2011年11月27日日曜日

ボストン美術館


アメリカ三大美術館の一つ、Museum of Fine Artsに行きました。入場料は通常一人22ドルですが、近所の図書館で貸出カードを作って申し込むと割引券がもらえて、一人7ドルになります。ボストン市内は道路が複雑で駐車料金も高い(3時間で30ドルくらいかかります)ため、電車で行くのが良いと思いました。美術館前に駅があるのですが、日によってはその駅に止まらない場合もあるので、その時は一つ手前の駅で降りて5分程度歩きます。

20年ほど前にこの付近に短期間住んでいたことがあり、その時もボストン美術館は何度か訪れました。当時は小学生でしたが、好きだった絵画や彫刻は案外覚えているもので、今回それを見ることができて懐かしかったです。好きなものは今も昔も変わらないと思いました。小学生のころからあまり成長していないようです。





下の彫刻の人は死者を悼んでいるようですが、モーリス・センダックの『まどのそとのそのまたむこう』 という絵本に登場する「ゴブリン」にそっくりで、見たときに少し嬉しくなってしまいました。『まどのそとのそのまたむこう』は気味が悪くて子供の頃好きでした。

ボストン美術館は大きくて、1日ですべての展示を見るのは無理です。近くに住んでいるのでまた行きたいと思います。



2011年11月18日金曜日

ホテルオークラレシピのフレンチトースト

フレンチトーストのレシピを調べていたら、ホテルオークラのフレンチトーストが予約が必要なほど人気だというので、このレシピを参考に作ってみることにしました。レシピどおりにすると卵が一人前1.5個となり、多すぎるように思ったので一人分の卵は1個となるように減らしました。また、バニラはあまり好きではないためシナモンにしました。難しいことはなく、パンの漬け時間と焼き方がポイントのようです。

24時間卵液に浸したパンをフライパンで蓋をして焼きます。焼きあがったものを切ってみると卵に完全には火が通っていない気がしました。アメリカの卵はサルモネラ菌が付いている可能性があるので完全に火を通してから食べなさいと言いますから、さらにレンジで加熱した後食べました。普段、適当に作るフレンチトーストはこんなに長時間卵液に浸さないので、中の方はパサパサしたパンのままということがありますが、これはちゃんと中まで柔らかいのが良かったです。ただ、やはり卵臭さは気になりました。半生の食感のまま食卓に出てくることになりますから、卵、牛乳、バターは質の良いものを使った方がいいと思いました(今回使ったのは、すべてニューイングランドのスーパーマーケットチェーンのプライベートブランド製品です)。

フレンチトーストは牛乳の代わりにオレンジジュースで作ることもあるようなので、次回はそうしてみようと思います。

2011年11月15日火曜日

変な名前のバラ

このバラは色もきれいで花弁が多く、しかも香りも良いと書かれていますが、Jude The Obscureというのはちょっと変な名前だと思います。トマス・ハーディの『日蔭者ジュード』という小説に由来するそうです。

【『日蔭者ジュード』あらすじ】
ジュード・フォーレーは田舎生まれの貧しい孤児だが、神学を志し、クライストチャーチ(オックスフォード大学がモデル)で学ぶことを夢見る。現実的なアラベラと結婚するが、うまくゆかず離婚。アラベラはオーストラリアに渡り、ジュードは既婚の従妹、スーと同棲する。二人の間に子供も生まれ、ジュードは石工として生計を立てるが、貧乏から抜け出すことはできない。アラベラに子供を押しつけられ、養育するがその子はジュードとスーの間にできた子供たちを殺害したうえで自殺する。スーは夫の元に戻り、ジュードは失意のうちに死ぬ。
読んでいるだけでウツになりそうな、陰惨な小説でした。就職したばかりの頃に読み、将来に希望が持てなくなりました。バラに女優や小説のヒロインの名前を付けることはよくあるみたいですが、こんな陰々滅滅とした小説から名前をとるなんて珍しいことです。このバラを作って、家に遊びに来たお客さんに「この花の名前の由来は…」と蘊蓄を傾けるのはちょっと楽しいのかもしれませんが。

ところで「菊を丹精する」のは御隠居さん、「バラを丹精する」のは若奥さんというイメージがあります。菊は欧米では日本ほどポピュラーではないのかと思っていたのですが、この時期はガーデン・ショップに出かけると必ず菊とカボチャが売っています。





2011年11月14日月曜日

リンゴ食べ比べ その2

リンゴ食べ比べ」より続きます。
写真は左から1.コートランド(Cortland)、2.エンパイア(Empire)、3.ガラ(Gala)、4.ゴールデン・デリシャス(Golden Delicious)です。

