『失われた時を求めて』

 

とにかく何でも速く早くやらなければならない仕事です。契約書レビューやドラフト起案は、原則即日対応、40頁の英文契約のサマリは1時間で作成せよ、というところです。こんなことを何年もやっていれば、作業スピードが上がっていないとおかしいです。しかし、先日「作業速度が標準よりかなり遅く、集中力に欠ける。仕事で困っているはず」と仕事とは関係ない人に言われました。検証しようと思いました。

【使用するもの】マルセル・プルースト著、鈴木道彦訳『失われた時を求めて1~13』集英社、2001年

休日は読めるだけ、平日は5:00~8:00と、気が向いたら終業後も読みます。通読に何日かかるでしょうか。

文学は内容をよく味わって読むのが良いと思います。速読は、このような緻密な描写の小説には相応しくないです。ただ、『失われた時を求めて』は、長すぎて通読する人の方が少ないと思います。私も、半分くらいで挫折して、10年以上積んでありました。今年こそは読もう、と思って読まない、ということばかりでした。それで、読み方云々よりも、まずは1回通読せねば、と思いました。10年以上前に読んだときは、1冊読むのに1か月もかかっていました。今回は、本書の他、和書6冊、洋書1冊に浮気して、これらも含め、通読に18日かかりました。この速度だと、読書スピードが標準よりかなり遅い、との自覚はないです。「作業速度」=「読む速度」ではないのかもしれませんし、速読には程遠いですが、仕事は読み書き9割で「こんなに仕事の速い人は見たことがない」と複数の方に言って頂きます。「困っているはず」の趣旨はよく分かりませんでしたが、積読が解消できたのは良かったことでした。

内容のおもしろさについては、「お察し下さい」という感じです。少なくともAmazonやブクログ等のレビューに「先が気になって止まりません」、「気付いたら徹夜」、「長さを感じさせない」等の記載はありません。凡人には難しかったです。これをおもしろいと思えるようになるためには、時間をかけて何度も本書を読んで、膨大な時間を失う必要があるのではないかと思います(?)

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