るのか(出ないのか)はちょっと興味があります。ドイツ語をやってもほとんど役にも立たないでしょうから、自分でも何に駆り立てられているのか、よく分かりませんし、趣味がテープ起こしというのも暗すぎる気はします。それで、夫に「私はそこまで語学が好きなわけでもないんです」と言ったので笑われました。

2015年10月3日土曜日

海遊館



シロナガスクジラ不在の大水槽

10年前の9月に行った海遊館を再訪しました。その時は、天気が良かったので遊覧船に乗りました。夫と私の記憶では、海遊館はどんどん美化されて、「大きな水槽にシロナガスクジラがいる」ということになっていました。他の水族館に行く度に「海遊館にはクジラがいましたね」「そやなぁ」と話しました。でも、今回行ったらクジラはいなくて、私は「クジラは死んでしまったんでしょうか。水槽の大きさの割に、魚が少なすぎると思いますが」などと夫に文句を言っていたのですが、海遊館には今も、昔もシロナガスクジラはいません。水族館で飼育されているのは、最大でもイルカやアシカであって、シロナガスクジラを飼っている水族館など世界中でもないようです。


クラゲの美しさは芸術的ですが、今回のベストショットはこの方です。逆さになって水槽の上から人間を見ていました。アザラシは丸い体形ですが、とても敏捷に泳ぎ、写真を撮るのは難しいです。目がぱっちりしていてネコのような髭を生やしています。


水中の生物はなかなかおもしろいデザインのものが多く、動きも哺乳類と異なり、独特で見ていて飽きません。動物園は動物がかわいそうな感じで、あまり行きたくないのですが、水族館の生物は全体的に楽しそうですし、青い照明も好みです。飼われている生物も水族館ごとに多様性があり、何を見せたいか、どのように見せたいかも個性があります。旅行をしたら行きたいところその1は美術館、博物館、その2は水族館です。

  • 大洗水族館
  • サンシャイン水族館
  • ニューイングランド水族館
  • モントレー湾水族館
  • シカゴ水族館
  • 江ノ島水族館
  • 海遊館
  • 名古屋の水族館
  • 須磨海浜水族園
 これまで行ったことのある水族館を並べてみると、結構な水族館好きと言えます。江ノ島水族館が特に良かったです。もう一度行ってみたいと思うのはモントレー湾水族館です。


2015年9月22日火曜日

三渓園


横浜といえば、中華街でもみなとみらいでもなく、三渓園です。「17.5ヘクタールの敷地に、各地から17棟の重要文化財を移築し」という説明を読むと、テーマパークのようなイメージを持ちますが、土地の起伏を生かした配置で、庭園とも調和しているため、テーマパークのようなギラギラした、ちぐはぐな感じとは無縁です。気心の知れた人と、静かに散策したい名所だと思います。



 しかし、花は今の季節は、ヒガンバナ、ハギ、フヨウくらいしかありません。サクラ、またはアヤメ、フジなど、花のある季節の方が良いとは思います。夏は蛍もあるそうです。9月は、夜にライトアップとお月見もあるようで、近くに住んでいるなら出かけたいものですが、自宅からは電車で2時間近くかかり、駅からも遠いので、将来の楽しみとしてとっておくことにします。





三渓園の良いところは、周りが丘に囲まれていて、ほぼ池を中心として配置されているため、外にある諸々があまり見えず、ちょっとした別世界のような感覚に浸れることです。現実逃避するなら、これくらい徹底して逃避したいものだと思います。展望台に上ると、美しくはない湾の風景がよく見えて、我に返ります。




園内には橋が多いです。お彼岸に行ったからというわけでもないでしょうが、橋は単純に、川などで隔てられたこちらがわと向う側をつないでいるだけではないような気がしますし、笹のトンネルの向うには思いがけないものがあるように思えてきます。


花は少ないとはいえ、全体としてフォトジェニックな庭園ですし、そんなことを思わされるので、このタイミングで出かけるのも意味のあることだったのかもしれません。別世界のことはさておき、結婚前に夫と行ったことがあったので、色々と過去のことを思い出しました。

2015年9月20日日曜日

9月の花・ラン


8月半ばから太陽がほとんど顔を出さず、9月半ばころまでの日照時間を調べると、都内で平年比40%程度だったようです。でも、シルバーウィークは初日から良いお天気でした。連休に出かける予定もないのでお花を買いました。

ランは世界で15,000種類、日本では230種類もあって、しかもなお品種交配がさかんだというので、くらくらしてきます。ランの栽培について、印象的な描写があるのが、ルース・エルウィン・ハリスの『グウェンの旅だち』です。

ランは形が複雑で、華やかな花だと思います。南国的でもあります。棚の上に置いている他の飾りとあまり相性が良くありませんが、季節によって異なる種類の花を飾り、変化を楽しみます。紫やピンクのランは花屋さんでもよく見かけます。でも、エライ人の居室に置いてあるような胡蝶蘭よりも、緑色や白の、花弁の細い、渋いランに憧れます。

