2015年9月22日火曜日

三渓園


横浜といえば、中華街でもみなとみらいでもなく、三渓園です。「17.5ヘクタールの敷地に、各地から17棟の重要文化財を移築し」という説明を読むと、テーマパークのようなイメージを持ちますが、土地の起伏を生かした配置で、庭園とも調和しているため、テーマパークのようなギラギラした、ちぐはぐな感じとは無縁です。気心の知れた人と、静かに散策したい名所だと思います。



 しかし、花は今の季節は、ヒガンバナ、ハギ、フヨウくらいしかありません。サクラ、またはアヤメ、フジなど、花のある季節の方が良いとは思います。夏は蛍もあるそうです。9月は、夜にライトアップとお月見もあるようで、近くに住んでいるなら出かけたいものですが、自宅からは電車で2時間近くかかり、駅からも遠いので、将来の楽しみとしてとっておくことにします。





三渓園の良いところは、周りが丘に囲まれていて、ほぼ池を中心として配置されているため、外にある諸々があまり見えず、ちょっとした別世界のような感覚に浸れることです。現実逃避するなら、これくらい徹底して逃避したいものだと思います。展望台に上ると、美しくはない湾の風景がよく見えて、我に返ります。




園内には橋が多いです。お彼岸に行ったからというわけでもないでしょうが、橋は単純に、川などで隔てられたこちらがわと向う側をつないでいるだけではないような気がしますし、笹のトンネルの向うには思いがけないものがあるように思えてきます。


花は少ないとはいえ、全体としてフォトジェニックな庭園ですし、そんなことを思わされるので、このタイミングで出かけるのも意味のあることだったのかもしれません。別世界のことはさておき、結婚前に夫と行ったことがあったので、色々と過去のことを思い出しました。

2015年9月20日日曜日

9月の花・ラン


8月半ばから太陽がほとんど顔を出さず、9月半ばころまでの日照時間を調べると、都内で平年比40%程度だったようです。でも、シルバーウィークは初日から良いお天気でした。連休に出かける予定もないのでお花を買いました。

ランは世界で15,000種類、日本では230種類もあって、しかもなお品種交配がさかんだというので、くらくらしてきます。ランの栽培について、印象的な描写があるのが、ルース・エルウィン・ハリスの『グウェンの旅だち』です。

ランは形が複雑で、華やかな花だと思います。南国的でもあります。棚の上に置いている他の飾りとあまり相性が良くありませんが、季節によって異なる種類の花を飾り、変化を楽しみます。紫やピンクのランは花屋さんでもよく見かけます。でも、エライ人の居室に置いてあるような胡蝶蘭よりも、緑色や白の、花弁の細い、渋いランに憧れます。

2015年9月13日日曜日

栗おこわ



栗はアメリカにも売っていることは売っていますが、小さいのを時々見かける程度で、あまり好んで食べるわけではないようです。皮をむくのが面倒だからだと思います。大粒でつやつやとした栗がきれいだったので、買ってきて栗おこわにしてみました。皮を少し切ってから、圧力鍋で少し加熱し、皮をむきます。爪が痛くなります。

20個もむいたら嫌になり、残りは茹でて中身を取り出して食べることにしました。でも、2年前のブログ記事にはもっと小さい栗を50個ほどもむいた、と書いてあるので、ご苦労さん、という感じです。

栗おこわはデパ地下でも買えますし、家庭用の、ご飯に入れて炊くだけの栗おこわセットのようなものも販売されていますが、出来合いのと、自分でむいて作るのとでは、食感が違います。Wikipediaにも、「作業に手間がかかりすぎるのを嫌って、あまり外食産業では見受けられない家庭料理である。家庭でも既に下ごしらえがされたレトルト材料を使う事が多い」と書かれているので、おいしい栗おこわを食べようと思うと、やはり自作するしかないようです。契約書審査よりはよほど大変な労働なので、普段会社勤めをして、休日に栗の皮むきのアルバイトをしようとは思えません。自分で食べる分しかやりたくないです。そもそも、社則でダブルワークは禁止されていますが。

せっかくの栗なので、他のお惣菜もいろいろ作ったら、調理に2時間近くかかってしまいました。平日は全然料理をしないで、休日だけ気合を入れるので、段取りが悪く、時間がかかります。不健康極まりないですが、遠方で仕事をすることの制約から、休日にある程度寝貯め・食べ貯めするのも止む無しと考えます。もう栗の皮むきなどこりごりと言いながら、また来年も作っているだろうと思います。

2015年9月6日日曜日

帰国して良かったと思うこと

右はスダチ

どう見てもスダチである。10個ほども頂いたので一生懸命食べた。

昨年10月半ばにボストンより帰国したので、もうすぐ1年が経ちます。時々、よく行った図書館やボストンのドイツ文化センターの周辺のストリートビューを眺めて懐かしんでいることもありますが、日本に帰国して良かった、と思うこともたくさんあります。

例えば、

  1. 仕事 文献調査や文章を書くことがメインで、英語も必要な、自分の仕事がとても気に入っています。同僚も優しい人ばかりです。再就職が決まった時、夫が「前の職場も良かったけれど、今度の職場はもっと良いところだといいですね」と言ってくれましたが、概ねその通りになりました。
  2. 湿度 雨が多くて洗濯物が乾かず、嫌になることもありますが、アメリカにいたときは空気が乾燥していて、いつも5分に1回くらいは目薬を差し、目の調子が悪かったです。よく鼻血も出ました。日本で成長して、身体が日本にアジャストされていると思いました。これくらい湿度があれば目薬はそれほど使いません。
  3. 水道水がきれい 日本の水道水は浄水器にかければそのまま飲めるし、茶色く濁っていることもありません。世界一の先進国、アメリカの水道水は味があり、加湿器をしばらく使うと水溜の部分に大量の塩?が溜まります。白い器に水をためると、茶色いのがよく分かります。白いものを洗濯すればするほどグレーになるので、アメリカで使っていた白いタオルやシャツは帰国の際に処分しました。 
  4. 果物がおいしい アメリカの果物は大きくて見た目が良く、安いですが、そこまでおいしくはないです。飲まない代わりに、年中果物、果物、と言っているので、おいしい果物が豊富にあることがうれしいです。スモモ、スイカ、ブドウ、モモどれもその果物らしい味と香りがあって、おいしいです。
  5. 日本語で書かれた教材 教材はやはり日本語で書かれている方が勉強しやすいです。英語はネイティブレベルではないので、例えば英語で書かれたドイツ語の教材を読むのは結構ストレスになります。英語は「勉強する」ものであって、「勉強に使う」ものではないように思います(などと言っている時点で自分のレベルの低さがバレバレですが)。 娯楽的な本で読みたいものは、原文が英語であることが多いので、勉強を兼ねて原書を読むことで足ります。
 日本で嬉しくないと思うことは景観です。部分的にはきれいな所もありますが、街並みの大半は美しくありません。オフィスの窓からの眺めは、まさにコンクリートジャングルです。長期間同じところに住んで、何もかもが当たり前になってしまうのは好きではないので、また●年くらい経ったら遠くへ引っ越したいものです。

アンリ・ファンタン₌ラトゥール『桃と葡萄』個人蔵