【食べ比べレポート】
  1. コートランド ★
    酸味が強く、甘みは薄いです。歯応えがなく、ふにゃっとします。ふにゃふにゃ系のリンゴはイマイチです。もしかすると、収穫してからしばらくたっているから柔らかくなったのかもしれません。
  2. エンパイア ★★
    甘みが強く、酸味は少しあります。しゃりっとします。あまり酸っぱくなくて甘いリンゴが好きな人にはいいと思います。私は酸味のあるリンゴが好きなので、もう少し酸っぱい方がいいです。
  3. ガラ ★
    甘み・酸味ともに薄い=味の薄いリンゴです。香りもあまりありません。それと、どういうわけか少し乾燥した食感です。目隠しして鼻をつまんで食べたら大根と間違えそうです。
  4. ゴールデン・デリシャス ★★
    青リンゴです。酸味はほとんどなく、甘いです。食感は固めです。懐かしいような良い香りがします。日本のリンゴでいうなら王林に近いかもしれません。
今回の食べ比べには含めませんでしたが、「ふじ」もポピュラーなリンゴで、ほとんどのスーパーマーケットで販売されています。

2011年11月8日火曜日

リンゴ食べ比べ

アメリカは果物が安くて種類も豊富です。日本の方が全体的に美味しいとは思いますが、日本の果物は高いですね。1個当たりにかかっているコストが異なるので当然ではありますが、それはさておき、せっかくなので種類豊富なリンゴを食べ比べてみることにしました。

写真は左から1.マッキントッシュ(Mcintosh)、2.グラニースミス(Granny Smith)、3.メーコン(Macoun)、4.ブレイバーン(Braeburn)です。近所のスーパーで1ポンド(約450グラム)99セントで、4つで1.66ドル(現為替レートで120円くらい)でした。

【食べ比べレポート】星の数で評価します。最大3★
  1. マッキントッシュ ★★
    写真には写りませんでしたが、ピンク色がかった赤と、黄緑色の色合いで皮が滑らかな外見です。味はやや酸味が強く、甘みも強いです。ただ、果肉がやわらかく、少しとふにゃっとしているのが物足りないです。
  2. グラニースミス ★
    青リンゴです。オーストラリアのスミス婦人の裏庭に生えていたそうです。とても酸っぱく、固いです。甘みはあまりありません。アップルソースやアップルパイなど、料理用に良いと思います。固い割に、加熱すると早く崩れます。私はこれで豚肉のリンゴ煮などを作ります。そのまま食べるには向かないと思いました。
  3. メーコン ★★★
    赤と黄色のリンゴで、果肉は白いです。甘みと酸味のバランスがとれていて、歯触りもカリカリもしくはシャリシャリしていて、気に入っています。Wholefoods Marketの説明によれば、ニューイングランドで人気のある品種で、少しベリーの風味がある、とのことです。
  4. ブレイバーン ★★
    写真ではかなり赤く写ってしまいましたが、実際はもっとオレンジっぽい色です。少し細長い形です。味が薄く、かたいです。かすかにパイナップルの風味があります。これももしかすると調理した方がいいのかもしれません。
リンゴの種類については、このサイトを参考にしました。その2に続く予定です。

2011年11月4日金曜日

10月に読んだ本

日本語の本も少し持ってきましたが、どうせならアメリカ滞在中は洋書(ただし英語のみ)を読もうと思いました。
写真下の列はAntonia Whiteという作家の小説です。左3冊はシリーズものです。一見したところ全然関係がなさそうに見えるのは出版年が異なるためです。アントニア・ホワイトの小説の第1巻は『五月の霜』(みすず書房刊)というタイトルで翻訳が出版されています。カトリックの寄宿学校に入学した少女の学校生活を書いていますが、宗教の名の下に色々と厳しく理不尽な規則に縛られて、結構シビアな話です。

  1. The Lost Traveller
    シリーズ2巻です。『五月の霜』から主人公の名前に変更があり、寄宿学校をやめた理由も異なるなど、完全に続編というわけではありません。ヒロインのクララ・バチェラーは経済的事情により寄宿学校をやめ、地元の学校に通います。その後、家庭教師として働きますが、教え子が自分の監督下で事故に逢うという悲劇が起こります。『五月の霜』では学校生活がテーマでしたが、この巻では主人公と両親の関係に焦点が当てられています。『五月の霜』での級友レオニーは、ニコル・ド・サヴィニーと名前を変えてちらっと顔を出します。


