2020年1月12日日曜日

ニューイヤーバレエ@新国立劇場



交響曲を1楽章だけ、取り出して演奏したらおかしいと思っていて、同じように、バレエも、全幕物の一部分だけを取り出して並べたら、やはり変なのではないか、ガラ公演へ行くのは、全幕物をたくさん観てからで良いのでは、と思っていました。それでも、今年の新国立劇場のニューイヤーバレエは、クリストファー・ウィールドン振付のDGVの初演があるというので、出かけました。音楽がマイケル・ナイマンだったためでした。

演目は、
  • 「セレナーデ」
  • 『ライモンダ』のパ・ド・ドゥ
  • 『海賊』のパ・ド・ドゥ
  • DGV



「セレナーデ」は、動く象徴主義絵画(例えば、ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンクの)、という感じで、美しさが神がかっていると思いました。パ・ド・ドゥは、「全幕物の山場だけ取り出したらやはり変」とは思いましたが、ジャンプのテクニックがすごいと思いました。『海賊』は衣装がおもしろいです。

TGV
DGVは、マイケル・ナイマンがTGV(Train à Grande Vitesse超高速鉄道)のために作曲した、Musique à Grande Vitesse(「超高速音楽」という意味らしいですが、そこまでテンポが速いわけではない)のバレエ版です。私は、Youtubeで音楽を試聴して、とても気に入って、CDを購入し、昨年10~12月の残業のBGMに200回は聴きました(通常の営業時間に、BGMなど聴いていないです、念のため)。電車の走行をイメージしていますから、人間を馬車馬のように働かせるにもちょうど良い音楽といえます。馬車馬のように残業する、といっても、何も悪いことはなく、本人は、自分の仕事が好きで、楽しくて仕方がなかった、と言います。バレエもとても楽しみでした。

それを、ついに、ライヴで、バレエ付きで観られるのですから、最初から最後まで、全部、感涙にむせばないわけがありません。夫に「なんでそんなに泣いてるん」と不審がられました。ダンスは前衛的でカッコいいし、ドラムを2回のボックス席で演奏していて、録音とは段違いに迫力があります(ただ、ドラムのリズムが録音とかなり違っていて、和太鼓っぽくなっていたので、少し笑いました)。物語のない、こういうバレエもおもしろいなと思いました。完全に個人的な思い入れですが、この3か月、仕事がとても楽しかったこと、毎日充実していたこと、周りの方々に優しくして頂いたことを思い出し、こんなに良いことは二度とないだろう、と思い、音楽を聴いて一人大いに盛り上がり、おかしいことになりました。

アンケート回答のオマケに、クリアファイルをもらいました。新国立劇場の、わざわざランク別に色分けされた座席表が印刷されており、誰が喜ぶんだろう、という感じですが、発想としては面白いかもしれません。パンフレットは保存します。

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