十代の頃に、父が買ってきてくれたお土産がとてもおいしいと思って、もう一度買ってほしいと何度か頼んでみたのですが、他の家族はそこまでおいしいとも思わなかったようで、食べたこと自体、憶えていないようでした。「羽田空港のお土産で、クッキーの間にショウガ風味のナッツの飴が挟んである和菓子で、包装にヒョウタンが描いてある」と説明しても、「???」という顔をされるばかりで、分かってもらえませんでした。まず、買ったのが空港だったとしても「羽田空港のお土産」ということはないはずですし、クッキーの間の飴にしても、ハードキャンディを思い浮かべるなら変な感じがするので、分かってもらえないのは当然です。デパートで諸国銘菓のコーナーがあるといつも探しましたし、インターネットでも探しましたが、全くそれらしいものが見つかりませんでした。
20年近く、あれは何だったのだろう、と思い続けていたのですが、ついに駅で見つけました。目黒発の
「六瓢息災」というお菓子でした。目黒の本店の他、空港や、いくつかの駅でしか販売しておらず、デパートの取り扱いはないようです。自分用のお菓子としては高価ですが、ここは大喜びで購入するしかありません。 自分ではまず作れなさそうな、凝った作りのお菓子であり、記憶と同じ味だったので、うれしく思いました。でも、夫は「さっきのお菓子何やったっけ?六波羅探題?わしはもうええわ」と言って、あまりおいしいとは思わなかったようです。
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