  2. Sugar House
    家庭教師を辞めた後、主人公は演劇学校に行って女優になり、旅回りの一座のメンバーとして巡業します。恋人の裏切りにあい、かつて婚約破棄した男性と当てつけのように結婚しますが、お金もなく、夫はアルコールにおぼれ、しかも致命的な欠陥があったために結婚生活は次第に崩壊していき、同時にクララの精神状態も不安定になります。辛い結婚生活が詳細に書かれています。シルヴィア・プラスの『ベル・ジャー』を思わせる表現があったのが印象的です。
    '...was he, too, sometimes overwhelmed by that sense of being utterly cut off from life, gasping for air inside a bell-jar? If so,did drink lift the bell-jar?'
    寄宿学校時代の友達は姿を消し、役者仲間や画家など、ボヘミアンな人物が登場します。


  3. Beyond the Glass
    夫との結婚が「成就されなかった」ため、主人公は離婚手続きを行います。別居中に知り合ったリチャードという男性と熱烈で超現実的な恋愛をし、ついに精神のバランスを崩して狂気に陥ります。ナザレト精神病院での生活と狂気の描写が生々しいです。医者が回復には何十年もかかるだろうと言ったため、恋人はクララの元を去ります。回復してからの父親との再会の場面が感動的です。

    カトリックの学校で非常に厳しく教育された主人公が様々に変遷を経る内容ですが、これは作者自身の自伝的な作品だそうです。作者は3回結婚し、2回中絶を経験したようです。今、娘さんのLyndall Hopkinsonによる伝記、Notihing to Forgiveを読んでいます。ここに描かれているアントニア・ホワイトのその後は、『五月の霜』のナンダ・グレイの人物像とは正反対のようで、幼少時代に謹厳な生活を強いられた反動が強く出ている気がして興味深いものがあります。


シカゴ美術館

シカゴ旅行の2日目はシカゴ美術館へ行きました。The Art Institute of Chicagoというので、ちょっと美術学校のような名前です。アメリカ三大美術館のひとつで(他2つはメトロポリタンとボストン美術館だそうです)、所蔵コレクションは膨大です。一日では回りきれません。とくに有名なのは印象派のコレクションで、スーラの「グランド・ジャット島の日曜日」などがあります。

今回、見られて嬉しかったのはピュヴィス・ド・シャヴァンヌの作品です。

ピュヴィス・ド・シャヴァンヌは象徴主義の画家です。印象派とほぼ同時期ですが、作風は印象派とは異なります。私はこの澄んだきれいな色彩や、静かで神秘的な雰囲気が好きなのです。大喜びで写真を何枚も撮りました。ミュージアムショップでこの絵葉書を買ったら店員さんに「あら、こんな絵葉書があったなんて知らなかったわ。ステキね!」と言われました。ちなみにこの美術館の絵葉書のサイズは大きめで、種類も少ないです。


それと、このシカゴ美術館で特徴的なのはミニチュアハウスの展示です。特に女性に好まれそうです。細部まで精巧に作られていて楽しいです。主にヨーロッパ、アメリカの18~19世紀ごろの家の内部が100種類くらいあります。
美術館でこんなお土産を買いました。フランク・ロイド・ライトのデザインを基にした額です。中には同じくロイド・ライトのエンボス加工の葉書を入れてみましたが、白い壁に掛けると空の額のように見えるので中身は検討します。この額はニューヨークの近代美術館のものでした。美術館同士でグッズを融通しているのだとは思いますが、ちょっとマヌケな買い物をしてしまいました。


2011年11月2日水曜日

シカゴ旅行 シカゴ科学産業博物館

週末に2泊3日でシカゴ旅行へ行きました。旅行料金は結構安くて、飛行機は往復で2人で300ドル強です。ただ、家から最寄りの空港まで車で行ったため、その間の駐車料金が高くついてしまいました。シカゴでの移動手段は電車とバスで、3日間のパスは14ドルなので元は取れますが、日本の電車よりもうるさく、治安も悪い感じです。車内で眠れません。

1日目はシカゴ科学産業博物館へ行きました。
振り子時計、波、光の仕組みなどの科学系の展示のほか、昔のアメリカの街並みの模型やミニチュア、潜水艦、飛行機等々があります。アーミッシュの服装の老夫婦が来ていて、19世紀ごろの街並みの展示に完全に溶け込んでいました。
夜はシカゴ名物のピザを食べました。パンのような厚めの生地で、日本のピザ3倍ほどのチーズがかかっていました。しかもクラストのところには溶かしバターが着いていて、とても重いピザでした。3人でスモールサイズ2枚を注文しましたが、食べきれませんでした。

ミシガン湖は海のように大きな湖です。対岸が見えません。


シカゴは街並みが碁盤目状になっていて、建物も整然としています。フランク・ロイド・ライトっぽい建築が多いです。