2015年9月13日日曜日

栗おこわ



栗はアメリカにも売っていることは売っていますが、小さいのを時々見かける程度で、あまり好んで食べるわけではないようです。皮をむくのが面倒だからだと思います。大粒でつやつやとした栗がきれいだったので、買ってきて栗おこわにしてみました。皮を少し切ってから、圧力鍋で少し加熱し、皮をむきます。爪が痛くなります。

20個もむいたら嫌になり、残りは茹でて中身を取り出して食べることにしました。でも、2年前のブログ記事にはもっと小さい栗を50個ほどもむいた、と書いてあるので、ご苦労さん、という感じです。

栗おこわはデパ地下でも買えますし、家庭用の、ご飯に入れて炊くだけの栗おこわセットのようなものも販売されていますが、出来合いのと、自分でむいて作るのとでは、食感が違います。Wikipediaにも、「作業に手間がかかりすぎるのを嫌って、あまり外食産業では見受けられない家庭料理である。家庭でも既に下ごしらえがされたレトルト材料を使う事が多い」と書かれているので、おいしい栗おこわを食べようと思うと、やはり自作するしかないようです。契約書審査よりはよほど大変な労働なので、普段会社勤めをして、休日に栗の皮むきのアルバイトをしようとは思えません。自分で食べる分しかやりたくないです。そもそも、社則でダブルワークは禁止されていますが。

せっかくの栗なので、他のお惣菜もいろいろ作ったら、調理に2時間近くかかってしまいました。平日は全然料理をしないで、休日だけ気合を入れるので、段取りが悪く、時間がかかります。不健康極まりないですが、遠方で仕事をすることの制約から、休日にある程度寝貯め・食べ貯めするのも止む無しと考えます。もう栗の皮むきなどこりごりと言いながら、また来年も作っているだろうと思います。

2015年9月6日日曜日

帰国して良かったと思うこと

右はスダチ

どう見てもスダチである。10個ほども頂いたので一生懸命食べた。

昨年10月半ばにボストンより帰国したので、もうすぐ1年が経ちます。時々、よく行った図書館やボストンのドイツ文化センターの周辺のストリートビューを眺めて懐かしんでいることもありますが、日本に帰国して良かった、と思うこともたくさんあります。

例えば、

  1. 仕事 文献調査や文章を書くことがメインで、英語も必要な、自分の仕事がとても気に入っています。同僚も優しい人ばかりです。再就職が決まった時、夫が「前の職場も良かったけれど、今度の職場はもっと良いところだといいですね」と言ってくれましたが、概ねその通りになりました。
  2. 湿度 雨が多くて洗濯物が乾かず、嫌になることもありますが、アメリカにいたときは空気が乾燥していて、いつも5分に1回くらいは目薬を差し、目の調子が悪かったです。よく鼻血も出ました。日本で成長して、身体が日本にアジャストされていると思いました。これくらい湿度があれば目薬はそれほど使いません。
  3. 水道水がきれい 日本の水道水は浄水器にかければそのまま飲めるし、茶色く濁っていることもありません。世界一の先進国、アメリカの水道水は味があり、加湿器をしばらく使うと水溜の部分に大量の塩?が溜まります。白い器に水をためると、茶色いのがよく分かります。白いものを洗濯すればするほどグレーになるので、アメリカで使っていた白いタオルやシャツは帰国の際に処分しました。 
  4. 果物がおいしい アメリカの果物は大きくて見た目が良く、安いですが、そこまでおいしくはないです。飲まない代わりに、年中果物、果物、と言っているので、おいしい果物が豊富にあることがうれしいです。スモモ、スイカ、ブドウ、モモどれもその果物らしい味と香りがあって、おいしいです。
  5. 日本語で書かれた教材 教材はやはり日本語で書かれている方が勉強しやすいです。英語はネイティブレベルではないので、例えば英語で書かれたドイツ語の教材を読むのは結構ストレスになります。英語は「勉強する」ものであって、「勉強に使う」ものではないように思います(などと言っている時点で自分のレベルの低さがバレバレですが)。 娯楽的な本で読みたいものは、原文が英語であることが多いので、勉強を兼ねて原書を読むことで足ります。
 日本で嬉しくないと思うことは景観です。部分的にはきれいな所もありますが、街並みの大半は美しくありません。オフィスの窓からの眺めは、まさにコンクリートジャングルです。長期間同じところに住んで、何もかもが当たり前になってしまうのは好きではないので、また●年くらい経ったら遠くへ引っ越したいものです。

