2011年12月22日木曜日

Spinners

どうしたん?
【題材等】
「ルンペルシュティルツヘン」 グリム童話
Donna Jo Napoli作、Puffin Books刊、1999年

【あらすじ(ネタバレあり)】
恋人の父親に「金で作ったウェディングドレスを用意すれば娘と結婚させてやる」と言われた仕立屋は老婆から紡ぎ車を強奪し、藁を金に紡ぐことに成功するものの、事故により結局恋人と結婚することができなかった上、片脚が委縮してしまいます。恋人は粉屋と結婚し、娘を産んだ後、産褥で死亡します。長じて、娘は紡ぎの名人となりますが、粉屋が「娘は藁を金に紡ぐことができる」と王様に言ったので、娘は「金を紡ぐか、さもなくば死刑」と言われます。仕立屋は手助けしますが…

【コメント】
本作品では、ルンペルシュティルツキンがヒロインの実の父親、粉屋は育ての父親という設定になっています。ルンペルシュティルツキンが子供を欲しがるのは「食べるため」と思っていたのですが、彼は別に手当たり次第子供を誘拐したりして食べまくっていたわけではありませんでした。本作品はルンペル氏が「その子供」を欲しかった理由を説明しています。他人の子供を奪おうという邪悪な人間は自ら滅びるのですが、彼が子供を心待ちにしてこんな物を食べさせてやりたい、と考えたりおもちゃを作ったりする箇所は泣かせどころです。また
  • 娘の恋人に金の衣装の作成を要請する
  • 自分の軽はずみな発言により娘を試練にあわせた挙句に「もっと金を紡げ。父親の命令をきけないのか」と要請する
  • 自分の立場を明かさずに、「名前を当てられなかったらお前の産んだ赤ちゃんを連れていく」と言う
という、変な父親三人が登場します。こんな父親はイヤだ。ヒロインの旦那さんも変な人であり、ちょっとバッドエンドです。

【お勧め度】
★★★☆☆



【おまけ】
純金のドレス。画像はこちらから拝借しました。

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