グランヴィル展@兵庫県立美術館

 

展覧会

美術が好きな知人がいて、ご自宅に、現代画家のオリジナル作品を所有されているというお話でした。自分が所有することが現実的で、自宅に飾りたい絵は何だろう、と考えると、第一にグランヴィルでした。兵庫県立美術館の「M氏コレクションによるJ.J.グランヴィル」展に行きました。

200点余が出展されています。本をばらして額装して展示されているようで、一点当たりのサイズは小さいですが、私が行ったときは空いていましたので、虫眼鏡を借りて、ゆっくり見ることができました。細かい部分におもしろい趣向が凝らされています。私は、グランヴィルの絵を見ていると山尾悠子さんの小説を思います。


グランヴィルの作品では、天文系のものがとりわけ奇想天外で、良いと思っています。
チラ見せ
また、この展覧会では16ページ、オールカラーの冊子が配布されています。大充実の内容です。これは嬉しいプレゼントでした。大切に保管します。

お土産


夫が、「グランヴィルおもしろいねぇ。わしはお花の擬人化が一番好き。最後に押し花にされちゃうのがええね」と言いました。グランヴィルの作品の中でも、『フルール・アニメ』の図版は比較的気軽に購入できると思います。私は、展覧会のポスターにもなっている、「ヤグルマギクとケシ」の図版をギニョール@Guignolinfoで購入しました。また、どんなお話がついているのか知りたくて、タクシル・ドロールの『グランヴィル 花の幻想』(八坂書房、1993年)を購入しました。ヤグルマギクとケシのお話は、人間になったヤグルマギクとケシの悲恋ものです。花々のお話は、物悲しく、かつユーモラスです。カラー図版も豊富です。

ヤグルマギクとケシ

「ヤグルマギクとケシ」は、購入した図版、『花の幻想』に収録されている図版、展覧会のチラシに掲載されているものの3種類があり、原画は同じですが、彩色が異なります。

購入した図版は、色数も、彩色されている箇所も少ないです。ヤグルマギクとケシは、薄化粧の清楚な、大学に入りたてのお嬢さんのようです。

本に収録されている図版は、色数豊富で、細かいところまで丁寧に彩色されています。お嬢さん2人も、社会人になってお化粧に気を遣うようになりました。


グランヴィル展のポスターは、手元の図版と比べるとかなり色が濃いです。2人の顔つき、表情もベテラン社員の風格があります。

上記3点の何が正解ということはなく、単に好みの問題ですが、お化粧の濃さによって、顔の印象が顕著に変わってくる、ということが分かる一件でしたので、自分も粉飾を凝らす際は十分注意しようと思います。

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