2020年11月14日土曜日

ポール・デルヴォーとレース

チェストの上にシュルレアリスム風な設えをしたいと思いました。部屋の色は、ベースカラー:アソートカラー:アクセント=70:25:5にするとバランスが良いとのことです。この比率にきっちり沿う色合いにすることは難しいですが、割合はともかく、それぞれ白・ベージュ、褐色(木製家具)、青と決め、あってもなくても良いものは、なるべく青系で統一しています。

ポール・デルヴォーの『海は近い』の絵葉書を飾りました。展覧会(東急文化村の展覧会に、過去、少なくとも2回出展されています)で長時間、見入っていた好きな作品です。オウムガイは、デルヴォーがよく用いる透視法の、天気管は絵に描かれているランプのガラスの火屋からの連想です。あと、デルヴォーと言えば蒸気機関車ですが、オモチャの汽車を飾る気にはなれませんでした。

 ベルギーというお国柄を反映しているのか、デルヴォーの絵で、目に着くのはレースです。(画像は著作権consicousで張りません。絵そのものが主題となっていない、映り込みの範囲であれば問題ないはずです)手持ちのボビンレースのハンカチは、ハンカチとしての実用性はないので、ファブリックパネルにしました。ボビンレース作製とは比較になりませんが、普段手芸はしないので、ハンカチを下地の布に取り付けるのに苦労しました。

今年はほとんど外出ができないため、自分の部屋の話ばかりです。早く、また展覧会や海に自由に行ける日々が回復しますように。

2020年9月19日土曜日

手入れの良くないランプ

テレワーク継続中で、3月以降、出社したのは3回です。コロナが収束しても、元のように原則毎日出勤には戻らず、引き続きテレワーク中心になりそうです。そうであれば、気に入っていない家具のご尊顔を毎日長時間拝む生活はなるべく改善したいです。

デスクライトを新調しようと考え、高価なデザイナーズ照明なども検討していたのですが、居間に置いて全く使用されていなかったフランク・ロイド・ライトのタリアセンのリプロダクトについて、夫に「あのライトは置き物なん」と言われたので、これを使うことにしました。掃除をして、電球をLEDに交換しました。大きな台座の分がデッドスペースになるのはもったいないので、見栄えが悪いですが、マグカップを置いています。もともと、机の上に置くために購入したわけでもないですが、設置してみると、机や壁に掛けているマルティのポショワールとも案外はまって、一人悦に入っています。

従前、使用していたデスクライトは、夫が「使わないんやったらワシがもらうわ」と言って引き取ってくれました(夫は家具の見た目などはあまり気にしません)。無駄な買い物をせずに済み、遊んでいた物を使えることになり、これまで使っていた物を処分する必要も生じませんでした。

賢くもなければ乙女でもありませんが、夫のおかげで、手入れの良くないランプを有効活用できることがあるようです。

2020年5月5日火曜日

机を買った話

 

机の広さと作業効率

机の広さと作業効率は正比例する、という記事を読みました。それなら、ベッドのように広大な机を使用すれば、驚異的な作業効率を実現できるか、といえば、多分そんなことはないので、「正比例」は言い過ぎな気がしますが、机が狭すぎると作業効率は落ちると思います。モニターをアームで取り付ける等により、多少は改善されたものの、机そのものが気に入っていなかったので、新調しました。これもまた、ずっとイヤだと思いながら、安かったのだから仕方がない、と日々我慢して使用していたからでした。

候補と選択

無垢材であること、天板の面積が従前の3割増程度になること、価格が所定の幅に収まることを条件として探し、まずは候補を3つに絞りました。研修で教わった、KT法の決定分析(DA)をやってみました。

しかし、第一候補は、大きすぎて、 部屋へ搬入するのが無理そうということが判明しました。第二候補は、掲載されている写真の色がイマイチのように思ったのですが、お店に問い合わせたところ、チーク材なので、経年変化します、とのことで、経年変化前後の写真を送って下さいました。赤褐色に変化していくようなので、これも楽しみかもしれない、と思いました。また、袖机がないのは困るのでは、と思ったのですが、かつて袖机に収納していた書類は、基本的にPCにデータで保管しているのですから、問題ないと考えました。そうであれば、脚の可動域の広い、平机の方が良いです。

従来の机

新しいものをどう買うか以上に、従前のものをどうするかが重要だと思います。夫が、10年来、L字デスクにしたいと言っていたので、購入検討前に、引き取ってもらえないか、尋ねたところ、「ええで」ということになりました。夫の机も、高さが同じなので、L字にするにも支障はなかったようです。そんな都合よく、不用品を押し付けて良いのでしょうか…自粛が開けたら、フォートナムのアフタヌーンティーで償います。

