自室のハンマースホイ化計画

 

ハンマースホイ化計画

身に着ける物や、家具など、間に合わせで、気に入らないけれど、安価で手に入りやすい物を買うことはありますが、その後、目にする度に「安かったのだから仕方ない」と自分に言い聞かせるコストはどれほどのものかと思います。我慢コストをかけることによって、気に入らない物に付加価値など着くわけでもなく、不経済この上ないです。仕事相手と合わないと思うなら、ためらいなく転職する一方で、毎日一緒に過ごす、気に入らない家具やカーテンを我慢しているのは不合理です。

テレワークにより、自室で過ごす時間が増えました。従来、来客の目に着く部分は、多少は気を付けてきたつもりですが、自室のインテリアは安価な間に合わせの、気に入らないものばかりで、ここで長時間過ごすと、だいたい年間数十万円の我慢コストがかかることになります。こんなことは、なるべく早く直さなくてはいけません。修正方針は、ハンマースホイです。具体的には、
  • 白くする
  • 統一する
  • ロイヤルコペンハーゲン
  • やり過ぎない

カーテン

部屋の広い面積を覆う、カーテン、絨毯、寝具などは、無地で、ベージュ系の色で揃えれば、既存のもので済む部分も多く、修正コストもそこまでかかりません。大きさの異なる3つの窓に、バラバラなカーテンがかかっていたので、ベージュで揃えました。ミラーレースのカーテンは見栄えが良くありませんが、通常のレースのカーテンだと、南日と西日で、中にいる人が3時間で溶けるので、致し方ありません。ハンマースホイさんの家のカーテンは、全部白だったようです。

『カードテーブルと鉢植えのある室内、ブレスゲーゼ25番地』、1910-11年、マルムー美術館

照明

天井に貼り付ける式のシーリングライトで部屋を煌々と照らすのは、薄明かり的な観点から、問題があります。下記の文章を読んで、ミルクガラスの浅いシェードの照明にしよう、と決めていました。

電燈などはもうわれ/\の眼の方が馴れッこになってしまっているから、なまじなことをするよりは、あの在来の乳白ガラスの浅いシェードを附けて、球をムキ出しに見せて置く方が、自然で、素朴な気持もする。夕方、汽車の窓などから田舎の景色を眺めている時、茅葺きの百姓家の障子の蔭に、今では時代おくれのしたあの浅いシェードを附けた電球がぽつんと燈っているのを見ると、風流にさえ思えるのである。 (谷崎潤一郎『陰翳礼賛』)

ハンマースホイの作品にも、ミルクガラスのシェードらしきテーブルランプが見られます。

プリンタカバー

夫が「プリンタはホコリ被るから、カバーしないとあかん」と言って、ビニール袋をかけられてしまいました。実家に40年も死蔵されていたナプキンをつないで、カバーを作りました。食卓に使うには気が引けますが、このままさらに20年も死蔵して、最後はリサイクルショップに持って行くなどはしたくなかったためでした。ハンマースホイ作品には、白い布をかけたテーブルが頻出しますが、これを以てハンマースホイをお手本にしました、と言うには無理がありすぎるので、カバーが落ちないように、ハンマースホイで押さえています。

ロイヤルコペンハーゲン

ハンマースホイは、ロイヤルコペンハーゲンのパンチボウルやコーヒーポットを作品に取り入れています。でも、パンチボウルとか使わないし、同じ種類でなくて良いと思いました。マグカップを愛用しております。

やり過ぎない

建物は賃貸アパートであって、アルミサッシの窓や、ペラペラなドアは変更できませんから、ハンマースホイに近付けることなど所詮はできない相談です。その制約の中で、やり過ぎると却っておかしくて、ほどほどにすることが大事だと思っています。1ヶ月テレワークをして、業務上は特段の支障もなかったので、テレワーク推奨が終わっても、2日/週はテレワークを継続するつもりです。自室で特に気に入っていない部分は修正したので、今後は、時間をかけて、どうするかを考えます。夫は、「この部屋、簒奪したいわ。居座って、『実はこの部屋、ワシのだったんすよ』って言いたいわ」と言いますが、隣に同じような部屋があるのだから、自分の部屋を気に入るようにすれば良いのでは、と思いました。

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