アンリ・ファンタン₌ラトゥール『桃と葡萄』個人蔵

2015年8月30日日曜日

暁斎展@三菱一号館美術館

お友達に誘って頂き、丸の内の三菱一号館美術館で開催中の暁斎展に行きました。三菱美術館は、歴史のある重厚な建物(美術館はこうでないと)で、お庭もきれいですが、行った日はあいにくの雨でした。

河鍋暁斎(1831-1889)は浮世絵師、日本画家で、三菱一号館の建築家、ジョサイア・コンドルも弟子でした。幅広くさまざまな絵をのこしていますが、戯画や動物画、幽霊などが特にユニークです。

展覧会では、擬人化された動物の絵や、マンガ的なものが多くて、楽しい感じでした。地味な展覧会だろうか、と思っていましたが、結構な人出でした。鳥獣戯画から始まるのか、それ以前からなのか分かりませんが、動物の擬人化に関して、日本画は突出していると思います。真面目に描いたリアルな動物の絵を見ても、本物を見ればよいのでは?と思うだけで、そこまでひかれませんが、真面目に服を着て人間のような動作をする動物の姿はおかしいです。カエル好きの夫も喜んでいました。


絵葉書、マグネット、お猪口を買いました。かわいいのでいろいろ買い込んでしまいました。飲まないのにお猪口を買って、何に使うつもりなのか不明です。左のお猪口は妖狐です。脅かしているのかもしれませんが、座り込んでジェスチャー付きで長話をする近所の小母さんのようです。暁斎は、日々起こる色々なことについて、死ぬ直前まで絵日記を描いていたそうで、お猪口に描かれているのは、絵日記の一部です。もう一つの方は、狐の頭の部分に菓子折りが付いていて、お菓子をもらったときこのように描いていたそうです。なんともユーモラスです。

猫又、カエルの人力車

眠り猫、布袋さん

当然真似するわね
猫又の絵は、実物は絵葉書くらいですが、拡大して壁に飾り、その前で驚いたポーズで写真を撮影できるようになっていました。おもしろい企画だとは思いますが、大勢の観客の前でそれをやるのはかなり恥ずかしいのでやめました。


三菱一号館美術館は2010年開館した、新しい美術館です。次回は、来年の夏に開催されるジュリア・マーガレット・キャメロン展を狙っています。丸の内界隈は、高級感漂う、気取った感じで巧みに欲望を刺激してくるので、あまり近寄らないようにしたいです。


2015年8月2日日曜日

驚異の青い棚 9.氷、あるいは南アフリカ産蛍石



ボストンの夏は行く前に思っていたよりも暑く、30℃を超える日も年間20日間くらいはあったと思います。でも、日本ほど蒸し暑くはなく、湿度は低いです。梅雨が明けてから、同じくらいの温度でも、湿度が違うとこんなに暑苦しく感じるものなのか、と思っています。クーラーはあまり好きではないので、氷を作って冷凍庫に貯め、「氷たくさんできたねぇ」と喜んでいます。


暑い時期は氷に似た涼しげな物をこそ飾りたいです。南アフリカ産の蛍石は、ごく淡い水色で、透明度が高く、単なるラフですが、シャープな形です。鉱物は、濃い色の方が良いらしく、ミネラルショーで同じ種類がたくさん入っている中から淡い色のを手に取って眺めていたら、店主に「それは色が汚いよ。もっと濃い色を選んだ方がいいよ」と言われ、すっかり白けて帰ったことがあります。自分がきれいだと思ったものを収集して悦に入っているだけで、 客観的に見て価値があるか否かはまったく気にしていません。淡い色の鉱物も、清楚で良いと私は思います。これを飾っている棚は、玄関の少し奥まったところにあるので、普段は日の目を見ませんが、ドアを開けたとき直射日光が差し込むと、一瞬にしてキラッと輝くので、暑い日の氷のように清涼感があるなと思っています。3月のミネラルショーにて買いました。まだ寒い時期だったので、「氷みたい」とは思わなかったのですが、時期によって見え方も少し変わるようです。


カルサイトは敬遠するコレクターが多いように見受けますが、色、形が多様でおもしろいと思います。安価なものをまとめて瓶に入れて飾っています。氷砂糖のようで気に入っています。

2015年7月23日木曜日

ドイツ語検定3級


1ヶ月に渡る製造実習中、空き時間にドイツ語勉強しました、とアピールした挙句、成果はどうなのよ、と言われると、たいした成果とは言えませんが、合格しました。どんな資格でも、履歴書に書けるのは2級からだそうです。当分履歴書を書く予定はありませんが、3級では趣味のドイツ語という感じで使い物にならないので、もう少し上を目指すことにしたいと思います。

以下のテキスト、問題集を使用しました。ドイツ語教材はあまり選択肢もないので、3級であれば、スタンダードで評価の高いテキスト等を一通りこなせば、難なく合格できるようです。合格点は約6割で、合格率は50%を超えるので、合格しやすい試験だと思います。英検と違って、2級までは面接もありません。