結果

<良かったこと>
  • 机の面積拡大:従来比135% 作業効率的な観点から十分な広さがあり、かつ、部屋に搬入できるものだと、これが限界です。作業効率は、従来比150%くらいになる予定です(?)。
  • デザイン:シェーカー家具風でシンメトリーな外観が気に入っています。
  • 色: 蜜蝋ワックスをかけると、色が少し濃くなりました。壁に掛けている額と、近い色になりました。
  • 滑り心地:ワックスで、表面がツルツルになり、PCやスピーカが非常に良く滑るようになりました。今後も、四半期に1回くらいはワックスがけをして、抜群の滑り心地を目指したいと思います。この机で勉強して、試験に合格することはないでしょう。 
  • 夫の机:L字になった。

<失敗したこと>
  • モニターアーム:天板と、本体の間のスペースが1,2センチ足らず、モニターアームが取り付けられずに、スタンドに戻さざるを得なかったのは誤算でした。

2020年4月18日土曜日

ホームオフィス計画


丁寧な暮らしよりも、合理的な暮らしがしたい、と常々思っています。テレワークが増えたことを以て、仕事の合理化・効率化を試みる点は変わりませんが、家で毎日何時間も仕事をする以上は、ホームオフィスを整えることも、合理化です。

テレワークで、印刷できないことの不便は、マルチモニター使用により、かなり解決できます。ただ、その分、作業スペースが狭くなり、ここでコソコソと仕事をしていると、疲労が溜まります。長時間労働しなくてはならない事情があるため、蓄積される疲労はできれば減らしたいです。そこで、机を大きいものに新調しようと考え、候補も決まっていたのですが、2人の小柄で非力な人間が部屋まで搬入するには厳しいのでは、ということになり、見送りました。代わりに、夫の手配りで、
  •  モニターを机に取り付け
  • マウスのコードレス化
を行いました。モニターは、もともとスタンドを使用していたのですが、夫が、大きいモニターを机に取り付けるアームを買ったのを見て、私も真似したいです、と言ったら、あなたにあげるよ、と言って、既存のモニターに取り付けてくれました。また、私が、作業環境にはおおむね満足していますが、ケーブルが多いのが問題です、と言ったので、コードレスマウスにしたらええやん、と言って、買ってくれました。マウスパッドは、無くても困らないので、廃止しました。

使用できるスペースが体感的に1割以上、広くなりました。出費も、机を買い替えるよりも抑えることができました。作業スペースの改善により、今後は、全く問題なく、どんな長時間労働もこなせるはずです。首を洗って待っていなさい、と言いたいです(誰に)。

before 左:残業45時間、右:残業75時間(チョーク・イシュトヴァーン『孤児』)

after 長時間労働できます!
 こんなに逞しくないし、服は着ていますが(ウィリアム・ブレイク)

2020年4月15日水曜日

アンドレ・マルティを飾った



自分では手が出ないような、高価な本を頂きました。元の所有者は、その本を全部でどのくらい閲覧したか、恐らく10時間には満たないはずです。そう考えると、勿体ない気がしました。私の所有する、貴重な本は何だろうか。私は、一生の間にその本を何時間くらい、眺めるだろう。今ではすっかり廃れましたが、若い頃は、稀覯本収集の趣味が少しあり、乏しい給料から捻出して、時々購入していました。美術館に収蔵するくらい、貴重でも、卒倒するほど高価というわけでもないけれど、これを、どんなに長くても一生で2時間くらいしか閲覧しないのはもったいなく、毎日、目に着くようにした方が良いです。額装して、展示しようと考えました。

飾ろうと思ったのは、アンドレ・マルティのポショワールでした。同時代のイラストレータは、ジョルジュ・バルビエが有名ですが、淡い色彩で、上品でかわいらしく、癖のないマルティが好みです。折しも、千代田区立図書館で、「鹿島茂コレクション アール・デコの造本芸術 高級挿絵本の世界」を開催していたので、実際飾ったときのイメージを掴みたかったのと、額装の参考にしたいと思って、出かけました。展覧会を見て、やはり、これは自室にも飾りたい、と思いました。絵自体がすばらしいので、額に凝ることはないと思いました。


安価なフレームと、絵のサイズに合わせたマット紙を準備しました。ハンマースホイの作品で、テーブルや、ピアノの上の壁に、絵が、左右対称に2枚、飾られていることが多いので、真似して、机の上に2枚、飾りました。『聖ヨハネ祭の夜』と『青い鳥』から、選びました。『聖ヨハネ祭の夜』は、化学の実験室で、夜、先生がパイプを持っている絵です。化学工場の研修で、1カ月間、交替勤務(夜勤あり)をしたことがあるので、他人事とは思えない風景で、少し懐かしい感じがします。窓の明かりと、一点透視法の整然とした構図が気に入っています。『青い鳥』は、チルチルが、未知の扉を開けてびっくりしています。噴水も良いです。マルティはスペースの取り方や、配置がオシャレです。

仕事の合間に、ふと顔を上げたら薄明かりの絵画が目に入るのはうれしいです。仮に、毎日1分としても、年間では6時間ほどで、本棚に挟んでいるよりも、何倍も見ることになります。ポショワールを作って、というのは難しいかもしれませんが、アンドレ・マルティはとてもすてきなので、画集が出版されると良いな、と思っています。

