ボストン交響楽団 フランクの交響曲

開演直前。このプログラムでは集客できまい(?)
ボストン交響楽団のコンサートに行きました。日本にいたときもコンサートは時々、行っていましたが、ボストン交響楽団は世界でも屈指のオーケストラで、帰国したらチケットが高すぎてあまり行く機会もないと思うので、ボストン滞在中は頻繁に行っています。おそらく、一生の間でもこれだけの頻度でコンサートに行くことはこの先そんなにないだろうと思っています。

今回の曲目は
  • メンデルスゾーン 「フィンガルの洞窟」
  • Thomas Adès 「北極星」
  • アイヴス 管弦楽組曲第2番
  • フランク 交響曲
でした。指揮者は「北極星」の作曲者Thomas Adèsでしたが、「北極星」がすごく良い曲だと思っているのはたぶん作曲者の外3人くらいで、例によって無駄に大編成で舞台裏での合唱までついている割にはさっぱり分からない音楽でした。メインのフランクが今回のお目当てですが、それにたどり着くまでにあまり食べたくないものを無理して食べないといけないのが残念なプログラム構成でした。写真は開演直前の客席ですが、空席が目立ちます。ボストン交響楽団のコンサートはだいたい7割以上は席が埋まっているように見受けますが、今回は5割以下と見ました。

夫は以前に所属していたアマオケでフランクを演奏したことがあるそうです。フランクはバイオリンソナタと交響曲以外ほとんど知りませんが、交響曲は旋律が重厚で曲線的に感じられ、アールヌーヴォーの美術を思います。雑誌編集者、ノンフィクション作家のリン・バーバーの自伝、An Educationにはオックスフォード大学を目指す秀才少女だった作者がロリコン男に騙されそうになる顛末が書かれています。そのことで大きなダメージを負った彼女が、大音量でフランクの交響曲のレコードをずっと聴いていた、という記述が印象に残っています。An Educationは数年前にキャリー・マリガン主演で映画化され、日本では『17歳の肖像』というタイトルで公開されていました。映像がきれいな映画だと思いましたが音楽はフランクのフの字も出てこず、ポピュラー音楽ばかりでした。 

フランクの交響曲の2楽章は録音だとピチカートやヴァイオリンの刻みがよく聴こえないところ、ライヴだとそれが繊細ながらはっきり聴こえました。また、この曲はダイナミクスの幅が大きいのか、ピアニシモを聴こえるように音量を調整するとフォルテシモの時うるさくて音量を下げないといけなくなりますが、生演奏でのピアニシモは「音が聴こえない」ということではないし、フォルテシモは「うるさい」ということではなく、荘厳です。

蛇足ですが、コンサート前に少し贅沢をして、ホールから徒歩10分程度のSwish Shabuというお店でしゃぶしゃぶを食べました。肉は牛の他、豚、鶏、七面鳥、ラム、ダチョウ(?!)から選べます。私は鶏肉にしましたが、肉は少しスカスカしていました。これに野菜がつき、ご飯、うどん、春雨から一つ選びます。春雨を選んだらお茶椀に山盛りになって出てきました。神戸牛を選ばない限り、一人15ドルくらいで食べられます。

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