2012年6月10日日曜日

七破風の家






ピーボディ・エセックス美術館を見た後、ホーソンの小説のモデルとなった「七破風の家」を見に行きました。夫が「せっかく来たんだし、もう来ることもないだろうから、ええよ」と言って一人12.50ドルの高い入場料を出してくれました。

ガイドさんが家の中を案内してくれます。この家は1600年代に建てられたアメリカ最古の木造建築物の一つで、東方貿易で財を成したジョン・ターナーが初代の所有者でした。中国で陶磁器を買い付け、アメリカに持ち帰り、8000倍ほどの値段で販売していたそうです。その後、息子、孫と三代にわたり家を所有しましたが、孫の代で莫大な財産を失い、競売にかけられ、ある船乗りの手に渡りました。その娘のスザンナさんがホーソンのいとこだったそうです。ただ、船乗りは家の中で気に入らない部分を取り壊してしまったため、ホーソンが訪れた頃には家は「七破風」ではありませんでした。いとこから「昔はこの家は七破風あったらしいわよ」という話を聞いたホーソンがこの家に関する小説を書きました。その後この家を手に入れた人物により、家は当初のように復元されました。…と、ガイドさんは言っていました。この話にどの程度信頼性があるかは分かりません。

家の中は撮影禁止のため、写真はありません。ガイドさんがジョン・ターナー氏がいかに裕福であったかを繰り返し説明してくれるのですが、さすが300年以上の年月を経ているだけに、家の中はかなり古いです。ペンキなども昔のまま保存されているようなことを言っていましたが、もう少し丁寧に塗った方がいいんじゃないかと思いました。家の構造はおもしろいです。間取り図はどんな感じになるのだろうと思いました。

庭がきれいでした。バラが満開です。井戸と藤棚があります。庭から数十メートル歩くと海です。貸し切りで結婚式などをする人もいるそうです。海を臨む結婚式はいいかもしれませんが、嵐がきたら酷いことになりそうです…

ホーソンは昔通っていた大学の米文科で異常に人気のある作家でした。『緋文字』The Scarlett Letterは名作と言われていますが、かなり暗くてイヤな話です。短編の「ウェイクフィールド」もなんだかわけが分かりません。『七破風の家』は近付くなオーラを発しているように思えて読んでいません。

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