2020年2月16日日曜日

法人税法能力検定1級

昨年10月に買った消費税法能力検定1級に続き、法人税法能力検定1級を買ってきました。この試験の合格率は50~70パーセント前後の時が多いですが、今回は80.1パーセントもあり、買ったからと何も自慢になりません。試験は2回/年、10月末と2月初頭に行われます。申込期間が開始したら、速やかに申し込むことが重要です(人気のある会場は、すぐに満席になってしまいます)。

消費税法は2カ月程度かじって何とかなったので、法人税法も3か月もかじっておけば十分だろうと思いました。ただ、法人税法の方が、消費税法よりは多少難しく、食べる量も多いようには思います。今回の試験には出題されなかったものの、減価償却の出題があると、必ず1問は例外的な取り扱いがあって、どうしても食べ方が分かりませんでした。消費税法と同じく、過去問と、食べにくい公式テキストが主な教材で(税理士試験の法人税法の教材を使う手もあるようですが)、最初2週間は全然食べられず泣きそうになりました。なんでこんなおいしくない試験の合格率が8割もあるのか!と思います。ただ、まずは同じ分野をまとめて、何回か繰り返すうちに食べられるようになりますし、この試験は全体的に親切設計なので、おいしいです。


過去問は、3回か5回も繰り返せば合格レベルに到達すると思いますが、私は8回ほども食べ、平均点90点以上取れるようになっても、まだ食べていたので、夫に「意味ないと思いますよ。他の勉強に着手した方がええで」と言われました。本番も、合格点70点のところ、92点でしたし、この後も、幾多の試験が「食べて」と待ち構えている状態なので、夫の言う通り、早めに切り上げて他の物をかじりに行く方が良かったのかもしれません。

いつも力になって下さる尊敬する人に、「あなたの業務は、税務とも密接に関連するので、折に触れて税務の勉強をしておいて下さい」と言われた直後に合格証を買ったので、図らずも出来レースぽくなり、うれしいことでした。

2020年1月12日日曜日

ニューイヤーバレエ@新国立劇場



交響曲を1楽章だけ、取り出して演奏したらおかしいと思っていて、同じように、バレエも、全幕物の一部分だけを取り出して並べたら、やはり変なのではないか、ガラ公演へ行くのは、全幕物をたくさん観てからで良いのでは、と思っていました。それでも、今年の新国立劇場のニューイヤーバレエは、クリストファー・ウィールドン振付のDGVの初演があるというので、出かけました。音楽がマイケル・ナイマンだったためでした。

演目は、
  • 「セレナーデ」
  • 『ライモンダ』のパ・ド・ドゥ
  • 『海賊』のパ・ド・ドゥ
  • DGV



「セレナーデ」は、動く象徴主義絵画(例えば、ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンクの)、という感じで、美しさが神がかっていると思いました。パ・ド・ドゥは、「全幕物の山場だけ取り出したらやはり変」とは思いましたが、ジャンプのテクニックがすごいと思いました。『海賊』は衣装がおもしろいです。

TGV
DGVは、マイケル・ナイマンがTGV(Train à Grande Vitesse超高速鉄道)のために作曲した、Musique à Grande Vitesse(「超高速音楽」という意味らしいですが、そこまでテンポが速いわけではない)のバレエ版です。私は、Youtubeで音楽を試聴して、とても気に入って、CDを購入し、昨年10~12月の残業のBGMに200回は聴きました(通常の営業時間に、BGMなど聴いていないです、念のため)。電車の走行をイメージしていますから、人間を馬車馬のように働かせるにもちょうど良い音楽といえます。馬車馬のように残業する、といっても、何も悪いことはなく、本人は、自分の仕事が好きで、楽しくて仕方がなかった、と言います。バレエもとても楽しみでした。

それを、ついに、ライヴで、バレエ付きで観られるのですから、最初から最後まで、全部、感涙にむせばないわけがありません。夫に「なんでそんなに泣いてるん」と不審がられました。ダンスは前衛的でカッコいいし、ドラムを2回のボックス席で演奏していて、録音とは段違いに迫力があります(ただ、ドラムのリズムが録音とかなり違っていて、和太鼓っぽくなっていたので、少し笑いました)。物語のない、こういうバレエもおもしろいなと思いました。完全に個人的な思い入れですが、この3か月、仕事がとても楽しかったこと、毎日充実していたこと、周りの方々に優しくして頂いたことを思い出し、こんなに良いことは二度とないだろう、と思い、音楽を聴いて一人大いに盛り上がり、おかしいことになりました。

アンケート回答のオマケに、クリアファイルをもらいました。新国立劇場の、わざわざランク別に色分けされた座席表が印刷されており、誰が喜ぶんだろう、という感じですが、発想としては面白いかもしれません。パンフレットは保存します。