2015年8月30日日曜日

暁斎展@三菱一号館美術館

お友達に誘って頂き、丸の内の三菱一号館美術館で開催中の暁斎展に行きました。三菱美術館は、歴史のある重厚な建物(美術館はこうでないと)で、お庭もきれいですが、行った日はあいにくの雨でした。

河鍋暁斎(1831-1889)は浮世絵師、日本画家で、三菱一号館の建築家、ジョサイア・コンドルも弟子でした。幅広くさまざまな絵をのこしていますが、戯画や動物画、幽霊などが特にユニークです。

展覧会では、擬人化された動物の絵や、マンガ的なものが多くて、楽しい感じでした。地味な展覧会だろうか、と思っていましたが、結構な人出でした。鳥獣戯画から始まるのか、それ以前からなのか分かりませんが、動物の擬人化に関して、日本画は突出していると思います。真面目に描いたリアルな動物の絵を見ても、本物を見ればよいのでは?と思うだけで、そこまでひかれませんが、真面目に服を着て人間のような動作をする動物の姿はおかしいです。カエル好きの夫も喜んでいました。


絵葉書、マグネット、お猪口を買いました。かわいいのでいろいろ買い込んでしまいました。飲まないのにお猪口を買って、何に使うつもりなのか不明です。左のお猪口は妖狐です。脅かしているのかもしれませんが、座り込んでジェスチャー付きで長話をする近所の小母さんのようです。暁斎は、日々起こる色々なことについて、死ぬ直前まで絵日記を描いていたそうで、お猪口に描かれているのは、絵日記の一部です。もう一つの方は、狐の頭の部分に菓子折りが付いていて、お菓子をもらったときこのように描いていたそうです。なんともユーモラスです。

猫又、カエルの人力車

眠り猫、布袋さん

当然真似するわね
猫又の絵は、実物は絵葉書くらいですが、拡大して壁に飾り、その前で驚いたポーズで写真を撮影できるようになっていました。おもしろい企画だとは思いますが、大勢の観客の前でそれをやるのはかなり恥ずかしいのでやめました。


三菱一号館美術館は2010年開館した、新しい美術館です。次回は、来年の夏に開催されるジュリア・マーガレット・キャメロン展を狙っています。丸の内界隈は、高級感漂う、気取った感じで巧みに欲望を刺激してくるので、あまり近寄らないようにしたいです。


2015年8月2日日曜日

驚異の青い棚 9.氷、あるいは南アフリカ産蛍石



ボストンの夏は行く前に思っていたよりも暑く、30℃を超える日も年間20日間くらいはあったと思います。でも、日本ほど蒸し暑くはなく、湿度は低いです。梅雨が明けてから、同じくらいの温度でも、湿度が違うとこんなに暑苦しく感じるものなのか、と思っています。クーラーはあまり好きではないので、氷を作って冷凍庫に貯め、「氷たくさんできたねぇ」と喜んでいます。


暑い時期は氷に似た涼しげな物をこそ飾りたいです。南アフリカ産の蛍石は、ごく淡い水色で、透明度が高く、単なるラフですが、シャープな形です。鉱物は、濃い色の方が良いらしく、ミネラルショーで同じ種類がたくさん入っている中から淡い色のを手に取って眺めていたら、店主に「それは色が汚いよ。もっと濃い色を選んだ方がいいよ」と言われ、すっかり白けて帰ったことがあります。自分がきれいだと思ったものを収集して悦に入っているだけで、 客観的に見て価値があるか否かはまったく気にしていません。淡い色の鉱物も、清楚で良いと私は思います。これを飾っている棚は、玄関の少し奥まったところにあるので、普段は日の目を見ませんが、ドアを開けたとき直射日光が差し込むと、一瞬にしてキラッと輝くので、暑い日の氷のように清涼感があるなと思っています。3月のミネラルショーにて買いました。まだ寒い時期だったので、「氷みたい」とは思わなかったのですが、時期によって見え方も少し変わるようです。


カルサイトは敬遠するコレクターが多いように見受けますが、色、形が多様でおもしろいと思います。安価なものをまとめて瓶に入れて飾っています。氷砂糖のようで気に入っています。