取ったからどうだ、という資格ではないですが、モチベーション維持には役に立つかもと思います。

punka式学習。誰も真似しない。

2015年7月19日日曜日

猛暑の鎌倉



梅雨の晴れ間か、梅雨が明けたのか、天気が良かったので鎌倉へ出かけました。雨の上がった後で、緑は瑞々しいですが、暑い上に湿度も高く、歩くのは結構大変でした。ただ、このお天気だと海に行く人の方が多いためか、お寺は空いていました。


北鎌倉で降りて、東慶寺、浄智寺、明月院を参拝しました。いずれも花で有名なお寺ですが、今の季節は端境期で、名残りのアジサイが少しあったくらいです。


大きな鉢に、一つだけ浮かべていました。この活け方は粋だと思いました。



水琴窟
暑い日はやはり水が涼しげです。噴水よりも、このような静かな水の方が涼しさを感じます。中学校か高校の国語の教科書にも、噴水と鹿威しを考察した文章があったように思います。明月院で水琴窟を聴くことができて、うれしかったです。


アジサイのような蛍石、蛍石のようなアジサイ


アジサイはそこまで好きな花ではありませんが、花を見ていて蛍石に似ていると思いました。



鎌倉遠足の締めくくりは、恒例の清方美術館です。これまで気付いていませんでしたが、夫が「あっちに石があるで」と教えてくれて、ラピスラズリやマラカイト、サンゴの入っている日本画のパレットを見ました。日本画の顔料は高価だと言いますが、こういったものを使っているのであれば高価であるのも頷けます。キューピーちゃんと美女の絵葉書は、夫がぜひ欲しい、と言うので買いました。自分で見ていたら、変な絵だ、と思って素通りしていましたが、考えてみれば清方とキューピーちゃんの取り合わせは意外性がありますし、美女の憂い顔とキューピーちゃんのマンガ顔の対比がユーモラスです。夫は、おもしろいものやユーモラスな要素によく気が付いて、シェアしてくれるので外出が楽しくなります。


このスケッチは「明窓浄机」というタイトルです。オフィスの机の上が散らかりがちなので、机の前に貼って片づけを心掛けようと思います。

2015年7月5日日曜日

第1回ジャパンミネラルショー



東京で開催される大きなミネラルショーは、6月の新宿のものと、12月の池袋のものらしいです。6月は工場実習で行けなかったので、池袋で開催された第1回ジャパンミネラルショーに行きました。当初5月に開催される予定だったのが中止になって7月に開催されたことと、第1回だったためか、お店もお客さんも少なめでした。商品はビーズやルースが中心で、私は原石の方が好きなので、欲しいものはあまりありませんでした。

ミネラルショーは、まず1周目は買わないで見るだけにして、2周目に吟味して買うことにしています。トルコ石の鮮やかな水色のタンブルを買おう、と思って、とりあえず保留にしたところ、20個以上あったそれを、目の前で一人の人に全部買われてしまい、残念でした。他の物の購買意欲も薄れましたが、そのお蔭であれこれ買い込みはしませんでした。

青い鳥の羽が白い母岩に乗っているかのようなカヤナイトは今回のお気に入りです。写真写りが良くありませんが、実物は微妙に透明感があり、よく見るとなかなか魅力があります。一見どれも似通っている、同じ種類の鉱物のバッチから、1個1個見ると、「これしかない」というものが一つあります。必ずしも値段が高いものが自分の気に入るわけでもなく、こうやって選ぶことが鉱物収集の醍醐味かなと思います。

枝サンゴは、赤いのは特に、血管を思わせ、グロテスクで美しいものです。そこがヴンダーカンマー的で、一つは欲しいと思っていました。サンゴのアクセサリーは、中古で手軽に入手できるのに、原木はあまり出回っていないようですし、お値段も張ります。これにチェスの駒のような台座を着けるといっそうヴンダーカンマーな雰囲気になりますが、製作技術がありません。

正多面体、球、卵型と並び、螺旋も魅力的な形です。アンモナイトは1,2個で十分です。たくさんあるとカタツムリを思わせます。

瑪瑙のスライスは、縞模様がくっきりと見えるものが好みです。色の美しさ、透明感から蛍石を愛好する者としては、地味な鉱物という認識しかなかったのですが、色も多様で、奥深いものだと思います。ピクチャーアゲートは、海辺、湖畔、砂漠と建築物、山脈などが私が描くよりもよほどうまく描いてあって、ほとんど奇跡のようなものだと思います。藻か植物のような模様のあるものもすてきだと思います。

買ってきたものを見せたら、夫も「今回はしょっぱいんやな」と言いましたし、ミネラルショーにしょっちゅう行っても石が増えすぎるだけなので、このショーは2回目以降は行かないと思います。